2010年12月7日 2時33分
政府が11年度に導入する方針の地球温暖化対策税(環境税)を巡り、財務省が約2400億円の税収のうち半額以上を、使途を特定分野に限定せず国が自由に使える一般財源とすることを提案していることが分かった。これに対し、同税の導入を要望した経済産業省は、エネルギー対策特別会計の特定財源として、全額を企業の省エネ対策などに充てることを主張しており、財務省と対立している。
政府税制調査会は民主党の提言を受けて、二酸化炭素(CO2)排出につながる石油やガスなどの化石燃料を課税対象とする石油石炭税を11年度から段階的に1.5倍に増税し、増税分約2400億円を新たに環境税と位置付ける方針で、使途が注目されていた。
経産省案は、環境税の導入を要望している環境省とともに所管するエネルギー特会で税収を管理。企業の省エネ対策支援に充てることで、CO2排出抑制につなげる狙いだ。原油や輸入石油製品、ガス、石炭に課税する石油石炭税の増税は、これらを原料などに使う企業負担の増加につながるが、増税分を企業支援に回せば理解は得やすいとみている。
一方、財務省は「特定の目的だけに使うことになると、無駄な支出につながりかねない」ことを懸念。税収の大半を財務省が管理する一般会計に繰り入れ、エネルギー特会よりも幅広い使途に充てたい考えを示している。両者の意見は隔たりが大きく、環境税の導入に向けた最終的な調整は難航も予想される。