福岡市博多区の会社員諸賀礼子さん=当時(32)=の切断遺体が博多湾で見つかった殺人・死体遺棄事件について、警察庁は8日までに、有力情報提供者に報奨金を支払う「捜査特別報奨金制度」の適用を決めた。福岡県内で発生した事件での適用は初めて。15日以降の1年間に寄せられた情報を対象に、国費で最高300万円が支払われる。
諸賀さんは3月5日午後7時ごろ、勤務先を車で退社後に行方が分からなくなり、3月15日-4月15日、同市内の能古島や博多港などで遺体が次々見つかった。
県警は延べ約7千人の捜査員を投入し、知人ら約3500人から事情聴取。計61件の情報が寄せられたが容疑者特定に結び付くものはなかった。
このため、新たな情報提供を期待し、11月上旬に制度の適用を警察庁に申請していた。寄せられた情報に報奨金を支払うかどうかは、県警の判断を基に同庁が決定する。
県警は、諸賀さんが行方不明になった当日の写真などを掲載したチラシとポスター計3万枚を作成。9日午前8時から、JR博多駅や諸賀さんの自宅周辺でチラシを配布するほか、県警のホームページでも情報を求める。博多署捜査本部=092(412)0110。
=2010/12/09付 西日本新聞朝刊=