「全日本」(7日、仙台サンプラザ)
優勝戦進出チーム決定戦で船木誠勝(41)、鈴木みのる(42)組が諏訪魔(34)、浜亮太(31)組に敗れ、船木は2連覇、鈴木は初優勝を逃した。大技攻勢を浴びた船木が17分53秒、浜のフライングソーセージからの体固めでごう沈。敗れた鈴木だが「もっと大事なものを見つけた」と、船木との友愛を完全に取り戻したことを喜んだ。
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鈴木は「最強タッグの勝利の女神がここ(ほお)までチューしかけてたのに、途中でブタ(浜)になびきやがって」と苦笑いした。
序盤、鈴木が足刀を浜の左ヒザにブチ込んだのを皮切りに2人で浜の左足を破壊したが、アキレスけん固めでトドメを狙った船木が諏訪魔のカットにあって暗転。浜のフライングソーセージ、リョウタハマー、諏訪魔のラストライドを立て続けに被弾し、2発目のフライングソーセージで圧殺された。
初優勝を逸した鈴木だが「そんなブサイクな女神いらねえよ。最強タッグよりブタみてえな女神より、もっと大事なもんをこの最強タッグでまた見つけたからな」と告白。照れたように「おしまいっと」と、コメントを切り上げた。
船木と鈴木は新日本、第2次UWF、藤原組と常に行動をともにしてきた。パンクラスで分かったが、全日本での抗争を経て今年、超党派軍として再び組んだ。特に2人だけのチームで戦い抜いた今シリーズは、鈴木にとって2人のきずなを再確認させたようだ。
そんな鈴木の言葉が染みたか、船木は「来年の頭はどうなるかわからない。だって鈴木はフリーなんですよ。来年の最強タッグ出場も分からない。だから優勝して世界タッグに挑戦したかった」と涙声に。
元のサヤに収まった2人の2011年は、鈴木の動向がカギを握っていそうだ。