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「あかつき」メーンエンジンに異常の可能性

産経新聞 12月9日(木)0時51分配信

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、金星周回軌道への投入に失敗した金星探査機「あかつき」のメーンエンジンに異常が起きた可能性があることを明らかにした。JAXAは検討チームを設置して詳しい原因を調べている。会見した計画責任者の中村正人JAXA教授は「大変残念な結果。重力のある惑星に(探査機を)投入するのは難しかった」と無念の表情を浮かべた。

 JAXAによると、あかつきは7日、減速のために12分間の予定で逆噴射を開始。2分23秒後、地球から見て金星の裏側に入り、通信が途絶していたときに突然機体が高速で回転しはじめた。何らかの原因で爆発的な衝撃が加わり、危険を察知したときの緊急時モードに切り替わって逆噴射を中断したと推測される。

 軌道データを分析した結果、すべての燃料を使っても周回軌道に入れないことが判明し、8日未明に投入を断念。周回軌道投入には最低でも9分20秒以上の逆噴射が必要で、自動車にたとえると、あかつきはブレーキの踏み込みが甘く金星を通り過ぎてしまった形だ。

 現在あかつきの姿勢は安定。7日に発生した通信トラブルも解消し、最も高速でやり取りできるアンテナを使っている。小野田淳次郎JAXA宇宙科学研究所長を長とする検討チームは9日以降、メーンエンジンの関連データを分析する。

 今後あかつきは太陽を公転し、軌道を修正すれば28年12月〜29年1月の間に2回、再投入の機会が訪れるが燃料の残りは1回分。さらにメーンエンジンが使える場合に限られる。再挑戦までは宇宙空間を漂うちりの観測を継続しながら、バッテリーの使用を抑えて機体の延命を図るという。

 一方、電子部品は宇宙空間を飛び交う放射線によるダメージを受けやすい。搭載された紫外線や赤外線カメラなど計6台の観測装置が劣化する恐れもある。

 多難が予想される長期間の飛行を前に、中村教授は投入断念を決めた8日未明、管制室で「言うべき言葉もないが、6年後まで衛星を守り続けよう」と話したという。あかつきは今年5月に鹿児島県のJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられた。開発費は約146億円。

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最終更新:12月9日(木)0時51分

産経新聞

 

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