2010年12月9日9時47分
「讃岐」を商標登録した台湾の食品会社に対し、台北市で讃岐うどん店を営む日本人経営者が「地名を一企業が独占するのはおかしい」と、登録の無効を求めた審判で、台湾知的財産局は商標登録を無効とする決定を出した。同局は「台湾の消費者は『讃岐』がうどんで有名な日本の地名と認識しており、産地を誤認、誤信させる」と指摘した。11月29日付。
申し立てていたのは、讃岐うどんの本場の香川県で修業し、2006年に台北で開業した樺島泰貴さん(38)。食品会社から「讃岐」の文字が入った看板などを使わないよう抗議を受け、08年に申し立てた。
決定は、台湾で四国を紹介する旅行本や広告に「讃岐うどん」の情報があることなどを挙げ、「讃岐」が香川県地域を示すと台湾でも認識されていると指摘。麺類などの商品について「讃岐」「さぬき」「サヌキ」「SANUKI」の4種類の商標登録を無効とした。
樺島さんは「うれしくて涙が出た。本場で学んだうどんを『讃岐』を掲げて堂々と提供したい」と話した。