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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

この不可解な「無責任政治」は何なのか

茶番にしか見えない県知事との会談

 それにしても、国家リーダーはいかなる行動をすべきかという重い意味合いを常に突き付けられていることを、この首相は認識しているのかどうか。

 日本や東アジアの安定と平和のために、普天間移設に決着をつけ、日米関係を良好なものに再構築することが国益にかなうと判断するのであれば、いかに反対があろうとも断固たる決意で臨むというのが、国家指導者の責務である。

 「かりゆし」を着用して沖縄県知事との公開会談を重ね、努力のあとを示そうとしても、これは茶番にしか見えない。

 県知事はともかく、世界中のどこに、国家の安全保障の根幹にかかわる問題を「小さな町の町長」(とあえて言う)に辞を低くしてお願いするという国家リーダーがいるか。

 つまりは、国家の最高の政治判断をなすべき立場の者が持つべき責任もスジも矜持も、そこからは見えてこない。

 こうしたパフォーマンスはすべて「決断できない首相」を覆い隠すための存在証明にほかならないのだ。

 そうした、なんとも情けないシーンをわれわれは幾度となく見せつけられてきた。

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