中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

いじめ受けた中1へ励まし 本紙に反響60件

2010年12月7日 朝刊

 名古屋市内の中学1年女子が同級生から「はやく死んで」などとノートの切れ端に書かれたり、暴行されながらも家族の支えで登校し続けていることを伝えた6日付朝刊社会面の「陰湿いじめ『負けない』」の記事に対し、反響の電話やメール、ファクスが本紙に60件届いた。同様のいじめ被害の訴えや、少女への励ましが相次いだ。

 「いじめ側がクラスの半数を超えた時、娘は『死にたい』と思ったそうです」と話すのは三重県の元教員男性(52)。中学生の娘がクラスで無視されるなどのいじめを受け、不登校に。「私が長年勤めてきた『学校』とは一体何なのかと考えた」と打ち明ける。

 小学5年の娘がいじめを受けた愛知県の母親は「教師の事なかれ主義はうちの学校も同じ。いじめる側を強く指導しない学校に不信感でいっぱい」と憤る。中学生の息子が集団で殴られたという同県の父親は「教師に『事を荒立てると、子どもが友達をなくしますよ』と冷たく言われた」と体験を語った。

 いじめに負けず登校を続ける少女には、応援の声が集まった。岐阜県の女性は「記事を読んで涙が止まらなかった。あなたは一人じゃない」と呼びかける。いじめを受けた体験のある20代男性は「苦しい時は今だけ。将来は楽しいことが待っている。絶対、大丈夫」と励ました。

 少女は6日もいつも通り登校。母親は反響に「勇気になります。ありがたい」と感謝した。

   ◇  ◇

 名古屋市教委には6日、市民から「ショックを受けた」「今後、どう対応するのか」などの電話が十数件あった。

 少女の両親が学校に不信感を抱いていることに「教師が寄り添って対応したつもりだが、家庭に伝えきれなかった」と反省。「生徒が穏やかな生活を送れるように複数の教師で態勢を組んで見守りたい」と説明した。

 また、河村たかし市長は「学校と家庭以外の第三者として、子どもの声に耳を傾ける人を相談員のような立場で活用する方策が考えられないか」と話し、市教委に検討を指示したことを明かした。

 少女が通う中学校の教頭は「指導中の案件には答えられない」と話しながら、「全生徒に『人が嫌がることをしないように』と今まで通り呼びかける」と強調した。

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ