自衛隊とアメリカ軍による日米共同統合演習で、9日、沖縄に近い太平洋上に展開するアメリカの原子力空母「ジョージ・ワシントン」が報道陣に公開されました。
アメリカ海軍の原子力空母、ジョージ・ワシントンは、全長333メートル、70機を超える艦載機を搭載し、およそ5500人が乗り組んでいます。朝鮮半島沖の黄海で韓国軍との合同軍事演習に参加したのに続いて、今月3日から自衛隊との演習に参加し、9日、その一部が日本の報道陣に公開されました。ジョージ・ワシントンが展開していたのは沖縄県東方沖の太平洋上で、9日は、日本へ向かってくる戦闘機や艦艇を迎え撃つ訓練が行われていました。甲板からは、FA18戦闘攻撃機や、敵の通信やレーダーを妨害する能力に優れたEA6電子戦機など、さまざまな機能を持つ艦載機が飛び立っていきました。ジョージ・ワシントンは、防空能力の高いイージス艦や海中の哨戒を行う潜水艦など「空母打撃群」と呼ばれる複数の艦艇とともに常に行動しています。9日の訓練も、これらの艦艇や近くに展開している海上自衛隊の護衛艦などと緊密に連絡を取りながら行ったということです。今回の訓練の目的は、日本周辺の海域と空域の安全を確保し、九州・沖縄地区の離島をはじめ、日本の領土を守るというものです。ジョージ・ワシントンが所属するアメリカ海軍第5空母打撃群のダン・クロイド司令官は「われわれはいろいろな状況を想定しながらこの地域を監視している。何が起きてもすぐに対応できるように日頃から訓練を進めており、それはアメリカだけでなく日本の国益にもかなうことだ」と述べました。また、アメリカ側との調整のため、この日、ジョージ・ワシントンに乗艦していた海上自衛隊第2護衛隊群の大塚海夫群司令は「アメリカ軍との連携をしっかり取ることが、日本に対する侵略の防止や抑止力の強化、この地域の安定につながると思っている。日米同盟はアジアの共有の財産であると国家レベルで合意しており、われわれはそれを実行していきたい」と述べました。日米共同統合演習は10日まで行われます。