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【死刑求刑で無罪判決】「やってない。指紋は捏造」被告は一貫して無罪主張
「強盗殺人などは絶対に私はやっていません」。鹿児島地裁で10日、無罪の判決を受けた白浜政広被告(71)=求刑死刑=は、初公判で起訴内容を全面否認し、公判は検察側との対決に終始した。
「事件現場には一度たりとも行ったことはなく、全く知らない所」と、無罪を主張した白浜さん。被告人質問で、指紋が一致したことを問われると「警察が私の家や車から転写し捏造(ねつぞう)したのだと思う」と力説した。
物証が少ないことから、被告人質問での検察側の質問は事件前後の白浜さんの行動や、日ごろの浪費癖に集中。
殺害された高齢夫婦の遺体が発見されたのは昨年6月19日。その前日の行動を問われた白浜さんは「午前5時ごろから鹿児島市内を散歩していた」と説明した。同15日に支給された年金はパチンコや飲み代にほぼ使い果たし、同居の姉に約束をしていた生活費が渡せなくなっていた。
「姉と顔を合わせないよう18日は午後10時ごろに帰宅した。19日夕に姉に謝罪し、無駄遣いを防ぐためにキャッシュカードを預けることになった」とも話した白浜さん。
検察官が「浪費癖は昔からなのに、なぜその時にカードを預けようと思ったのか」と追及すると、「最低ラインまで行き詰まり、姉に預ければ生活できると思った」と答えた。
白浜さんのアリバイは最後まで明確にはならず、検察側は姉に生活費が渡せなかったことも動機の一つとの主張を論告に盛り込んだ。
「ぬれぎぬを晴らしていただくようお願いします」。最終意見陳述まで、一貫して無罪を訴え続けた。