鹿児島夫婦殺害事件 無罪判決
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鹿児島夫婦殺害事件 無罪判決

12月10日 10時58分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

鹿児島市でお年寄りの夫婦が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われ、死刑を求刑された被告に鹿児島地方裁判所は、無罪を言い渡しました。殺人など凶悪な事件の裁判員裁判で無罪の判断が示されたのは初めてです。

この事件は去年6月、鹿児島市の住宅で、藏ノ下忠さん(91)と妻のハツエさん(87)がスコップで頭などを殴られ、殺害されたものです。無職の白濱政廣被告(71)が強盗殺人などの罪に問われ、無罪を主張しました。検察は「現場に残された指紋などが被告のものと一致し、カネ目当てに住宅に侵入して夫婦を殺害したのは明らかだ」として、裁判員裁判では初めて、無罪を主張する被告に死刑を求刑しました。被告は、捜査段階から「現場に行ったことがなく、被害者も知らない」と一貫して否認し、弁護士も「被害者と顔見知りの犯行で、被告に罪をきせようと指紋などの証拠がねつ造された。指紋に頼ったずさんな捜査が行われた」と訴えていました。判決の言い渡しは、10日午前10時40分すぎから鹿児島地方裁判所で始まり、平島正道裁判長は検察の主張を退け、冒頭で無罪を言い渡しました。殺人など凶悪な事件の裁判員裁判で無罪の判断が示されたのは初めてです。判決の言い渡しは1人の裁判員が交通事情で遅れてきたため、予定より40分余り遅れて始まりました。