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朝日新聞:東大教授らが損賠提訴 がんペプチド記事巡り

会見で朝日新聞記事を批判する東大医科研の中村祐輔教授(左)ら=東京・霞が関の司法記者クラブで2010年12月8日午後3時55分、和田武士撮影
会見で朝日新聞記事を批判する東大医科研の中村祐輔教授(左)ら=東京・霞が関の司法記者クラブで2010年12月8日午後3時55分、和田武士撮影

 がんペプチドワクチンの臨床試験を巡る東京大医科学研究所(東京都港区)の対応を批判した朝日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、医科研の中村祐輔教授(58)と医薬品開発のベンチャー企業「オンコセラピー・サイエンス」(川崎市)が8日、朝日新聞社などに計2億円の賠償と謝罪広告掲載を求めて東京地裁に提訴した。

 朝日新聞10月15日付朝刊は、医科研付属病院で08年、被験者に消化管出血が起きたのに、同種のペプチドを提供した他病院に知らせていなかったとの内容の記事を掲載。翌16日付の社説では「研究者の良心が問われる」との見出しで、医科研の対応を批判した。

 訴えによると、中村教授側は記事について「出血を他病院へ知らせる義務はなかったのに、反倫理的行為であるように書かれた」と主張。また「オ社と癒着し、金銭目的で臨床研究を取り仕切っているような印象を与える」としている。朝日新聞社広報部は「臨床試験制度の問題点を被験者保護の観点から医科研病院の事例を通じて指摘したもので、確かな取材に基づいている」とのコメントを出した。【和田武士】

毎日新聞 2010年12月8日 20時56分(最終更新 12月8日 23時21分)

 
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