自衛隊と米軍の日米共同統合演習(3~10日)が実施されている日本海・能登半島沖に設定された訓練空域に6日、ロシア軍の哨戒機が進入したため、日米のイージス艦による訓練を一時中断していたことが8日、分かった。複数の防衛省幹部が明らかにした。演習時に他国軍が偵察や情報収集を行うことはあるものの、今回のように訓練空域まで進入するのは異例という。
防衛省によると、演習は日米で約4万4000人、艦艇約60隻、航空機約400機が参加し過去最大規模で、日本の周辺海空域や自衛隊基地などで訓練を展開。6日午前、訓練空域にロシア軍の「IL38哨戒機」2機が進入し、数時間飛行したとみられる。
同空域では、日米のイージス艦が弾道ミサイル対処訓練を行っている時に戦闘機による攻撃があったとの想定で演習を行っていた。訓練を続行した場合、レーダーの周波数帯など機密情報をロシア軍の哨戒機に収集される恐れがあるとして、訓練を一時中断したという。【樋岡徹也】
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仙谷由人官房長官は8日午前の会見で、ロシア軍機の進入に対し自衛隊が戦闘機を緊急発進させて対応したことを明らかにした。
毎日新聞 2010年12月8日 東京夕刊