空襲被害救済へ 10万人署名募る

10・10の会 「残された時間ない」

2010年12月9日 09時43分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(10時間57分前に更新)

 太平洋戦争の空襲などで被害に遭った民間人や遺族に対する救済法制定を求める「沖縄10・10大空襲・砲弾等被害者の会」(安里清次郎代表世話人)は、県内で10万人を目標とする署名活動を始めた。同会の世話人らが8日県庁で会見し、「軍人や軍属、戦闘参加者とされた一部の住民にだけ援護(補償)が行われ、空襲や同じ地上戦で死んでいった住民や負傷者が何の補償もされないのは納得がいかない」と訴えた。各種団体や個人にも賛同と協力を呼び掛ける。同日現在、千人以上の署名が集まっているという。

 同被害者の会が連携する「全国空襲被害者連絡協議会」は、県内4万人を含む全国55万人の死没者を救済対象の前提とする法案骨子を策定。法案では身体損傷による重度戦傷者や保護者を失った未成年孤児にも、国に補償を求める。補償範囲を「日本全土で1941年12月8日から太平洋戦争終結まで、戦争行為に起因する爆弾、砲弾、兵器による被害」と定義している。

 同会の瑞慶山茂顧問弁護団長は「沖縄戦の一般民間戦争被害者のうち、10万人近い死傷者が無補償のまま放置されている」と指摘した。2013年中の法律制定を求めている。

 会見で野里千恵子世話人(74)=那覇市=は「10・10空襲で死んだ祖母に国は謝ってほしい。謝罪も補償もなければ浮かばれない」と語った。他の世話人も「沖縄戦の生存被害者は80歳を超え、残された人生にほとんど時間がない」「国は米軍基地や自衛隊の増強を進めているが、戦後処理の解決が先だ」と強く訴えた。

 同会では今後、県議会や市町村議会に特別法制定などの意見書決議を要請。また経済団体や各政党、青年団や町内会などの各団体、本土の県人会などにも協力を呼び掛ける方針だ。

 署名用紙の郵送など問い合わせ先は同会、電話098(833)7447。

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