2010年12月7日15時10分
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、検察側が元秘書の公判で「ゼネコンから小沢氏側に1億円の裏金が渡った」と立証することが7日、決まった。
元秘書3人の公判を前に、争点や証拠を整理する9回目の「公判前整理手続き」が東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、犯行の動機や背景事情として検察側が立証することを地裁が認めた。初公判は来年1月以降に開かれる。
小沢氏の元秘書で衆院議員の石川知裕被告(37)と、会計責任者だった元秘書の大久保隆規被告(49)は、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で起訴された。(1)2004年10月29日に東京都内の土地を3億5200万円で購入し、04年分でなく05年分の政治資金収支報告書に記載した(2)土地代金の原資になった小沢氏からの借入金4億円を、04年分の収支報告書に記載しなかった――などとされる。
公判前整理の最大の焦点は、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の元幹部から東京地検特捜部が得た供述の扱いだった。小沢氏の地元の胆沢ダム(岩手県奥州市)建設工事の受注に絡み、04年10月に石川議員に5千万円の現金を渡し、05年4月にも大久保元秘書に5千万円を渡したと供述した。
受領については石川議員、大久保元秘書とも一貫して否定しており、4億円に水谷建設の裏金が含まれていた明確な証拠はない。しかし、検察側は虚偽記載の動機に「裏献金が密接に関連している」とみている。