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妊産婦:国循検証、死因3割「羊水塞栓症」 検査充実など提言へ

 国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)の池田智明周産期・婦人科部長らが、今年死亡した全国の妊産婦35人の死因を検証したところ、羊水が母体の血管に詰まる「羊水塞栓(そくせん)症」だった人が全体の約3分の1いた。妊産婦の死亡者数や詳しい死因などは詳細な統計がなく、初めての具体的なデータとなる。国循を中心に今年発足した「症例検討評価委員会」の初成果で、11日の大阪府医師会の研修会で発表される。

 国内での妊産婦の死亡者数は統計的に年間数十人とも言われるが、死因などの十分な統計はない。一方、学会などではここ数年、肺の動脈に血栓が詰まる肺塞栓症など分娩(ぶんべん)と直接関係のない「間接死亡」が多いことが報告されるようになり、死因の把握や再発防止が課題とされている。

 同委員会は日本産婦人科医会の協力を得て死因を検証。羊水塞栓症の割合が高いことが明らかになった。また、同症は主に肺の血管に羊水が混入して呼吸障害やショックを引き起こすと思われていたが、羊水が子宮内の血管に詰まることが多いことも解明した。

 同症は血液検査などで早期発見すれば症状を管理することが可能。池田部長は11日の研修会で、検査の充実▽迅速な輸血▽高血圧予防への注意喚起--など6項目の提言案を発表する。提言は専門医らの意見も踏まえて冊子にまとめ、全国の産科医らに配る。【林田七恵】

毎日新聞 2010年12月10日 大阪朝刊

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