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県警保護の青年死亡:巡査長の証言焦点に 「暴行の有無」対立続く /佐賀

 ◇7日に被告人質問

 佐賀市で07年、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告(30)が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判は、7日の第8回公判で松雪被告に対する被告人質問が行われる。被告が事件の詳細を公の場で話すのは初めて。「暴行の有無」を巡って検察役弁護士、被告側弁護士の主張は真っ向から対立しており、被告の証言は公判の行方を決める焦点になる。これまでの証言から争点をまとめた。【蒔田備憲、田中韻】

 7月29日の初公判から、11月17日の第7回公判までに出廷した証人は17人。そのうち事件当日、現場で目撃したのは11人だ。

 「被告が安永さんを殴った」と証言したのは(1)現場交差点で信号停車中、運転席から目撃した女性(2)現場近くの飲食店から目撃した女性--の2人。「倒れている安永さんに腕を3回振り下ろして殴った」と見えた一方で「拳が安永さんに当たった瞬間は見ていない」ことが共通している。

 これ以外の9人の目撃証人はいずれも、暴行を否定。当時、被告と同行していた警察官は「全くない」とはっきり否定し「(被告が安永さんの手を)上から握ったりするところを殴ったように見られたのだろう」と説明した。

 また、安永さんの自転車が衝突したバイクに乗っていた元警察官の男性や、現場から数メートルの歩道などで目撃した証人たちも同様に否定した。検察役が「暴行目撃の証言は信用できる」と主張している一方、弁護側は「結局、殴ったのをはっきり見た人は誰もいない」と自信を強めている。

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 ◇検察役弁護士の冒頭陳述要旨◇

 ▽現場交差点でバイクに衝突し、転倒した安永さんに対し、被告と同行警察官は両肩、両腕を押さえて車道から歩道へ移動させ、歩道で安永さんをあおむけに取り押さえた。

 ▽被告はあおむけで腕や足を激しく動かして抵抗する安永さんを制止させるため、拳で胸、首、右耳付近を数回殴った。

 ▽この暴行で、安永さんは少なくとも全治1週間のけがを負った。

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 ◇公判に出廷した証人◇

 【2010年】

 (1) 7.29 被告に同行の警察官

 (2) 9. 6 同行警察官(続き)▽安永さんの自転車が衝突したバイク乗車の元警察官

 (3) 9. 8 元警察官(続き)▽信号停車中に目撃の女性▽この女性から電話を受けた男性

 (4)10. 4 現場近くの飲食店から目撃の当時女子高生▽取り押さえに加わった警察官▽歩道橋から目撃した男性

 (5)10. 5 歩道から見た男性(途中退廷)▽歩道から見た女性▽信号停車中に助手席から見た女性

 (6)11. 4 信号停車中に目撃した別の女性▽歩道から見た別の女性

 (7)11.17 自転車速度鑑定の科学捜査研究所職員▽パトカー位置鑑定の科捜研職員▽無線記録捜査の警察官▽防犯カメラ捜査の警察官▽信号サイクル鑑定の県警職員

 <今後の予定>

 (8)12. 7 被告人質問

 (9)12.16 安永さんの遺族▽目撃者2人

(10)12.21 医師2人

(11)12.22 医師

 【2011年】

(12) 2.28 論告求刑、最終弁論

(13) 3.29 判決

 ※公判回数、開催日、証人

毎日新聞 2010年12月1日 地方版

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