日本海で行われている日米共同軍事演習の海域に6日と8日、2種類のロシア軍機が飛来
アメリカ軍の制服組トップが韓国を訪問しているさなかに、北朝鮮が黄海に向けて砲撃を行った。一方、日米共同統合演習の訓練空域には、ロシア軍機が侵入した。日本近海で、各国がけん制し合う動きが活発化している。
アメリカ軍のマレン統合参謀本部議長は8日、韓国国防省を訪れた。
北朝鮮の再度の挑発には爆撃で応じるとした韓国の対応に、アメリカは特に異論を挟まなかったという。
その会談のさなかの午前9時すぎ、ペンニョン島の北東海上の北方限界線北側に、北朝鮮が発射した砲弾が落ちたとの報道があった。
今回砲撃があったのは、延坪(ヨンピョン)島の西、ペンニョン島付近の海域。
発射された砲弾は、すべて北朝鮮側海域に着弾したため、韓国軍は、これを通常の砲撃訓練としたが、これに対しマレン統合参謀本部議長は、「(北朝鮮の)挑発が発生した場合、韓国は速やかに対応するだろう」と述べ、さらに、「北朝鮮の問題に対して、日米韓は一致団結しなければならないだろう」と述べた。
折しも日本海では、日米のイージス艦が共同軍事演習を行っているが、この演習海域に、6日と8日、「IL-38哨戒機」と「IL-20電子偵察機」の2種類のロシア軍機が飛来していた。
このロシア軍機の飛来は、何を意味するのか。
軍事評論家の岡部 いさく氏は「今回やってきたロシア軍機の中でも、IL-20という電子偵察機が注目すべきでしょうね。これは、イージス艦のレーダーの電波を傍受したり、あるいはイージス艦同士のデータ通信や無線交信など、機密度の高い電波を傍受することができるわけです。つまりロシアは、日米の持つ高度なシステムの情報を収集しに来たのではないでしょうか」と話した。
北朝鮮をめぐり、日本近海では依然、各国の不気味なせめぎ合いが続いている。
(12/09 00:10)