福祉をテーマにした「第8回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト」で、今年度の優秀賞がインターネットの作文サイトに投稿された作品と酷似していた問題で、主催する朝日新聞社と日本福祉大は8日までに受賞の取り消しを決めた。応募した男子生徒が盗用を認めたためで、生徒が在籍する高校が受賞した学校賞も同日までに取り消された。
同コンテストは今年5月から7月まで「わたしと福祉」をテーマに募ったもので、8148点の応募作の中から計16人の高校生の作品が入選、10月11日に朝日新聞紙上で発表された。
このなかで「人とのふれあい」を題材にし、優秀賞に選ばれた作品が、内容や構成、個別の表現などほとんどの部分で、2004年11月にネットの作文サイトに投稿された作品と酷似。12月になって、外部から日本福祉大に2つの作品の共通点を指摘する連絡が入り、関係者が調査していた。夕刊フジでは3日発行の紙面で「盗作疑惑浮上」と報道した。
男子生徒が通う高校の校長は「社会常識として、今後同様の行為がないよう指導を徹底するとともに来年以降の執筆に際し点検体制を強化します」とコメント。
主催した朝日新聞社と日本福祉大では「応募規定で、未発表作品でオリジナル作品に限るとしていましたが、選考・審査のチェックをさらに徹底するなど再発防止に努めます」(コンテスト事務局)としている。
ネットからの盗作に関しては今年10月、秋田市の中学3年の女子生徒がネットから“コピー”したとみられる詩で応募し、複数のコンクールで入賞していたことが発覚したばかり。