車で飲食店を訪れるグループ客のうち酒を飲まない人を決める「ハンドルキーパー運動」で、新たに運動に加わる店舗数が広島県内で伸び悩んでいる。スタートから約4年、参加店は1300店を超えた。一方で昨年以降の新規参加は14店にとどまる。運動母体の交通安全協会や県警は忘年会シーズンを迎え、あらためて地域の飲食店へ参加協力を求めている。
広島市西区の「小次郎寿司(ずし)」は10月上旬、運動を始めた。車で訪れたグループ客の中で運転者を確認。専用コースターを使い、酒を提供しないよう注意している。店主の山本芳記さん(64)は「売り上げ減につながるかもしれないが、飲酒による事故をなくすために協力する」と強調した。
県警などによると、県内の参加店は11月末で1309店。開始当初はチェーン店のまとまった参加が多かったが、昨年の新規参加は2店、今年に入ってからは12店にとどまる。PR不足などで伸び悩んでいる。
県交通安全協会は「飲酒運転撲滅のためには、ドライバーだけでなく同伴者や飲食店の協力が必要」と訴える。各地の交通安全協会で飲食店の訪問を強め、コースターやポスターなどを配布。運動の認知度アップを図り、参加を飲食店に要請していく。
【写真説明】飲まない人を区別するコースターを渡し、ハンドルキーパー運動を呼び掛ける山本さん(右端)
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