本人からのコメント到着! 梶浦由記3枚組アルバム『The Works for Soundtrack』発売
梶浦由記のニューアルバム『The Works for Soundtrack』が本日2010年12月8日に発売された。
アニメ界のカリスマ・クリエイター、梶浦由記の初期サウンドトラック&NHK番組のサウンドトラックを収録した3枚組アルバムがリリース。
現在では入手困難な音源や、初CD化楽曲を含む初期作品ベスト。および、近年のNHKの番組で手掛けたサウンドトラックの数々が初CD化となる。ファンタジックな世界を描いたアニメ音楽で梶浦由記を知ったファンに、現在の梶浦ワールドに繋がる息吹や、アニメ以外の世界を描いたメロディアスで繊細な、もうひとつの面を知ることができる作品集だ。
3枚組CDは梶浦由記の選曲による全75曲収録。その内、初CD化楽曲は53曲となる。また、CDには梶浦由記本人によるセルフライナーノーツが歌詞カードに記載されている。
今回のアルバム発売に際し、梶浦由記本人からのコメントが到着したので、以下にお届けしよう。
<梶浦由記 コメント>
『The Works for Soundtrack』という名称で、三枚組のCDをリリースさせて頂ける運びとなりました。
「ベスト盤ですか?」というお問い合わせやメッセージを幾つか頂いておりますが、ベスト盤というのとはちょっと違います。
簡単に言ってしまえば、「今までCDとしてリリースされていなかった梶浦由記のサウンドトラック」+「現在は単独のCDとしては入手しづらくなっているサウンドトラック」から選曲したもの。
なので、作品としては、主にですが「noir以前」と、時代がかなり飛んで、最近のNHKさんでさせて頂いたお仕事中心、という事になりますでしょうか。
本当に正直に言ってしまえば、「昔の曲」を聞いて頂くのは恥ずかしい部分もございます。
でも、どの作品も、何より映像に寄り添う「サウンドトラック」という音楽を作る楽しさと喜びを教えてくれた、そして一作一作、語り尽くせない程多くの事を学ばせて頂いた。そんな作品ばかりです。
そんな、「今の梶浦が出来るまで」な部分も含まれている作品集でもあります。
それまで「歌モノ」にしか興味も制作意欲も持っていなかった梶浦が生まれて初めて作った「インストゥルメンタル」なんていう曲も数曲収録されております。
当時の私にとって「インストゥルメンタル」とはこういうイメージだったんだなあと。
サウンドトラック作成というお仕事への欲も、将来の自分への予感さえもまだ持っていなかった頃。
改めて、初期作品から選曲していると、色々な方に色々な事を教えて頂き、そして作品との出会いも頂いたなあと。
お一人お一人に感謝したい気持ちで一杯になります。
いやいや、まだまだ学ばねばならない事も多い私ですが、そのご恩に報いる為にも、これからも精進せねばという気持ちになります。
そんな初期作品ばかりではなく、後半二枚に主に収録されているのは、比較的最近の、かつ今までCDとしては皆様に聞いて頂く機会の無かった、『経済羅針盤』のテーマ曲ですとか、そして2010年夏放映になったドラマ『15歳の志願兵』、数年前手がけさせて頂いたNHKスペシャル『世界里山紀行』など、この辺りはほぼ全曲の収録です。
作品を愛して頂けた方にも、聞いて頂く機会があれば嬉しゅうございます。
全75曲というボリュームではありますが、映画やドラマの曲にはかなり短いものもあり、全体を通しては比較的静かにまったり聞いて頂ける作品集であるような気が致します。
そんな『The Works for Soundtrack』聞いて頂けましたら、光栄です。
<CD情報>
梶浦由記『The Works for Soundtrack』
2010年12月8日発売
発売元:アリオラジャパン
販売元:ソニー・ミュージックディストリビューション
BVCL-149~151
¥3,600(税込)
【収録曲】
●DISC-1
『Afternoon Tea ~インテリア・ミュージック・スタイル』より
01. Camomile Tea
『東京兄妹』より
02. 暮れゆく日々
03. you are my home~Ag. ver.
04. you are my home
05. first love~piano ver.
06. 夕凪の街
07. first love
『新きまぐれオレンジ☆ロード そして、あの夏の始まり』より
08. OPENING THEME(KYOSUKE No.1)
09. Love I
10. 何処にいるの…
11. 途方に暮れて
12. 窓辺から(KYOSUKE No.1)
『EAT-MAN』より
13. Lavion
14. Theme
15. Do You Believe In Dreams ?
16. Cold Fire
17. Light Of The Night
18. Digital Flower
19. Songs With No Words~original ver.
『月』より
20. 月~Main Theme
21. 恋する時間
22. 月~Main Theme Ag ver.
23. 月は優しく
●DISC-2
『ブギーポップは笑わない~Boogiepop and Others』より
01. daphne
02. sad bird
03. nepenthe #1
04. egotism
05. forget-me-not
06. criss-cross
07. boogie-pop
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』より
08. Saya
09. My dear dad
10. Ruria
「Rainbow」より
11. Rainbow ~Main Theme~
12. Lost Home
『経済羅針盤』より
13. voyagers
『15歳の志願兵』より
14. 15歳の志願兵main theme #2
15. 15歳の志願兵main theme #1
16. 青春のひととき
17. 時代の論調
18. ささやかな夢
19. 正義を語る
20. 戦場にて
21. 見えない未来へ
22. 親と子の苦悩
23. 無念
24. 総決起という決断
25. 青春の終わり
26. 言葉に出来ない心
27. 家族の情愛
28. 友との別れ
29. tears fall in my heart
●DISC-3
『世界里山紀行』より
01. satoyama main theme short ver.
02. let the children play
03. all beings
04. bamboo forest #2
05. a tiny stream
06. voice of the forest
07. where every life is beautiful
08. quiet life
09. the mercy of nature
10. satoyama main theme piano ver.
11. earth song
12. by the fireplace
13. a small light
14. silent place
15. fairyland
16. winter goes by
17. bamboo forest
18. bamboo forest
19. he land of water #2
20. living in satoyama
21. fairyland #2
22. the land of water
23. satoyama main theme
<梶浦由記 ライナーノーツ抜粋>
◆アルバム『Afternoon Tea インテリア・ミュージック・スタイル』より
See-Sawというバンドでデビューして暫くして、インストゥルメンタル曲を作ってみないか、というお誘いを受け、生まれて初めて「歌の無い」曲を何曲か録音しました。そのうちの一曲で、Afternoon Teaショップで発売するコンピレーションCDに収録して頂きました。「ウタモノ」一辺倒な作曲活動をしていた当時、インストゥルメンタルの面白さを教えて貰った貴重な機会であったと思っています。今も大変お世話になっているフルート奏者、赤木りえさんとの出会いの曲でもありました。
◆TVアニメ『EAT-MAN』より
TVシリーズ初代のEAT-MAN、その後様々なお仕事でお声をかけて頂いた真下耕一監督との初のお仕事でありました。まずテーマ曲を作ってみようと言う話になり、三曲ほど作って持って行きました。出来ればこれに決まればいいなあ……と思っていた、いささか自分の趣味に走った曲を、監督が迷わず「これだよ」とおっしゃって下さり、他の曲作りにおいても今の自分の原点になると思える部分を、トライ&エラーしつつ試させて頂けた、貴重な作品でした。「Songs With No Words」はサウンドトラックCDに収録されているものとは違うMixですが、実はこちらがTV-ver.のオリジナルでした。
◆NHK『経済羅針盤』より「voyagers original ver.」:初CD化
日曜日の朝の番組で「未来への可能性を感じる事が出来るような爽やかな曲」というご注文で作りました。発注して頂いたよりも随分長めの曲になってしまいましたが、番組の方も「経済」への造形が深くない私のような人間にもとても面白く、人に焦点を当てた興味の持てる内容で、とても面白く拝見していました。
◆NHKスペシャル・終戦特集ドラマ『15歳の志願兵』より:初CD化
まだ記憶に新しい、このCDの中で一番最近のサウンドトラックです。実際の「戦争」を扱った作品のサウンドトラックはこれが初めてで、どんな音を作ればこの作品が伝えたい事をそのまま音としてバックアップ出来るのだろうと、試行錯誤を重ねました。甘すぎてもだめ、悲しすぎてもだめ、でも登場人物達の心、彼等を悼む心が伝わる音にはしたいなと。ドラマとしても本当に素晴らしい作品でした。
<梶浦由記関連近況スケジュール>
◆Kalafina
2010年12月10日、11日
LIVE“輝く空の静寂には”渋谷CCレモンホール
2010年12月17日
Kalafina LIVE 2010“Red Moon”in Taipei
会場:Legacy Taipei 傳 音樂展演空間
2010年12月26日
横浜BLITZ
FictionJunction CLUBファンクラブイベント第3弾開催!!
FJC会員が選ぶ“もう一度聴きたいBEST 20”
~まだまだ3rd Anniversary、LIVE&トークSpecial~
『Kalafina LIVE Spring TOUR 2011(仮)』
2011年3月27日 大阪・NHK大阪ホール
2011年4月8日 名古屋・名古屋市芸術創造センター
2011年4月15日 東京・NHKホール
◆FictionJunction
2011年1月27日
TBSアニメ『おおかみかくし』OPテーマ
「時の向こう 幻の空」リリース(フライングドッグ)
◆梶浦由記
2011年1月放送開始 MBS、TBS、CBC系
アニメ『まどか★マドカ』の音楽を担当。
梶浦由記公式サイト:
http://www.fictionjunction.com/