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2009年12月11日(金)「しんぶん赤旗」

普天間大激動
政権は大迷走

米は首脳会談拒否/方針が二転三転


 沖縄・米軍普天間基地問題が大激動となっています。沖縄県民は11月8日の県民大会で同基地の「即時閉鎖・撤去」と名護市辺野古への「新基地建設反対」を決議するなか、鳩山内閣は県民世論に押されて方針を二転三転させ、動揺を繰り返しています。一方、辺野古での新基地建設に固執する米政権はいら立ちを募らせ、日米首脳会談を拒否。政権に激震が走っています。


 鳩山政権の動揺ぶりは、コペンハーゲンで開かれている気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の際に日米首脳会談を開催し、鳩山由紀夫首相がオバマ米大統領に方針を伝えるという計画であらわになりました。7日に鳩山首相がこの計画を表明しましたが、翌8日に岡田克也外相が「(首脳会談の)時間が取れるとは考えにくい」と否定、10日になって首相自身が「会談を提示している段階でない」とのべ、会談は実現しない見通しであることを明らかにしました。政府が表明した首脳会談が米側から拒否されるのは異例の事態です。

 こうした事態を招いたのは、県民の世論は無視できないが、「日米安保があるから」と米政権にも「いい顔」をしようとする鳩山政権の姿勢にあります。

 総選挙では、鳩山首相が「県外、国外移設」を公約していたにもかかわらず、ゲーツ米国防長官が「新基地建設がなければ兵員の縮小も土地の返還もない」と恫喝(どうかつ)すると、閣僚が公約をほごにする発言を連発。岡田外相が米軍嘉手納基地への統合案を打ち出せば、北沢俊美防衛相は「米側は『すでに終わったことをもう一度協議するのか』という思いだ」と見通しがないことを明言し、辺野古への新基地建設は「選挙公約を全くみたしていないと認識するのは間違い」とのべました。首相は「わたしはそのようには考えていない」と言明したものの、日替わりのように「閣内不一致発言」が飛び交う状態。横路孝弘衆院議長から「ちゃんと調整してやってもらいたい。それは鳩山首相の仕事」と苦言を呈される始末です。

 日米首脳会談で合意した普天間基地問題での作業部会も中断、日米同盟強化のための政府間協議も先送りされている状況です。

 こうしたなか、日本共産党の志位和夫委員長と普天間基地を抱える沖縄・宜野湾市の伊波洋一市長が10日に懇談し、同基地の「無条件撤去」で一致しました。この立場に立たずに同基地の「移設先」を探すことになれば、米側は2005年、06年の日米合意を持ち出し、辺野古への新基地建設を求めてくるのは明らかです。結局、遠いようでも「無条件撤去」こそが「一番の大道であり、近道」(志位氏)であり、現実的解決策であることが浮き彫りになっています。

コロコロ変わる鳩山氏の発言

8月17日 基本的に海外に移転されることが一番望ましい。最低でも県外移設が期待される(総選挙の党首討論)

10月7日 マニフェストで最初に申し上げたことは一つの約束だから簡単に変えるべきでないと思っているが、時間というファクターで変化する可能性は否定しない

   16日 来年の名護市長選と沖縄県知事選の中間ぐらい(5、6月)で結論が必要になってくる

11月14日 日米合意が前提ならグループ(作業部会)をつくる必要はない

   21日 (年内結論は)まだまだそんな段階ではない

12月7日 その時(COP15最終日の首脳級会談)までの政府の考え方を(オバマ米大統領に)伝え、理解を得たい

   10日 (COP15での日米首脳会談は)そんなに簡単でないと思うし、会談もこちら側から提示している段階でない



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