国会の質問王 保坂展人前衆院議員が現場を歩く 第11弾
ファッショ 石原慎太郎都知事が画策する 東京都議会 マンガ規制条例可決?の愚
(週刊朝日 2010年12月17日号配信掲載) 2010年12月8日(水)配信
条例案成立に鼻息の荒い石原都知事 [拡大]
これが老醜というものなのか──。石原慎太郎東京都知事(78)が『太陽の季節』で鮮烈な文壇デビューを果たしたのは1955年のことだった。旧世代に挑発的なこの作品は若者たちを熱狂させた。しかし、半世紀を経た今、石原知事は漫画などの性的描写を「不健全」として取り締まる条例の制定に乗り出している。
作家としてデビューしたばかりの頃、石原知事は雑誌の鼎談でこんなことを話していた。
「おとなにとって罪にも見えるし、不倫にもみえるんだろうけれども、ぼくなんかの年代はおとながおぞましいと思うようなものに対して気がとがめないということはやっぱり大きな差だと思うんです」(「小説公園」1956年6月号)
当時の大人が眉をひそめるような挑戦的な言説で、一世を風靡した石原知事が11月30日から始まった定例会で提出したのが、都青少年健全育成条例改正案だった。その中身は、「刑罰法規に触れる、または婚姻を禁止されている近親者間における性交」を描く漫画等に自主規制を求め、「著しく社会規範に反する性交または性交類似行為」を「不当に賛美し、誇張するように描写した表現物」を「不健全図書」として指定できるというものだ。
少々わかりづらいが、つまりは、漫画やアニメの登場人物であっても、東京都の淫行条例違反や社会規範に反する性交または性交類似行為をしている作品は規制の対象になるという。
石原知事がこの条例案を提出するのは今回が初めてではない。今年2月の定例会に初めて提出した際は、里中満智子氏、竹宮恵子氏など著名な漫画家らが会見を開いて反対を表明したり、メディアも「表現の自由を脅かすおそれがある」と注目したりしたため、民主党などの反対多数で、6月の定例会で否決された。
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