田代まさしさんが獄中で書いた手記(2)(月刊『創』12月号より)
創 11月11日(木)11時48分配信
《続き》
コカイン所持で起訴され、接見禁止が解けた田代さんに最初に接見したのは10月13日のことだった。逮捕時の憔悴しきったあの表情とは違っていたが、やせて頬がくぼんでいた。聞くと、逮捕直後は吐き気が止まらず、食事もできない状態で、夜も眠れなかったが、胃の薬や睡眠剤を処方してもらい、ようやく落ち着いてきたという。
逮捕時に持っていたコカインについては尿検査で反応が出なかったので使用でなく所持のみで起訴されたとのこと。ただ、今後覚せい剤などの他の薬物について再逮捕される予定だという。
逮捕時の憔悴しきった映像については、本人も気にしているようで、「しょうがないよ。あの時は前の晩も寝てないし、逮捕された後も朝5時まで取り調べを受けて、2日間寝てない状態だったのだから」と言っていた。
再び薬物に手を出した事情も尋ねたが、前述した通り、「今は何を言っても言い訳としかとられないし、『二度とやらないと言ったじゃないか』と言われたら返す言葉もないから、それについては語る気になれない」とのことだった。
この時点では、売人のDJと出会ったのは3カ月前と供述したかのような報道がなされていたのだが、本人に訊くとそれは違うとのこと。断片的な供述報道が正確さを欠いていたことがわかった。
二度目の接見は10月21日だった。1週間で体重も増えたらしく、だいぶ頬が丸くなっていた。聞けば、食欲も出始めて、弁当を1食半食べているという。1食半とは、支給される弁当以外に自弁といって600円を払って弁当を購入しているのだが、それを食べて支給されたものも半分くらい食べているのだという。
「体重も増えたんじゃない?」と訊くと、体重測定は2週間にいっぺんしかないのでまだわからないが、たぶん増えたはずだとのことだった。
留置場は独居房で、拘置所のように監視カメラはついてないとのことなので、ちょっと気になったことを尋ねてみた。
「前の逮捕の時、自殺を考えたと言っていたけど、今回はどうなの?」
田代さんの返事は「そういうことを考えるのは少し冷静になってからだと思うけれど、今回はそういう余裕もなかった」とのことだった。吐き気と胃痛でのたうちまわっていたような状態で、3〜4日たってから我慢できずに「救急車を呼んでほしい」と頼んで、ようやく救急病院に運ばれて点滴を打ってもらったという。物事を落ち着いて考えられるようになったのは最近のことなのだという。
さて本稿を書いている10月26日、田代さんから新たな原稿が届いた。その前に書いたものは不許可になってしまったとのことだが、今回のは投函でき、ぎりぎり間に合ったのだった。獄中で書いた手記を2本分、執筆順に掲載しよう。イラストも本人が描いたものだ。
田代さんのもとへはファンたちからの手紙も届いているようで、それに元気づけられていることが文面からわかる。客観的な状況を考えれば、田代さんの考えは楽観的で甘いと言う人もいるかもしれない。ただ、田代さんも自分の置かれた厳しい状況はわかっていると思う。そうであっても、少しでも未来があると考えなければ生きていくこともできないという気持ちなのではないだろうか。
(篠田博之)
【関連記事】
田代まさしさんが獄中で書いた手記(1)
マーシーの近況について
マーシーに2度めの接見。だんだん元気になってますが...
田代まさしさん4度めの逮捕には思わず絶句した。
田代まさし公式サイト
コカイン所持で起訴され、接見禁止が解けた田代さんに最初に接見したのは10月13日のことだった。逮捕時の憔悴しきったあの表情とは違っていたが、やせて頬がくぼんでいた。聞くと、逮捕直後は吐き気が止まらず、食事もできない状態で、夜も眠れなかったが、胃の薬や睡眠剤を処方してもらい、ようやく落ち着いてきたという。
逮捕時に持っていたコカインについては尿検査で反応が出なかったので使用でなく所持のみで起訴されたとのこと。ただ、今後覚せい剤などの他の薬物について再逮捕される予定だという。
逮捕時の憔悴しきった映像については、本人も気にしているようで、「しょうがないよ。あの時は前の晩も寝てないし、逮捕された後も朝5時まで取り調べを受けて、2日間寝てない状態だったのだから」と言っていた。
再び薬物に手を出した事情も尋ねたが、前述した通り、「今は何を言っても言い訳としかとられないし、『二度とやらないと言ったじゃないか』と言われたら返す言葉もないから、それについては語る気になれない」とのことだった。
この時点では、売人のDJと出会ったのは3カ月前と供述したかのような報道がなされていたのだが、本人に訊くとそれは違うとのこと。断片的な供述報道が正確さを欠いていたことがわかった。
二度目の接見は10月21日だった。1週間で体重も増えたらしく、だいぶ頬が丸くなっていた。聞けば、食欲も出始めて、弁当を1食半食べているという。1食半とは、支給される弁当以外に自弁といって600円を払って弁当を購入しているのだが、それを食べて支給されたものも半分くらい食べているのだという。
「体重も増えたんじゃない?」と訊くと、体重測定は2週間にいっぺんしかないのでまだわからないが、たぶん増えたはずだとのことだった。
留置場は独居房で、拘置所のように監視カメラはついてないとのことなので、ちょっと気になったことを尋ねてみた。
「前の逮捕の時、自殺を考えたと言っていたけど、今回はどうなの?」
田代さんの返事は「そういうことを考えるのは少し冷静になってからだと思うけれど、今回はそういう余裕もなかった」とのことだった。吐き気と胃痛でのたうちまわっていたような状態で、3〜4日たってから我慢できずに「救急車を呼んでほしい」と頼んで、ようやく救急病院に運ばれて点滴を打ってもらったという。物事を落ち着いて考えられるようになったのは最近のことなのだという。
さて本稿を書いている10月26日、田代さんから新たな原稿が届いた。その前に書いたものは不許可になってしまったとのことだが、今回のは投函でき、ぎりぎり間に合ったのだった。獄中で書いた手記を2本分、執筆順に掲載しよう。イラストも本人が描いたものだ。
田代さんのもとへはファンたちからの手紙も届いているようで、それに元気づけられていることが文面からわかる。客観的な状況を考えれば、田代さんの考えは楽観的で甘いと言う人もいるかもしれない。ただ、田代さんも自分の置かれた厳しい状況はわかっていると思う。そうであっても、少しでも未来があると考えなければ生きていくこともできないという気持ちなのではないだろうか。
(篠田博之)
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マーシーに2度めの接見。だんだん元気になってますが...
田代まさしさん4度めの逮捕には思わず絶句した。
田代まさし公式サイト
最終更新:11月11日(木)11時48分
