日韓攻防、外交文書を公開 受け入れ拒めば北朝鮮送還【ソウル12日共同】韓国政府は12日、1970年代後半の日韓協議記録などの外交文書を公開した。犯罪を起こし日本で退去強制の対象になった在日韓国人の受け入れに韓国側が人道問題を理由に難色を示し、日本は受け入れ拒否が続くなら、送還対象者の中で希望者を北朝鮮に送ると圧力をかけていたことが分かった。 当時、日本は日韓協定に基づき在日1世と2世に永住権を認めていたが、7年以上の懲役が確定するなどした場合は退去強制の対象にしていた。これに対し韓国側は、永住資格を持つ在日韓国人は韓国内に生活基盤がなく受け入れられないと主張し、拒否していた。 在日本韓国大使館は78年6-7月、韓国外務省(現外交通商省)に、日本は韓国が拒んできた20人の永住資格者の受け入れを求め、拒否するなら北朝鮮行きを希望する対象者の北朝鮮送還を検討すると「暗示」してきたと報告。日本と協議し1人の受け入れを決めたと伝えた。これに本国外務省は「受け入れはできない」と再協議を指示、この人物の扱いの決着は文書では不明だ。 しかし、日本の法務省入国管理局によれば、同年初めて「韓国・朝鮮籍」の2人が退去強制で送還されたとの記録があり、その後88年までにさらに17人が送還された。送還相手国は確認できないが、国交のない北朝鮮への送還は考えにくいといい、韓国に送還されていた可能性が高い。 【共同通信】
|