田代まさしさんが獄中で書いた手記(1)（月刊『創』12月号より）

接見禁止が解除され、田代まさしさんから本誌に獄中手記が寄せられた。
逮捕直後は胃痛と不眠に苦しんだが、ようやく最近、様々なことを考えられるようになったという。


●はじめに…………………………編集部
　逮捕された田代まさしさんの手記を掲載すると前号で告知したが、本人が書いてくれたものはＰ99に掲載した。「なぜまた薬物に手を出したのか」という疑問には応えられていないし、読者の期待に沿うものではないかもしれない。

　ただ本人に代わって弁明しておけば、田代さんは10月６日、コカイン所持容疑で起訴され、接見禁止は解けたものの、16日に他の薬物の所持容疑で再逮捕。取り調べが続いている状態だ。事件について詳しい話をできる状況ではないし、いろいろな制約もかかっている。

　接見した時にも言っていたが、薬物を再び使用した理由については、今は何を言っても言い訳にしかならないし、また落ち着いてそういう話をできる状態ではないという。今回掲載した原稿を読むと、ジョークも書かれており、本人が置かれた絶望的な状況とかけ離れた印象を抱いてしまう人もいるかもしれないが、こういう局面でも、ある種のサービス精神を発揮してしまうのが田代さんだ。

　今後の成り行きにとって大きいのは10月19日に田代さんに薬物を売った売人が逮捕されたことだ。田代さんは薬物を購入して使用・所持した罪だが、この人物は薬物売買ルートの解明に重味を持つ。その意味では、事件の全容解明はこれからだ。

　このＫという男性は、３月下旬に行われた田代さんのトークイベントに現われ、サイン＆握手会で田代さんに「薬物が手に入りますよ」というメッセージメモを手渡したらしい。結局、田代さんはこの誘惑に負けて薬物を購入することになってしまったわけだ。

　供述報道ではこの男性の職業が「ＤＪ」となっていたので田代さんに聞くと、ＤＪでラッパーと名乗っていたという。逮捕された時は大阪府豊中市在住・無職となっていたが、夏頃までは六本木でバーを経営していたらしい。握手会に来た時は、帽子にサングラス、手には指の出る黒い手袋をしており、「スナイパー（狙撃手）のようだった」という。

　捜査の狙いは薬物ルートをどこまでたどれるかということだろうから、田代さんの取り調べも11月までかかる可能性がある。
　一方、横浜水上署に勾留されている一緒に逮捕された女性Ａさんからも手紙が届いた。

　田代さんと同じく、彼女も関係者にお詫びしたいという。心情が窺える一節をここで紹介しておこう。


《今回は申し訳ありませんでした。シャネルズ、ラッツ＆スター、田代まさしのファンの皆様と関係者の皆様にどうお詫びすればよいのかも頭に浮かびません。何より、自分がそのファンであったにも関わらず、その夢を自ら切ってしまう事をしてしまいました。
　そして２人の妹さん、２人の彼の子供達に申し訳なく思います。とてもよくして頂いていたのに本当に情けないです。謝っても謝りきれないです。》

《○○さん、□□さん（注：田代さんの妹）にお詫びは届かないと思っていました。許して頂けなくても私の犯した事に、彼女らを傷つけてしまったことに頭を下げ続けていきたいです。
　また関係者の方々、ファンの方々にも。彼の友人、仲間、すべての方々にもです。命にかえても謝り続けていきたいです。》


　彼女にとっても今回の事件はつらい試練だったろう。これまでの人間関係や社会的信用を一気に失ってしまったわけだ。
《続く》

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