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【社説】

副長官辞任 政権の緩みにあきれる

2009年5月14日

 政権の緩みをうかがわせるような醜態だ。首相側近の鴻池祥肇官房副長官が女性問題を週刊誌に報じられ、責任を取って辞任した。なれ合いの雰囲気を許す「お友達人事」のツケがまたしても…。

 違法献金事件で秘書が起訴された民主党代表の小沢一郎氏が辞任表明してから二日後、今度は首相官邸に火の粉が飛んだ。女性スキャンダルに絡んだ話というから、政府高官としての自覚のなさにあきれるしかない。

 週刊新潮によれば、鴻池氏は四月末に知人女性と静岡県の温泉に宿泊旅行し、その際、国会議員の公務用JR無料パスを使用したという。鴻池氏は河村建夫官房長官に電話で謝罪、報道の内容を否定はしていない。

 一月にも同誌に女性問題を報じられ、官房長官から厳重注意を受けたばかり。旅行時は政府が新型インフルエンザ対策に精力を注いでいる時でもあった。しかも無料パスを使っていたとすれば、その原資は税金である。公私混同もはなはだしい。どうして、こんな言語道断の行動が起きたのか。

 就任以降、麻生太郎首相は失言や方針のブレで国民の反感を買ったが、献金問題で小沢氏がつまずいてからは、支持率ダウンに歯止めがかかった。

 連休前には休日の「高速道路料金千円」もスタート。定額給付金の支給も進み、首相にとっての「好材料」はそろいつつあった。控えていたバー通いも復活した。

 こうした要因が結果的に政権の空気を緩ませたのは否めない。

 麻生内閣は発足時、気心の知れた人を重用する「お友達内閣」とやゆされた。既に中山成彬前国土交通相が「ごね得」発言で、中川昭一前財務相がもうろう会見で、辞任。そして、同様に日本青年会議所(JC)会頭を務めた長年の友人である鴻池氏の番である。

 任命責任が問われるのは当然として、首相に統率力があるのか疑わざるを得ない。情けない不祥事が繰り返される。「なあなあ」で国政のかじ取りをされてはたまったものでない。政権が軽すぎる。

 民主党の代表交代で、足踏みしていた政治がようやく動きだそうとする矢先の失態だ。政権与党の責任も重く、支持率の再下降につながるかもしれない。民主にしても「政治とカネ」の問題を総括できるのか怪しいものがある。

 与野党がこんな体たらくを続ければ、政治は国民に見放されてしまうだろう。

 

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