朝日新聞が困った エッセイコンテストで盗作疑惑
2010年12月3日(金)17時0分配信 夕刊フジ
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朝日新聞社などが主催する高校生のエッセイコンテストで優秀賞になった作品に盗作疑惑が浮上していることが3日、関係者への取材で分かった。高校1年の男子生徒が書いた作品の内容が、6年前にネットに投稿された作品と酷似しているのだ。指摘を受け、男子生徒が通う高校も事実関係の調査に乗り出している。
盗作疑惑が浮上したのは、「2010年度 第8回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト」(主催・日本福祉大学、朝日新聞社)。審査員には加藤幸雄・同大学長や客員教授の杉山邦博・元NHKアナ、童話作家の角野栄子氏、川名紀美・元朝日新聞論説委員に加え、朝日新聞の男性記者も名を連ねている。
今年5月から7月まで「わたしと福祉」をテーマに募ったもので、8148点の応募作の中から計16人の高校生の作品が入選。10月11日に朝日新聞紙上で発表された。
疑惑を指摘されているのは「人とのふれあい」を題材にして優秀賞に輝いた作品。この内容や構成、個別の表現などが2004年11月にネットの作文サイトに投稿された作品と酷似している。ネットの投稿は匿名だが、投稿者は「小学生のとき」のエピソードだとしており、今回入選した男子生徒とは年齢的に同一人物とは思えない。
男子生徒は11月7日の授賞式に出席。賞状と副賞5万円、記念品が贈られた。ところが12月になって、外部から日本福祉大に盗作を指摘する連絡が入り、関係者が調査に乗り出していた。
男子生徒が通う高校の教頭は、夕刊フジの取材に対し、主催者の指示で男子生徒への聞き取り調査を行ったことを認めた。そのうえで、「すでに主催者には調査結果を報告している。現在、裁定を待つ立場なので、具体的なことは一切答えられない」と回答した。男子生徒の作品はコンテストのホームページで閲覧できる状態だったが、夕刊フジが取材を始めた3日午前に突然、閲覧不能になった。
ネットからの盗作に関しては、今年10月、秋田市の中学3年の女子生徒がネット上から“コピー”したとみられる詩で応募し、複数のコンクールで入賞していたことが発覚したばかり。
日本福祉大は「現在調査中であり、詳細についてはお答えできません。できるだけ速やかに調査結果を報告したい」とコメント。朝日新聞社は「ご指摘の件については、現在事実関係を調べております」(広報部)と話している。