菅直人首相の就任以降の夜会合を調べたところ、東京・赤坂や六本木の料理店で、伸子夫人や側近議員と会食する機会が目立っている。
首相が記者会見で政権浮揚への決意を訴えた六日夜、食事の相手は側近の江田五月前参院議長、藤田一枝衆院議員。赤坂のすし店と銀座のバーをはしごし、旧社民連時代の思い出など昔話に花を咲かせたという。
首相が、就任から今月六日までの半年間に外食したのは六十九回(外交日程など除く)。このうち最も多く、一緒に食事したのは、側近の寺田学首相補佐官(十四回)。二位は伸子夫人(十二回)で、以下、仙谷由人官房長官(九回)、江田氏(五回)、阿久津幸彦内閣府政務官(同)、民主党の枝野幸男前幹事長(同)と続く。
夕食を利用して、有力者や敵対する政治家と意見交換するというよりも、身内の人間と食事をして、息抜きをしているようだ。
首相周辺は「公務が終わるまで予定が組めず、直前の打診になる。どうしても親しい人にしか声を掛けられない」と説明。ただ、「内閣支持率が下がったことで(身内以外の)人が離れたのではないか。菅さんがドライな性格だから、周りの人も付き合い方がドライになる」(政府関係者)との声も。
一方、店は、赤坂の焼き肉店やすし店、六本木の日本料理店、中華料理店が中心。庶民派のイメージからすればやや違和感があるが、首相周辺は「セキュリティーを考えたら、そういう店にならざるを得ない。首相は本来、味はどうでもいい人」とぜいたくをしているわけではないと強調している。 (我那覇圭)
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