朝鮮半島問題で米国の足を引っ張る日本
この息詰まるような神経戦に日本が介在できる余地はまったくない。
隣の朝鮮半島で朝鮮戦争以来ともいえる緊迫した状況となっているというのに、日本の政権からは危機意識すら伝わってこない。
というよりも、日本はアメリカの足を引っ張り、朝鮮半島の危機打開のために動いているアメリカにとって邪魔な存在になっているのだ。
いうまでもなく普天間問題の迷走である。
クリントン国務長官の3時間滞在がそれを見事に象徴している。
沖縄の駐留米軍について「学べば学ぶほど抑止力の重要さが分かった」などと恥ずかしげもなく言ってのけたのが鳩山首相だ。
日本はこの半年以上、安全保障の何たるかを全く理解していない国家リーダーのもとで過ごしてきたことになる。
普天間移設問題に対し、鳩山首相は国内的視点でしか認識できなかった。
在日米軍が東アジアの安定と平和にいかに貢献しているか、アジア諸国の多くがそのことに期待しているか、といったことへの思いなど、まったくにじんでこない。