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【櫻井よしこ 菅首相に申す】「国民はぶち切れている」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:菅首相
4月、東シナ海で大規模軍事演習を行い、大艦隊の編成で沖縄本島と宮古島の間を航行し、日本に対して、以降、この種の軍事行動は常態化する、日本はそれに慣れよと発表した。9月の尖閣諸島沖の日本領海侵犯事件での横暴な振る舞いは、なお、記憶に生々しい。「中国の革命」の本質は経済的、政治的拡張とともに、軍事力を背景にした飽くなき拡大路線である。核心的利益は、いまはチベット、台湾、南シナ海について宣言されているが、必ず東シナ海にも日本海にも適用されるだろう。
日本に必要なのは、この強固な国家意思と日々強大化する軍事力で、中華式秩序を広げていこうとする中国に対して、それを超える日本の生き方と戦略を打ち出すことだ。しかし、菅首相にはそんな壮大な戦略を望むべくもない。だからこそ、せめて、日本を守るに足る力をつける努力をせよ。
中国は年々増額する国防費で空母建設に取りかかり、第5世代戦闘機も開発中だ。日本には、中国が大量に保有し、日本にも照準をあてる核ミサイルもない。空母建設はもちろん、第5世代戦闘機については、米国は日本に売る意思もなく、入手のめどもない。考えられる唯一の道は米欧のF35の開発に参加し、それを日本の第5世代戦闘機にすることだ。そのためには、今回、期待されていた武器輸出三原則の見直しが必要である。
だが、社民党と組む菅首相、首相に同調する北沢防衛相らの私益に駆られた政権維持のために、見直しは先延ばしされる。国益は打ち捨てられたのだ。このような政権に、国民は、汚い表現だが、すでに「ぶち切れて」いると、首相は認識せよ。