JA富山中央会は8日、政府が参加を検討している環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉への不参加を求める要請書を、石井隆一知事に提出した。
要請にはJA富山中央会会長の江西甚昇県議らが出席。要請書では、TPPを締結すれば農産物の輸入が増大し、国内の生産基盤が崩壊するともに、関連産業も廃業に追い込まれると指摘。TPP不参加を政府に働きかけるよう求めた。
石井知事は「TPPに参加するなら、農家が安心できるよう所得補償制度を抜本的に改善する必要がある」とし、現状でのTPP参加に否定的な見解を示した。
石井知事は9日に上京し、篠原孝副農相らに、TPPやコメの生産数量目標について県の主張を伝えることにしている。
TPPは、投資・貿易を自由化する経済連携協定。政府は先月、関係国との協議を開始する方針を閣議決定した。【岩嶋悟】
毎日新聞 2010年12月9日 地方版