ハイレベルな国際情報誌を休刊に追い込む
新潮社のフォーサイトは休刊となり、ニューズウィークが本家アメリカで身売り話も出ていることに象徴されているように、ハイレベルの国際情報誌はなかなか商業ベースに乗らない。
ただでさえ活字媒体は苦戦に追い込まれており、事業仕分けはその足を一気に引っ張ってしまった。
「外交フォーラム」「ジャパンエコー」は外務省が一定部数を買い上げ、関係者や在外公館に送っていた。
事業仕分けではその予算をカットしたのである。
「ジャパンエコー」は国内の雑誌から主要論文を選び出して英語、仏語、スペイン語などに翻訳して発行してきた。
対外発信が乏しいといわれる現状では貴重な雑誌で、雑誌論文を選び出す編集会議には、舛添要一、白石隆、成相修、高階秀爾、近藤大博、児島明各氏ら国際関係の著名な専門家を擁していたのであった。
なんともはやの事業仕分けといわなくてはならないのだが、この政権の異様な体質を示すものという見方もあながち違ってはいないだろう。
花岡信昭氏のコラム「我々の国家はどこに向かっているのか」は、09年5月7日まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、09年5月13日より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になりました。今後ともよろしくお願いいたします。また、
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花岡 信昭(はなおか・のぶあき)

1946年長野市生まれ。69年早大政経学部政治学科卒、産経新聞東京本社入社。社会部を経て政治部。政治部次長、政治部長(日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)、編集局次長、論説副委員長などを歴任。2002年産経新聞退社、評論活動に入る。2007年産経新聞客員編集委員。現職は拓殖大学大学院教授(地方政治行政研究科)、国士舘大学大学院講師(政治学研究科)。政治ジャーナリストとしていち早くインターネットに注目、自身の
ブログ、
メルマガで活発に独自の政治分析を発信している。