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読書ノートのつもり?なつれづれ日記

2010-10-15

[][]パネルディスカッション「岡崎市図書館事件を我々はどう捉えるべきか?」

パネルディスカッション以外の部分は理解できないに違いないと見て、14時30分会場入りという掟破りながら、行ってきました。

情報処理学会 インターネットと運用技術(IOT)研究会 平成22年度第3回(IOT通算 第11回)

会場に入ったらいきなり英語のご発表で、アウェー感にうちのめされ、無線LANにうまいこと繋がらないばかりか、イーモバさんも電波を捕まえられない状況で、寂しいったらありゃしない。なんだかアップル率も高いし。、学会の研究会自体10数年ぶりの参加だし、前に参加したのって、図書館情報学会だったような・・・!?という状況ではありましたが。みききしたこと。おもうこと。の人を見つけたからもう安心。

結論というか、まとめというか、を先に行ってしまうと、

「わからないときは、しかるべき人に聞けばよい」ということだったような。

以下、自分が聞き取れた限りでメモを公開。

パネルディスカッション「岡崎市図書館事件を我々はどう捉えるべきか?」

コーディネータ:山之上卓さん(鹿児島大学/IOT研究会主査)

パネリスト:

新 出さん(静岡県立中央図書館

高木 浩光さん(産総研

松本 直人さん(さくらインターネット研究所)

【京大・上原先生のスライドによる事件の概要についての紹介】の中で気になったところ

・librahack氏が、3つのIPアドレスを使ってアクセスしている→マス攻撃ではなく、標的型攻撃と見られた可能性有り

IPアドレスからプロバイダに訴えるプロセスはとらなかったのか。

・民事にせず刑事にしたのはなぜか。

・県警への電話で「IT音痴に基準を合わせる」と言い切っていることへの懸念。

山之上さん

・この事件は他人事ではない。

マッシュアップなんかをもろに自分もやっている。

サーバー側のプログラムも作成している。サーバやネットワークの管理運営もやっている。

・情報倫理ビデオを制作するチームにも参加。この事件のようなことも扱うことにそのうちなるかも。

高木さん

・逮捕の報道の文を見ただけでおかしいと思った。

・警察にも電話した。最初に電話したときの担当警部補。すでに何件か電話が来ていた。

起訴猶予処分になったあと聞いてみると、嫌がらせ・迷惑行為とは明らかに違った。

※今日言いたいこと

・線引きしてくれ ですって?

・意図しない使い方を戒めて欲しい ですって?

プログラマなら予見できたはず ですって?

・情報技術の発展を擁護してくれる法律家の不在

・警察と検察の対応の問題。

【線引き】(という議論の無意味さを説明)

どこまでやっていいのか?どこからは許されずどこからは許されないという線引き。

そんな選は引けません。というと、線引きできないなら許すな、と言い出す。

ラインは無限に考えられる。一つ一つ上げて吟味していけばいい話。

問題のMDISのシステムは、cookie非対応でのアクセスで破綻するシステムだった。→構造上の欠陥。

【提供側が意図しない使い方を戒めて欲しい】という論の無意味さ

今回の問題がどこにあるかがわかっていないとこういう考え方になる。

図書館に了解を求めることなく、繰り返しアクセスしたことが問題だ」(by大羽館長)

技術的にあきらかにおかしいということが、一般の方にはわからない。明確で客観的な記述がないと、一般の人は納得できない。

岡崎の前に起きていた事件・・・3月12日朝日新聞報道 朝霞市図書館大量アクセス事件→これがあったから、こういうことがまかり通ってはいかんという意識がなかったか。

IT弁護士→技術者の常識感を把握して正論を言える弁護士が日本にはいない。

プロなんだから気付かなくちゃ論について

逮捕は当然。サーバが止まったという認識があったはずだ。→プログラムが作れる人ならば、当然サーバがそうなることはわかっていたはずです(学生の発言)cf.岡崎図書館事件について 高木浩光氏から学生へのヒアリング(Togetterまとめ http://togetter.com/li/51956

新さん

なぜ図書館で事件が起こったか?

・アクセスが多いことが利益に結びつかない。

・電子自治体サービスの中で、図書館の検索予約は最も利用が多い。(電子自治体の中の半数を図書館サービスが占めている)

・自治体の公開しているDBとしては規模が大きい。

・有益だが使い勝手が悪い。

図書館の自由からの視点。知る自由を保障する機関。

  知る自由を行使した利用者を警察に売り渡した→図書館の存在意義が問われる行為。

図書館の自由に関する宣言(1979年改訂)

資料と施設を提供・・・図書館にリアルで来る人でサービス対象が止まってしまっている。

サイトへのアクセスを利用形態としてどう捉えるか。

問題利用に対して・・・普通はいきなり警察は呼ばないわね。

なぜサイバー攻撃と誤認したのか。

・ベンダーの言うことを盲信してしまう。

図書館職員のITCに関する知識レベル→一般人と変わらない。

図書館の6割が非常勤職員。

なぜ警察に頼ったのか

・明白な犯罪事実とは言えない段階でなぜ図書館は警察に訴え出たのか。

・カーリルによるアクセス負荷→Librahackさんより高負荷だった。

図書館職員としては、非常に違和感がある。

捜査照会には答えず、令状には従う。→というのが、図書館の常識。

アクセスログが「利用事実」か。

・契約内容について、自治体がどこまで把握・検証できるか。

APIの提供。

オープンソース図書館システムの開発。Next-L

ここで、Twitterで上原先生から質問が飛ぶ。

岡崎のIT費用が5年で5億、一方書籍購入費が1年間に6千万円。これをどう思うか。

新さんのお答え

 岡崎にお金払いすぎ。資料費を上回るのは、ないなあと思う。*1

松本さん

・インシデントのハンドリングには、人が多くなればなるほど時間がかかる。

・内部で説明するだけでも長い時間がかかってしまう。

Dosは同一IPアドレスから10秒間に30回以上のトラフィックは遮断する。というような設定は簡単にできる。オープンソース

・JPCERT における一般的な対応→通知メールが出る。

・うまく連携をしてまとめる、任せるという連携がなされる。

・どんな手を使ってでも、なるべくなら当事者間で交渉にあたるのが、一番の解決の近道。

討議・この事件をどう捉えるか

会場の方

 これを見ていて思うのは、三者三様(三菱・図書館・警察)にみな頭が悪いということ。

 専門家って誰?学会や大学はその役割を果たしているのか。

山之上さん

われわれのような団体がもっと気軽に相談できる存在になっていれば良かった。

会場の同じ方から

 IT業界に、専門家はいない。IT弁護士もいない。まずい。

高木さん

 日本の研究業界はただ研究して論文書いているだけで、社会に対してモノをいうべき。

 偉い先生が慎重になるのはよくわかるけれども、海外を見ていると類似のケースに対して声明を出す団体はある。

新さん

 図問研の声明は、これはまずい*2だろうということで出した。どちらかというと、Web業界の方で話題沸騰中で、図書館員から何も出ていないのはまずい。うちの団体は任意団体なので好き放題できる。ただし、力はない。IT系の理事長談話みたいなものが出てませんでしたっけ?

→高木さん Winnyの金子さんが逮捕されたときに結成された団体が、ほとんど意味のないモノを出していた。

松本さん

無料で相談できないのか。

会場にいたJPCERTの方

無料です。JPCERTに来れば、ごく普通に対応したのに。プロバイダを通じて、あなたからのアクセスで迷惑をされている。という通知が行って、図書館と話ができたと思う。JPCERTに来れば解決した。

ただし、これはセキュリティインシデントではない。

問題の切り分け(事故か、故意かなど)は一切しない。今目の前の問題をどうすれば解決できるか、ということを見て解決する。

高木さん

JPCERTと警察と連携を深めていく予定はないのか

JPCERTの方

交流を県警レベルでやっているところはある。

実際にDOs攻撃を受けて、困っていて警察に相談に行ったところ、JPCERTを紹介されたというケースもある。地方の県警レベルではうまくいかない。

高木さん

個人と警察とつながりがあってもだめなので、組織としてツナガリがないと人が変わってしまうとこうなってしまう。

新さん

図書館業界として問題があるが、図書館職員に対して研修なりなんなりをしていくべきと思うが、どういったものを研修していくべきなのか、基礎的な情報の研修

高木さん

職員研修 tail -f access_log くらいは見て欲しい。どのくらいの勢いでアクセスが来るか感覚的に見ておいて欲しい。

みんなが常識を知っておきましょうというのは通らないのではないか。

☆「聞く」姿勢さえあればいいのではないか。

某市の担当者は、全く話を聞かない人だった。言われたことは聞いて、考えて、本当はどうなのかということを考えられる人材を育んでいくことが大事。

会場から

司書とかを育てる方の立場なのだが、彼らに対して、最低限これだけは教えた方が良いことを教えて欲しい。

そういう人たちがすがれるような資料とか、こういうモノを見たらいいというものは。

松本さん

インターネット協会、それに対する団体は存在し続けている。IPAとか。サーバクリーンセンターとか何とかインターネット協会から必ずつながる。

団体のリストくらいは共有しておいた方が良い。

会場の方

インターネットのサービスが図書館のサービスとして見られていない。

・サービスとして定義されていないのに、外に出しているというのがよくわからない。

・サービスとして提供するからには、ちゃんとしたものを出すべきなのに、なんでこんなのを出してるのか。

会場の方

・そんなのいくらでもあることだよ。

高木さん

・何が普通か、がシステム担当者の方がわかっていない。

・アクセスに時間がかかることについて、担当者が全く把握していない。

・非常識な発注をしている部分はある。

新さん

・利用者として自分の図書館を使わない。

・自分たちの業務プロセスがどう上手く行くかを重視している。

高木さん

・業務システムすら使いにくい。

・そもそもぼったくられているというところに気付いていない。

会場の方

図書館のシステムを考えるときには、業務システムベースに考える。Web関係はおまけ。つけろというのが議会の要請だし、Webが補助金つく。という面があって仕方なく入れている面もある。

・Webが危ないということもよく知らずにやっている。

・ログがあることすら、SEがわかっていない。

・予算を確保するために、しぶしぶやっている。

これで終わり。

最後のまとめ的になった、会場の方のご意見、ちょっとわたしこれはなーと思ったのは、予算を確保するためにしぶしぶWebサービスをやっているところも、まあ少なからずあるんでしょうが、それが全部と取られるのはいささか残念であるよということ。

その最後の方の発言の前の会場の方からの発言には、完璧なモノができるまでサービスを開始しちゃいけないのか、という疑問も湧くわけで。今回のようにお粗末なものはさておくとして、トライアンドエラーというか、試行錯誤的にとりあえずやってみるのが、Webサービスなんじゃないのか、とわたしなんぞは思っていたので、「ちゃんとサービスとして定義されていないのに、外に出すのはなんでなんだ」という意見が出ること自体が新たな発見でした。

ところで、ぼったくられていることに気付いている図書館は少なくないんだけど、じゃあ、常識的なお値段はどの辺に収まるべきなのか、どうやったら検証できるのでしょうねえ。

*1:これ、よくぞよくぞ言い切ったと思う。というか、資料費より高いIT費用ってとこあるんだ!驚いた

*2:この事件はいくらなんでもまずい、の意味か

おかちどりおかちどり 2010/10/15 20:35 > ここで、Twitterで上原先生から質問が飛ぶ。
> 岡崎のIT費用が5年で5億、一方書籍購入費が1年間に6千万円。これをどう思うか。
> 新さんのお答え
>  岡崎にお金払いすぎ。資料費を上回るのは、ないなあと思う。*1
> *1:これ、よくぞよくぞ言い切ったと思う。というか、資料費より高いIT費用ってとこあるんだ!驚いた

これはあまりに杜撰な問題設定かと思います。
「5年で5億」というのが、開発の人件費はもちろんのこと、
機材さらには保守の人件費までも含めて言っているのなら
むしろ安い部類に入るのかもしれません。
図書館の土地建物箱モノ・備品費用と図書館職員人件費を合算して
書籍購入費・資料費と比較するようなものです。
そもそも比較すること自体がおかしいのではないでしょうか。

ymiwaymiwa 2010/10/15 22:43 ごめんなさい。WebOPAC公開に補助金がつくかどうかの確認はできていません。議会の圧力や利用者の圧力はあります。
 地域イントラ整備補助金事業では、社会教育施設(公民館や図書館)、教育機関(公立学校など)にも地域イントラ整備を含めることが条件でした。だから図書館や公民館にキオスク端末があるのです。当時はテレビ会議システム導入も条件に含まれていましたし、サーバは役所に設置することという条件までありました。

ymiwaymiwa 2010/10/15 22:52 >予算を確保するためにしぶしぶWebサービスをやっているところも、まあ少なからずあるんでしょうが、それが全部と取られるのはいささか残念であるよということ。

それはおっしゃる通りです。WebOPACをやりたいというところもあります。しかし館内システム更新予算要求の時にWebOPACのようなインターネットサービスや館内サービスの向上をするから更新予算を認めてほしいとなるわけです。
 そのとき、インターネットサービスを既存のシステムに追加するとなると、今まではインターネット利用者の立場がサービス提供側に代わるために、プロバイダとの接続契約やルータ/ファイアーウォール/サーバなどの追加機器購入かつ高額設置費が必要となって、図書館本来の資料費や司書サービスの低下をちらっと頭を横切るような司書さんにとっては「まだWebサービスをウチ単独で始めるのは時期尚早」【というひともいる】というつもりでした。
 断定口調ですみませんでした。

h-masudah-masuda 2010/10/15 23:07 | その最後の方の発言の前の会場の方からの発言には、完璧なモノができるまでサービスを開始しちゃいけないのか、という疑問も湧くわけで。
| 今回のようにお粗末なものはさておくとして、トライアンドエラーというか、試行錯誤的にとりあえずやってみるのが、Webサービスなんじゃないのか、とわたしなんぞは思っていたので、「ちゃんとサービスとして定義されていないのに、外に出すのはなんでなんだ」という意見が出ること自体が新たな発見でした。

いや、そうであれば、そういうサービスに対して問題が発生したからといって、偽計業務妨害だ、と主張してはいかんだろう、ということではないかなぁ、と思いますが。

ymiwaymiwa 2010/10/16 12:26 なお補助金で整備の話ですが、総務省の
「地域情報通信基盤整備事業」
では
・公民館や図書館、小中学校へのインターネット回線整備
・キオスク端末の設置
だけではなく、それに必要なサーバ整備は補助されます。
 たぶんこの関係で住民サービスのために図書館のインターネットサービス用サーバを追加するという判断を「図書館ではなく自治体側が」計画したとしても不思議ではありません。

yoshim32yoshim32 2010/10/16 22:51 >おかちどりさま

コメントありがとうございます。たしかに、5億の中身の検証は必要です。

三菱総合研究所の「図書館システムの現状に関するアンケート 調査結果」を見ますと、以下のような記述があります。[http://www.mri.co.jp/NEWS/press/2010/2021657_1395.html]

【年間運用経費について】[http://www.mri.co.jp/NEWS/press/2010/__icsFiles/afieldfile/2010/08/31/nr20100831_psu02.pdf]
p.12
年間システム関係費は、10万円未満から1億円以上まで幅広く分布。100万円以上500万円以下が最多層。
公共図書館におけるシステム関係費は、
・人口規模10万人未満の小規模自治体の図書館では100〜500万円未満が最多層
・人口10万人〜100万人未満の自治体の図書館では、規模にかかわらず1,000〜3,000万円未満が最多層。
・公共図書館以外の図書館はほとんどが500万円未満

p.14 システム関係経費の対資料費比
・公共図書館では、資料費の25%〜50%が最多層。どの規模の図書館でも概ね同様の傾向。(人口1万人未満の自治体を除く)
・公共図書館以外の図書館では、10%未満が最多層であり、概して公共図書館よりシステム関係経費の比率は低い。

岡崎市の場合、人口 376,322人(平成22年9月1日現在 住民基本台帳及び外国人登録に基づく [http://www.city.okazaki.aichi.jp/tokei-portal/tokei000.htm])ですから、年間運用経費は、1,000〜3,000万円未満が最多層となります。

【初期費用負担額】
初期構築費用の平均額は約2,000万円。ほぼ規模に比例して負担額も増加する。ただし、同一規模の自治体の図書館でも費用にはかなりのばらつきがみられる。
・同じ人口規模5〜10万人の自治体であっても、図書館によって、10万円未満〜1億円以上と大きな差がある。
・大学・短大附属図書館の構築費用も同様に10万円〜1億円まで広く分布。
・専門図書館や学校図書館では、2,000万円を超えることはほとんどない。
[http://www.mri.co.jp/NEWS/press/2010/__icsFiles/afieldfile/2010/08/31/nr20100831_psu03.pdf]

この調査、機器の調達費用は対象外かも?という気がしますね。
ですが、初期導入が機器の調達(サーバやクライアントPCは買取です)、システム開発(SEさんたちの人件費、ソフト代とか)もろもろコミで、導入以後は、年間いくらで、とうちの場合と比較すると、倍じゃ済まない額かかっている岡崎の5年で5億は、体感値で単純に高いと思いました。

ちなみに、資料費と比較して云々というのは、すでにこちらで詳述されていました。[http://www.nantoka.com/~kei/diary/?20100923S1]

yoshim32yoshim32 2010/10/16 23:04 >ymiwaさま


コメントありがとうございます。自分がひっかかったところに噛み付くのは悪い癖ですみません。
来館者を重視して、Webはおまけ、という図書館がほとんど、ということを会場で新さんも言われていましたが、多くの公共図書館がそういう現状にあります。悔しいことですが、これは認めます。
さて。

>議会の圧力や利用者の圧力はあります。

これを圧力と見るか、熱い要望と見るか、で図書館側の姿勢の違いが見えますよね。
WebOPACは、もうすでに多くのベンダーさんがパッケージシステムの中のメニューとして用意してきているので、今から何か莫大な費用をかけて開発するというものでもありません。
使い勝手が悪いという点については、確かにそのとおりで、改良に改良を重ねる必要があることも否定しませんが、それにはまず、使ってもらわないことには始まらないと思うのです。
なので、もっと気軽に始めたらいいのに、と個人的には思っています。
ちなみに補助金云々というのは
[http://www.soumu.go.jp/soutsu/tohoku/joho/sisakusyu/pdf/3-2.pdf]
これのことでしょうか。たしかにこういうの、どこかで見たような。。。。

よくよく考えて思いついたんですが、図書館は決して、Webサービスを業務と位置づけていないわけではないです。力を入れていない、あるいは、感情的に好きではないという面があるとしても、実際にサービスをやっている以上、それはやはり業務だからです。
業務としてやっていく以上、イヤイヤやるんじゃなくて、やる意義を感じて楽しくやったらいいのに。と、脳天気なので思っています。
・・・全然コメントに対する返事になってません・・・・すみません。

yoshim32yoshim32 2010/10/16 23:20 >h-masudaさま

たしかに、β版がうまく動かなくなったからって、警察に訴えるバカはいませんよね。岡崎のケースは、Webでのトラブルにはどう対処すべきか、という常識を知らなかったために起きたのかなと思います。β版の前段階みたいなものを完成品として売られていたという不幸も重なりましたけど。

ymiwaymiwa 2010/10/17 03:20 >WebOPACは、もうすでに多くのベンダーさんがパッケージシステ
>ムの中のメニューとして用意してきているので、今から何か莫大
>な費用をかけて開発するというものでもありません。

ソフトのメニューとしては確かにあります。しかし、前のコメントに書いた通り、Webサービス側に代わるため、それまでは不要だったWebサーバ(業務サーバとは物理的に分ける)、ルータ、ファイアウォール、対外サービス用の回線などが別途必要となります。その金額はかなりのものとなります。
 単に図書館のホームページを作るだけなら役所のシステムと相乗りという方法もありますが、図書予約システムとかと連動となると役所のセキュリティポリシーと違うために、別回線でとか、変なことになるわけです。

 そこで、図書館システムベンダーだけでなく「知っていそうな人に聞く」というのが重要かと思います。電話会社に聞くのは図書館システムベンダーに聞くのと同様の目にあいかねませんし。

そうそう、補助金関係の資料としては、yoshim32さんのおっしゃる資料です。あれも毎年少しずつ内容が違っていたはずですが、大筋は同じはずです。

 さらに圧力と感じるかどうかですが、図書館にインターネットからのサービスを始めるのだったらそれのための(自己)研修の予算なり、時間的余裕をもてるような人員配置とセットでないと圧力と感じるのではと思います。インターネットサービスは窓口サービスのセルフ化なので、さらなる人員減とセットにされるようなことはないでしょうか? コンピュータシステムの更新というのは常に「省力化のため」と考えられるところがありますから。
 たとえば、自動貸し出し機は大学図書館なら省力化につながるかもしれませんし、提案書には窓口業務の軽減とか書いてくるかもしれません。しかし公共図書館ではいろんな利用者がいるため、省力化どころか貸し出し手続のミス対策のため逆に人員増が必要になるかもしれません。だから自動貸し出し機は不要かというと、必要だという司書さんもおられます。それは省力化が目的ではなく、「貸し出し手続のさらなる個人情報保護」のためです。貸し出し窓口の係員の方に、どんな本を借りているのかを知られたくない(係員さんにとっては知りたくない)という場合がありうるからだと聞きました。
 おなじ機器の使用についても大学図書館と公共図書館とでは目的が違うのだなぁと感じ入ったとともに、図書館職員さんたちの専門性を生かしたアドバイスというのは本当に難しいと感じています。

 そういう話ができなかったどころか、図書館職員さんたちの仕事態度を貶していると誤解されかねない話し方をしてしまったことを反省しています。

ymiwaymiwa 2010/10/17 03:35 おかちどりさんのコメントについてです。

業務を行うために5年で5億円のシステムが必要ならそれでも良いのです。ただ、システム費用のために本来の業務用の経費が削られるのであれば本末転倒ではないかと思うわけです。
 どれだけのシステム比較・検討の結果、その金額が妥当だと判断したのかが問われるわけです。
 それだけの規模の調達であれば、提案内容について技術審査をして、受け入れ検査もするでしょう。
 しかし、すくなくともパネルでまな板に載せられたシステムについては、それだけの価格に見合うシステム内容だったのかどうかが問われたわけです。実際に、保守内容もずさんだったのではないかと疑われるレベルですし。

 言い換えれば、「高額投資金額に見合うサービスが提供できるかどうかという検証をしたのかどうか」について、今回はどうもインターネットサービスをはじめとして利用者向けサービスに関しては「ぼったくり」に近い状態ではないのかなぁ、という感じがするわけです。

おかちどりおかちどり 2010/10/17 19:33 # yoshim32 2010/10/16 22:51

まず、そのアンケートの設問について。
「図書館システムの初期構築費用(システム開発費等)」
「年間のシステム関係費(人件費を除く)」
としていることから、
物理的システムの機器と論理的システムの開発とを含む初期負担、
それとは別途に保守メンテナンスのランニングコスト、と考えるのが自然です。
しかし中には、設問の「システム開発費等」のみを文字通り受け取って
機材購入費リース費を除いて回答したものがあるかもしれません。
そもそも設問が厳密ではなく、回答者の中でも回答基準に揺れが生じている可能性があります。
設問の文言がせめて、「(システム開発費等をも含む)」であったりすれば、
機材に関する費用も含むとして誤解の余地は生まれないでしょうけれども。

次に、そのアンケートの集計結果について。
どの程度の能力規模のシステムがその図書館に必要なのかは、
「蔵書冊数」「最大収容能力冊数」で蔵書データベースの必要な大きさが決まります。
また、「図書館が貸し出し利用を認める対象地域の人口」で
利用カード製作希望の潜在需要や
利用者個人情報管理のデータベースの必要な仕様と大きさが想定できるでしょう。
もちろん厳密には、新規利用者登録数の実績推移などを見るべきではあります。
岡崎の場合、貸出証条件は「愛知県内在住在勤在学」ですから、
市内・近隣自治体どころか愛知県民にさえもとどまらず、近隣他県民でも可能でしょう。
大学などの学校図書館の場合、学外に対し非公開・貸出禁止であれば
図書館独自の利用者個人情報管理が不要な場合も考えられます。
既存既成の学生・教職員・関係者データベースに
必要に応じてその都度問い合わせすればそれで済みます。
そうした点で、
ある自治体の住民人口とその自治体図書館のシステム費用とを
単純比較して論じるというのは、利用実態に照らして疑問の残る手法です。

> すでにこちらで詳述

としてあなたが引用されているページをたどれば、

> 岡崎の5年で5億

という数字が、中央図書館はもちろんのこと、
他自治体の図書館を合併後に引き継いだ図書館や旧市立病院跡地の健康増進施設での
端末リース費用までも全部まるごと含んでいるのが、図表を一瞥しただけで分かります。

# ttp://www.nantoka.com/~kei/LibraHack/okazaki_contract_timeline.pdf

また、

# 図書館システム 業者の契約解除 2010年10月15日
# ttp://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001010150007
> 同市立図書館のシステムはコンピューター約150台などで構成され、
> 主に2005年契約と08年契約の端末があり、5年リースの契約。

ということのようです。
リース契約は一般に、長期契約であれば単位期間あたりの費用負担は低く、
短期契約であれば単位期間あたりの費用負担は高くなるものです。

> 初期導入が機器の調達(サーバやクライアントPCは買取です)、
> 導入以後は、年間いくらで、とうちの場合と比較すると、
> 倍じゃ済まない額かかっている

ということで、買い取りとリースとの違いはありますが、
あなたの場合、外部利用者用と内部業務用とを合計したPC端末数
がいったい何台なのか、ということだけでも考えてみてはいかがでしょう。

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# yoshim32 2010/10/16 23:20

> Webでのトラブルにはどう対処すべきか、という常識を知らなかったために起きたのかな

そんなことはないと思います。

# パネル討論会:「岡崎市中央図書館ウェブサーバ事件」から情報化社会を考えるを開催しました - ESD21
# ttps://www.esd21.jp/esd21/2010/10/post.html

では、地元ISP業者でもあるパネリストから
「利用者本人の自宅からの接続は、Dynamic IPアドレスだった」
という指摘もありました。

> 【京大・上原先生のスライドによる事件の概要についての紹介】の中で気になったところ
> ・librahack氏が、3つのIPアドレスを使ってアクセスしている→マス攻撃ではなく、標的型攻撃と見られた可能性有り

という表現は誤っている可能性があり、
実際にはさらに多数のIPアドレスからアクセスしていた可能性もあります。

あるIPアドレスからの短時間多数回アクセスを遮断したら、
今度はバラバラな別のIPアドレスからさらに短時間多数回アクセスが継続、
ということになればもうモグラ叩きにしかなりませんので、
警察に相談して被害届、ということにもなるでしょう。
民事でやっていては時間がかかり過ぎます。

> 松本さん
> ・どんな手を使ってでも、なるべくなら当事者間で交渉にあたるのが、一番の解決の近道。

もおっしゃるとおり、利用者本人が図書館に連絡することでも
交渉して解決できたはずのことなのです。

> β版の前段階みたいなものを完成品として売られていた

そんなことはないと思います。
リソースを早々と食い尽くしてしまうような手法での短時間多数回のアクセスを
果たして想定できたのだろうか、ということです。

yoshim32yoshim32 2010/10/18 08:48 >ymiwa さま

そうですね。今までWebサービスをやっていないところからしたら初期投資はかなり
の額になりますね。すみません、Webサービス前のことをもはや忘れてしまっている
ので(汗)
また、


図書館にインターネットからのサービスを始めるのだったらそれのための(自己)研
修の予算なり、時間的余裕をもてるような人員配置とセットでないと圧力と感じるの
ではと思います。インターネットサービスは窓口サービスのセルフ化なので、さらな
る人員減とセットにされるようなことはないでしょうか? コンピュータシステムの
更新というのは常に「省力化のため」と考えられるところがありますから。

これについては、かなり問題を感じているところで、Webで予約を受け付けるように
なったら、予約の数がかなり増えて、それにともなう処理=棚から本を取ってきて確
保することなど、も膨大になったにも関わらず、それに対するケアが全くなされてい
ないというのは、多くの図書館で見られる状況ですね。システムが入ることで(利用
者から電話・窓口で予約を受け付けて、職員が予約をかける)という手間は省かれた
が、それよりもっともっと手間なことが発生します。ということをもっとちゃんと検
証してから始めるべきだったのではないか。というような話を、ある図書館情報学系
の先生が数年前にしていたことも記憶にあります。
Web導入以前があまりに低調だったために予測できなかったという面もあるわけで。
難しいです。

>そういう話ができなかったどころか、図書館職員さんたちの仕事態度を貶している
と誤解されかねない話し方をしてしまったことを反省しています。

これはまったく反省していただく必要はないです。Webサービスに後ろ向き、あるい
は、Webサービスをしぶしぶやっている図書館があることは、事実ですし、それは否
定できないことだからです。そして、多くの図書館が同じ状況であるということを残
念で悔しいとわたしは思っています。ということをうまく書けなかったわたしの書き
方を反省しているところです。

yoshim32yoshim32 2010/10/18 08:58 >おかちどりさま

5年で5億の妥当性について、自分のところと比べて高いの安いのというのではなく、その中身についてきちんと検証しなければならない。ということについてはよくわかりました。
また、Dynamic IPアドレスを使っていたといった話は不勉強でわかっていなかったので、教えていただきありがとうございます。
そのときに言われていたことだけを額面どおり受け取ってあれこれ思うことの危険性を身にしみているところです。

通りすがり通りすがり 2010/10/19 00:27 > という表現は誤っている可能性があり、
> 実際にはさらに多数のIPアドレスからアクセスしていた可能性もあります。

ありません。

> あるIPアドレスからの短時間多数回アクセスを遮断したら、
> 今度はバラバラな別のIPアドレスからさらに短時間多数回アクセスが継続、

そんな事実はありません。

図書館が、地元ISPのアドレスでの遮断をしなかったのは、
動的割当IPアドレスであるため、仮に遮断すると将来に別の誰かが
遮断状態になる可能性があるからで、そのISPの図書館利用者が他にいる
ことが確認されたために、遮断するわけにいかないと判断されたため。

そして librahack氏のIPアドレスは、アクセスしていた期間で、変化は
していませんでした。

ymiwaymiwa 2010/10/19 02:18 #おかちどり 2010/10/17 19:33

>リソースを早々と食い尽くしてしまうような手法での短時間多数回のアクセスを果たして想定できたのだろうか、ということです。

いえいえ、Webサーバのリソースは食い尽くしていません。Webサーバとバックエンドのデータベースサーバとのセッションがタイムアウト以外切れない仕様だったのです。

 つまり、HTTP的には通信できています。これはHTTPクライアントがクッキーを使わない場合に発生します。そのことはi-modeからのアクセス対策をしたときに開発者が気づいていたというコメントが発見されています。

●『システム開発会社』が、リソースを早々と食い尽くしてしまうような手法で(利用者から)の短時間多数回のアクセスを果たして想定できたのだろうか?

ではなくて、

●『利用者』は、リソースを早々と食い尽くしてしまうような手法で(システムが)開発されているなんて想定できたのだろうか?

というのが、システムの挙動を分析した結果です。
 一般的な(YahooやGoogleのような)クローラで止まることが別の図書館で発生したから、robots.txtを設定したわけで(というか、本当の対策の意味を運営受託者が理解できていたかどうかも怪しいのですが)、

 機械がキーキーなるから機械油の代わりに水を差して当座しのぎの運用をしていた

レベルでしょう。

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