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米原の排水槽殺人:懲役17年判決 難しい決断、裁判員苦悩 /滋賀

 ◇「判決の朝まで迷った」遺族と被告の訴えの間で

 米原市の雑排水槽殺人事件で、森田繁成被告(41)の無罪主張を退け、懲役17年(求刑・無期懲役)を言い渡した2日の大津地裁判決。約1カ月にわたる長期審理に臨んだ裁判員らは閉廷後の会見で「(判決の)朝まで、被告は無実かもしれないと迷った」と苦しい胸の内を語った。【稲生陽、加藤明子、村瀬優子】

 閉廷が告げられると、長身の被告は崩れ落ちるように椅子に座り込み、裁判員らが姿を消したドアを力なく見つめた。1時間半に及んだ判決公判。被告は終始うつむいて判決を聞いた。

 被告を見つめた女性裁判員(35)は「(判決言い渡し後)顔を上げた被告が、今までのような堂々とした表情ではなかったのが印象に残った」と、人を裁く難しさを話した。

 判決は、被告供述を不自然とする一方、被告を矯正困難とする検察側主張にも疑問を呈した。評議では裁判長が慣れない法律用語を詳しく説明したといい、女性裁判員は「当初は嫌々ながら来たが、今は参加してよかったと思う」と話した。

 判決には裁判員の意見が多く盛り込まれたが、重い判決を望む遺族と無罪を訴える被告の間で裁判員は難しい決断も強いられた。それでも50代の男性会社員は「裁判官による誘導は全くなく、自由に議論できた。真実は犯人しか分からないが、証拠から最大限出しうる答えだ」と胸を張った。判決について会見した裁判員全員が「不満はない」と答えた。

  ◇  ◇

 大津地検の広上克洋次席検事は「事実認定は十分理解が得られた。量刑については、内容を検討して対応したい」とコメントした。

毎日新聞 2010年12月3日 地方版

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