謝礼5千円で養父、飯おごるから養子縁組
読売新聞 12月8日(水)17時47分配信
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読売新聞 |
そのうちの1人の無職男性(61)は本紙取材に、「養父になる謝礼は5000円だった」と縁組を繰り返したことを認めた。簡易宿泊所が集まる同市中区の寿地区では、暴力団関係者が生活保護受給者らに、「養子縁組すれば飯をおごる。酒も飲ませる」と誘うケースがあるという。“養子縁組ビジネス”と“貧困ビジネス”の接点が浮かび上がった。
かつての売春宿など、廃屋が立ち並ぶ横浜市中区のガード下。一戸建ての内部をベニヤ板で仕切った共同住宅に、無職男性は暮らす。部屋は2畳。布団が敷かれたままで、雑誌が散乱する。
男性は「3年ほど前、パチンコ店で知り合った男に、『1人5000円で養父になってほしい』と頼まれた」と話した。仕事がなく、生活に困っていた男性は、「会ったことのない男3人との養子縁組を、区役所で立て続けに申請した。区役所で養子縁組の理由は聞かれなかった。書類だけで簡単に縁組できた」と語る。
仲介した男から謝礼計1万5000円を受け取ったが、生活費に消えた。男とは連絡が取れなくなり、養子名義の携帯電話の請求書が届くようになった。
男性らの縁組は、偽装結婚の容疑で逮捕された鳥井則之(50)、済田和好(47)の両被告らの捜査で判明。県警は8日、2人を別の偽装結婚の疑いで追送検した。
男性の住む共同住宅から約1キロの簡易宿泊所がひしめく寿地区。生活保護受給者を支援する団体の男性は、「『口座は1万5000円、戸籍なら30万円で売れる』と話す相談者がいた」と語る。相談を受けた男性3人の生活保護申請がうまくいかなかったことがあった。戸籍を確認してみると、3人とも自分で名乗ったのとは異なる「タキモト」姓になっていた。3人に面識はなく、支援団体の男性は「養子縁組で名前が変わったのでは」と考えている。
支援団体の男性によると、寿地区では、暴力団関係者が生活困窮者に「将来仕事を紹介するから名字を変えてくれ」と持ちかけて書類に本籍地や住所などを書かせたり、「銀行に一緒に行けば飯を食わせてやる」と誘って口座を作らせたりすることがあるという。
寿地区でホームレスの自立支援に取り組むNPO事務局長(67)は「生活保護受給者や路上生活者は親族と縁が切れていることが多く、縁組の依頼を安易に受け入れてしまう傾向がある」と話した。
最終更新:12月8日(水)17時47分
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