2010年12月9日11時1分
【オスロ=古谷浩一】AFP通信などによると、中国の獄中の民主活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏に対するノーベル平和賞の授賞式が10日に行われるのを前に、北京の大学教授らが中国独自の「孔子平和賞」を創設し、最初の受賞者に台湾の連戦・元副総統が決まった。9日に北京市内で授賞式が開かれる予定だという。
中国は、劉氏へのノーベル平和賞授賞に強く反発しており、独自の平和賞はこれに対抗する動きとみられる。選考委員会の代表を務める北京師範大学の研究者は、賞への中国政府の関与を否定しているが、中国文化省の後押しを受けているとの報道もある。
連戦氏への授賞は、中台関係の改善を進めたのが理由とされるが、連戦氏側は授賞について「いっさい知らない」としている。
AP通信は、1935年、ナチス・ドイツに「言論の自由」を訴えた獄中の平和運動家オシエツキー氏がノーベル平和賞を受賞したときも、ナチス・ドイツはこれに対抗して自らの平和賞を創設した、と伝えた。