広島少年院(東広島市)の収容少年に暴行したとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元同少年院首席専門官、向井義(ただし)被告(49)=1審で有罪、広島高裁に控訴=の公判を巡り、広島地検が取り調べメモを廃棄したなどとされる問題で、広島高検は24日、一連の行為は「問題がない」とする調査結果を発表した。
弁護側が最高検に調査を申し入れていた。内容は、▽「取り調べ時に脅迫があった」と抗議したにもかかわらず、地検は担当の副検事に調査せず否定した▽弁護側がメモを廃棄しないよう求めたのに地検が廃棄した--の2点。
高検は「検察官は取り調べの状況を上司に報告しており、直接聴取の必要はない」「メモは取り調べ状況についての争いを公正に判断する材料ではなく、廃棄は問題がない」などと弁護側に回答した。
弁護側は「地検の不適切な証拠隠滅行為を最高検が容認するもので、極めて不適切な回答。さらに調査を求めていきたい」とコメントした。【中里顕】
毎日新聞 2010年11月25日 地方版