2010年10月9日 10時50分 更新:10月9日 11時1分
【ワシントン草野和彦】ゲーツ米国防長官は8日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男正恩(ジョンウン)氏について、「ある時点で指導的役割を担うだろう」と述べ、将来の「正恩体制」を前提に、北朝鮮対策に取り組んでいることを明らかにした。米政府の閣僚が、正恩氏が後継者との見解を公にしたのは初めて。
米国防総省で8日、米韓安保協議会が開かれ、長官は韓国の金泰栄(キム・テヨン)国防相とともに記者会見した。国防相は「金総書記の健康悪化や北朝鮮世論に動きがあった場合、北朝鮮が不安定化する可能性を否定できない」と語り、米韓で不測の事態に備えていると強調した。
ソウルでは来月、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催されるが、国防相によると現在のところ、G20の混乱を狙った北朝鮮の不穏な動きはないという。一方で、国防相は南北の対話について、北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件への謝罪などが必要との見解を改めて示した。