普天間問題、鳩山総理の嘘、火に油

田村重信

2010年05月05日10時15分

　ゴールデンウイークだといってブログをサボっていると山本一太議員に抜かれてしまった。三橋貴明に見習って頑張らないといけない。

　ということで、今日は、鳩山総理の沖縄訪問を書きます。

　今朝のテレビ、どのチャンネルも新聞が大きく報道することから、鳩山総理の沖縄訪問が中心でした。当然、報道内容は批判一色。

　なかには、「自民党も超党派で協力すべき」といった変なコメントもあったが、皆、鳩山　総理批判。

　新聞をみても、記事が多すぎて読むのが大変。そこで、ポイントを説明します。

１、鳩山総理の「最低でも県外」は嘘だった。

「最低でも県外」と主張していたのが、今回、沖縄県内と徳之島を検討と初めて公の場で発言。これは、「県外の断念表明」で明確な公約違反。

でも、お得意な言いわけをする。

「公約という言い方はあれです、公約というのは選挙のときの党の考え方ということ。党としてではなくて、私自身の代表としての発言ということ。その重みは感じています」（鳩山）

　民主党の沖縄県連が「県内移設は公約違反、自然破壊」だと声明を出しているに、いまさら、私代表の発言と公約は違うと言われても駄目だ。

　民主党は、公約（マニフュスト）に明記したガソリン税は下げない。高速道路無料化も値上げする。公約違反をしても平然としている。

　ワレワレは、「民主党は選挙のために平気で嘘をつく政党」ということを、この際、しっかりと明記すべきである。

２、鳩山総理は国家の安全保障を考えていなかった。ビックリ！

　今回の沖縄訪問でビックリしたのは、鳩山総理は国家の安全保障政策を真剣に考えてこなかったということだ。国家の安全保障の基礎知識すらない鳩山総理は「総理失格！」だ。

　今頃、「海兵隊の抑止力　理解が浅かった」と言われても。国会で、自民党から「抑止力は大事」と何度も言われていたのにだ。

「海兵隊の存在は、必ずしも抑止力として沖縄に存在する理由にならないと思っていた。学べば学ぶほど、全体の中での海兵隊の役割を考えたとき、それがすべて連携し、その中での抑止力というものが維持できるんだという思いにいたった。それを浅かったと言われれば、あるいはその通りかもしれません」（鳩山）

３、普天間移設の３条件は？

　今回政府は、日米が２００６年に合意した同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画を修正し、杭(くい)打ち桟橋方式で滑走路を建設する案と、ヘリコプター部隊の徳之島移転を組み合わせる案を固めている。

　3条件とは、①移設案の政府決定、②米側との調整・了解、③沖縄など地元の了解、だ。

①移設案の政府決定を、今回の沖縄訪問でも、「これが政府の正式案です」と示すことができなかった。

　政府決定には、国民新党と社民党の合意が必要だが、社民党は県内移設反対、国民新党は陸上案であり反発が予想される。これを政府の正式決定にどうもっていくか、結構難しい。

②米側との調整・了解。米側は、杭打ち桟橋方式について、過去の日米協議でテロの危険性が高いことを理由に却下した経緯などを指摘。徳之島案については、「沖縄の海兵隊陸上部隊との距離が離れすぎていて、運用上受け入れられない」と明確に反対する立場を表明した。（読売新聞、5月5日）と反発している。

　さらに、米側は「まず地元の理解が重要」との姿勢を崩さない。

③沖縄など地元の了解については、今回の鳩山総理の沖縄訪問は、「最低でも県外」など場当たり的な無責任な発言を連発し、不信感と反発から、4月25日、沖縄で普天間飛行場の県内移設に反対する県民大会（9万人）が開かれたばかりだった。

　その直後に総理が正反対の案を言うのだから、沖縄県民の怒りは火に油を注いだ格好だ。「いったい何をしに来たのか」「恥を知れ」「我慢の限界だ」「沖縄の心をもてあそんでいる」「沖縄県民をばかにするな」「裏切りだ」

「本当に総理か」・・・・

　沖縄の思いは、「ヤマチラカチ、ヌースガ」＝「これほど混乱させておいて、今さら、何をしようとするのか」という意味だ。ここまで沖縄と信頼関係を崩した総理は他にない。

　また、鹿児島県・徳之島の３町長は４日、普天間の部隊移転に反対する方針をそれぞれ記者団に表明している。

　こうした事態で、岡田外相も北沢防衛相も外遊、仙谷大臣は、ハノイで「首相辞任は不要」「小沢氏は自発的判断を」と述べているのだからビックリだ。

　以上のように、鳩山総理の及び政権のいい加減さによって普天間移設は迷走の度を一層深めている。

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田村重信

自民党と民主党に絡むさまざまな事象を、多角的な観点からわかりやすく解説しています。憲法・安全保障問題も専門的な分析情報が満載です。
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