2010.12.8 13:32
カジュアルウエア「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは8日、海外でのユニクロ事業の拡大に向けて国内の店長と本部の管理職の計約900人の全員を数年後に海外拠点に人事異動させる方針を明らかにした。同社は5年後に海外での売上高を国内を上回る水準に拡大することを目標としており、幹部社員に国際経験を積ませ、今後の海外展開の先頭に立ってもらう考えだ。
2010年8月期末の海外ユニクロの店舗数は136店で、ユニクロ事業全体に占める売上高構成比は10.7%。11月にマレーシアの1号店を開店するなど東南アジアや中国への出店を強化するなど、欧米や中国を含めた海外事業の一段の拡大を急いでいる。
国内を上回る海外売上高を実現するには、年300店を出店させる必要がある。このため、国内約800店舗の店長と、東京本部などに勤務する課長職以上の約100人について海外各地の拠点や店舗に順次移動させることにした。国内での店舗運営の経験を生かし、海外店の出店をスピードアップさせるほか、海外での経験を現地の人材育成につなげる。
また、中国を中心としてとしてきた生産極点のベトナムやバングラデシュへの分散化も進めており、商品開発や生産部門の社員については、こうした国に100人規模で派遣することも検討している。
また海外の販売拠点となる欧米や中国、東南アジアに次世代の経営者を育成する教育機関も設置する考えだ。
柳井正会長兼社長は「われわれの海外のビジネスの規模は、14年から15年ごろに日本のビジネスの規模を超えると考えている。その時には外国人の社員、経営者が日本人の社員、経営者の数を超える」としており、日本人社員の国際化をさらに進める必要があると判断した。