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【芸能・社会】

緊急会見 海老蔵 潔白主張

2010年12月8日 紙面から

 飲酒トラブルで大けがを負った歌舞伎俳優の市川海老蔵は7日、都内の病院から退院、午後8時から会見した。歌舞伎関係者らに謝罪した上で、「暴行は一切していない」「灰皿でテキーラを飲ませたことはない」「初対面の相手を介抱していたらいきなり殴られた」などと、自らの行動を説明。紛失したとされていたケータイ電話は警察の元にあることも弁護士が明かした。が、終始神妙な表情の海老蔵の左目の端は真っ赤に充血。全治6週間とされていたが全治2カ月と判明、しびれは「とれないかもしれない」。松竹は、無期限の謹慎処分を下した。

◆事件から12日

 大けがから12日。顔面整復手術を受けた海老蔵の左目は少し腫れ、充血していたが、端正なマスクには目立つほどの外傷は見られない。海老蔵は神妙な面持ちで約1時間半にわたって、今話せることを精いっぱい話した。

 最初の歌舞伎関係者への謝罪では、「日ごろの自分自身のおごりが招いたことだと思います」と声を震わせ、目を潤ませた。まず10秒、そして30秒近く頭を下げた。

 海老蔵によると、事件に遭う前日の24日は腰痛のため仕事をキャンセルしたが、腰の治療の結果回復、世話になっている知人が上京していることが判明したため、会う約束をしてしまった。午後11時15分ごろ外出。同30分に6人と合流した。

 その後、現場となったビルへ移動。元暴走族のリーダーと合流して飲酒、介抱した直後に暴行被害にあった。海老蔵は警察の事情聴取に「酒に酔った人を介抱していたら、外国人風の男に一方的に殴られた」と供述。一方で、逮捕状が出ている26歳の男サイドはマスコミなどを通じ、海老蔵が酔いつぶれた元暴走族のリーダー(29)の髪の毛をつかんだりするなど、事件の原因を作ったのは海老蔵だとの主張を展開している。

 これについて、海老蔵は酩酊(めいてい)状態だったことを認めながらも「そのような記憶はございません」ときっぱり。暴行を受けた相手についても「もともと知り合いの方ではございません。どなたも面識はございません」と言い切った。

 当時を振り返って「暴行を受けているとき、逃げている最中に死ぬかと思いました」と声を震わせた。

 元暴走族のリーダーを介抱したときの状況について「お酒に酔っている様子で、すぐに倒れてしまったので、起こすように介抱させていただきました」とよどみなく答えた。一方で、灰皿に入れたテキーラを飲むよう強要したとされる疑惑について「そのような記憶はございません」。

 一方、元暴走族のリーダーも、唇の裂傷で全治4週間のけがという診断書が出ているとの情報について、「(暴行への)抵抗を含め、相手の顔に自分の手が当たったのでは?」という問いかけに「そのような記憶はございません。殴られたとき、かなり大きな痛みだったので、僕が手を出すだけの余裕はなかった」と否定した。

 また、現場に置き忘れた携帯電話は現在警察が保管していることも明かした。会見の最後に、深澤直之弁護士は「彼は被害者であります。逮捕状が出ている人は加害者。それが基本です。明らかに違うところは、被害者と加害者。よく認識してほしい」と取材陣にくぎを刺した。細部について「記憶がない」「捜査中」と明かさなかった海老蔵。合わせて15回、深々と頭を下げたが、まだまだナゾが残る。

◆正月公演中止

 市川海老蔵が無期限謹慎することになり、出演予定だった正月公演「初春花形歌舞伎」(1月3−25日、東京・ル テアトル銀座)は中止、2月に予定していた名古屋・御園座での歌舞伎公演は降板することが7日、発表された。興行主の松竹が、歌舞伎界全体に多大な影響を及ぼした点を考慮、松竹の迫本淳一社長は「自覚と猛省をうながすため」と説明した。

 病気や不慮の事故などやむを得ない事情で俳優が降板することはあるが、俳優自身の不祥事で公演が中止されるのは異例の事態。しかも無期限の謹慎という処分は名門御曹司としては前代未聞。海老蔵は、歌舞伎400年の歴史に汚点を残すことになる。

 海老蔵が先月25日未明に事件に遭遇、入院したことで、まず京都・南座での「吉例顔見世興行」の降板が決定。同30日の初日から片岡仁左衛門と片岡愛之助が代役を務めている。特に、仁左衛門は2007年7月に海老蔵が自分の不注意からケガで降板した際に次ぐ代役。この時は、近松門左衛門作「女殺油地獄」を、当たり役にした仁左衛門から直々に教えを受けての初役をふいにして、監修の仁左衛門が“復帰”、尻ぬぐいした。

 そして今回の中止。正月公演は、海老蔵が30歳になった07年に新橋演舞場で初めて公演全体に責任を持つ座頭(ざがしら)を務めて以来、4年連続での座頭公演の予定だった。昼に「高時」「口上」「蛇柳」、夜「七つ面」「二人袴」「勧進帳」と六つの演目のうち市川家が定めた歌舞伎十八番の5演目に出演するはずだった。

 近年、歌舞伎十八番ものへの強いこだわりを見せていた海老蔵。「蛇柳」は64年ぶりに復活させるもので、「七つ面」も自身が2年前に市川宗家としては73年ぶりに上演した演目。歌舞伎界を背負う市川家の意気込みを示す公演になるはずだった。

 また、御園座へも年に一度出演するかどうかという機会で、地元ファンの期待を裏切ったことになる。2月公演では父団十郎が弁慶を務める「勧進帳」で富樫を、さらに昨年8月に新作上演した「石川五右衛門」を名古屋では初めて上演する予定で期待が高まっていた。

 しかし、事件後にさまざまに報じられた海老蔵の酒場での行儀の悪さで歌舞伎界全体のイメージダウンを招いた。加えて、暴行事件では海老蔵も手を出した疑いが浮上するなど、当代一の人気俳優として道義的責任をとらざるを得ない状況に陥った。松竹では、ル テアトル銀座の正月公演について代替公演を検討中という。

 

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