【社説】自衛権に基づく対応に備え実戦形式の訓練を
韓国と米国は8日、ソウルで「韓米合同参謀議長協議」を開催したが、その場で双方は、金寛鎮(キム・グァンジン)国防長官が最近行われた全軍主要指揮官会議で、「北朝鮮が挑発してきた場合、各指揮官は、“まず報復して後から報告”という考え方を持って自衛権を行使せよ」という指針を下したことについて、意見を交換した。この指針は、「北朝鮮が攻撃してくれば、韓国軍は現場の指揮官の判断に基づき、自衛権行使の次元で、戦闘機や艦砲で北朝鮮陣地を正確に攻撃してもよい」という意味合いにも解釈できる。これに対してマーレン米合同参謀議長は、「韓国は主権国家として、国民を守る権利がある」とコメントした。
韓国軍が守ってきた国連軍司令部交戦規則には、「挑発を受けた場合、それに相応する武器で対応する」と記載されている。「敵が砲撃を仕掛けてきたなら、こちらも砲撃で対抗する」という意味だ。先月23日に北朝鮮が延坪島を砲撃してきた際、空軍はF15K戦闘機など4機を出動させたが、交戦規則を守るという観点から、最終的に北朝鮮の放射砲、海岸砲攻撃にはK9自走砲で対抗するしかなかった。その結果、延坪島の民間人居住区を砲撃した敵の陣地に、直接攻撃を加えることはできなかった。しかし自衛権という次元なら、韓国軍の戦闘機が北朝鮮の放射砲、海岸砲基地を攻撃することも可能だ。
韓米両国の合同参謀議長はこの日、北朝鮮が再び局地的な挑発を引き起こせば、「韓国軍が主導、米軍が支援」という形で行われてきたこれまでの作戦計画を補完し、今後は「韓米同盟の次元から共同で対応する」ことを決めた。北朝鮮の軍事冒険主義的挑発に対し、韓米両国が共に対応するという強い意志の表れだ。しかしこの発表には、「韓国軍が自衛権の次元で取った軍事行動が、南北の全面戦争という極限状況にまで発展することだけは避けたい」という、米国のジレンマも反映されているようだ。
北朝鮮の攻撃に対するわれわれの自衛的軍事行動は、断固たるものでなければならない。同時に外科手術に匹敵するほど正確かつ精密であることも必要だ。そのために韓国軍は、事前に敵の陣地や攻撃態勢、武器などを徹底して把握し、あらゆる敵の攻撃を想定した上で、徹底した訓練を行わなければならない。そうすれば、国際社会も大韓民国による自衛権発動を、「やむを得ない状況で行われた適切な措置」と見なし、支持を表明するだろう。