9日午後9時15分ごろ、福岡市博多区西春町2丁目の西鉄天神大牟田線春日原-雑餉隈間の踏切で、大牟田発西鉄福岡(天神)行きの特急電車(7両編成)と乗用車が衝突。乗用車は大破し、運転していた男性が意識不明の重体。乗客約200人にけがはなかった。
博多署などによると、現場は遮断機や警報機のある踏切で、電車は衝突した乗用車を引きずったまま、約180メートル離れた次の踏切付近で脱線して停車したという。乗客の男性は「ガシャンという音がしてゆっくりと電車が止まった。車内放送で接触を知り驚いた」と話した。
この事故で西鉄は大橋-西鉄二日市間の上下線の運転を見合わせ、同区間をバスで代替運行。福岡(天神)-大橋間と二日市-大牟田間で折り返し運転をしている。
福岡(天神)駅では事故で足止めされた利用客らで混雑。帰宅中だった福岡県久留米市の会社員男性(39)は「ビジネスホテルに泊まるか、高速バスに乗り換えるか迷っている」と困惑した様子。同県小郡市の女子大学生(19)も「今夜は寒いのに、自宅に帰り着けるだろうか」と不安げだった。
=2010/12/10付 西日本新聞朝刊=