日本国内の電子書籍ビジネスが本格的に幕を開ける。ソニーとシャープがあす10日に電子書籍対応の端末を発売し、配信サービスを開始。NTTドコモも来月上旬に配信サイトを開設する。ただ、数十万〜数百万点が配信される海外に比べ日本は2万〜3万点と少ないうえ、配信サービス乱立が、逆に本格普及を妨げる可能性があるなど、クリアすべき課題は多い。
「何よりも早くスタートすることを優先させた」
米国ソニーの野口不二夫上級副社長は先月末、フジサンケイビジネスアイなどの取材に、こう述べた。ソニーは、米国や欧州の13カ国ですでに電子書籍専用端末「リーダー」を投入しており、「日本が孤立する前にやりたかった」と国内展開を急いだ背景を説明した。
ソニーは先月、リーダーの国内モデル2機種発売と電子書籍2万点を配信するサービスの開始を発表。国内勢初の端末とコンテンツの両輪による本格サービスのスタートと思われた。
しかし、遅れまいとソニー発表の4日後、シャープが多機能端末「ガラパゴス」の発売と、雑誌や新聞など約2万点の配信サービスをソニーと同日に始めると表明。ドコモと大日本印刷も今月7日、月内に共同事業会社を設立し、ドコモ端末7機種向けの配信事業をスタートさせると発表し、まさに“参入ラッシュ”の様相となった。
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