県内でも2008年に佐久地域で光化学スモッグ注意報が初めて発令されるなど、原因物質の光化学オキシダントの濃度が全国的に上昇傾向にあることを受け、県は来年度から「大気常時監視システム」の測定機器を増設、態勢を強化する。光化学オキシダントのほか、呼吸器の健康被害を引き起こす微小粒子状物質の測定態勢も整える。6日の県会環境委員会で明らかにした。
車の排ガスや工場のばい煙に含まれる微小粒子状物質をめぐっては09年、年平均15マイクログラム以下で、1日平均35マイクログラム以下(1マイクログラムは100万分の1グラム)とする環境基準が定められた。県は本年度、有識者による検討委員会で測定態勢を検討していた。
検討委がまとめた報告書によると、県の合同庁舎など県内10カ所に常設している光化学オキシダントの測定機器を新たに佐久市、須坂市に設置。松本市には光化学オキシダントの生成に関係する炭化水素と日射量の測定機器を新設する。
県水大気環境課は光化学オキシダントへの対応について、既存の小諸市に佐久市を加えることで、光化学スモッグを発生させやすい関東地方からの大気流入の観測を強化できるとしている。
また、佐久市など4カ所と、「自動車排出ガス測定局」の更埴IC局(千曲市)の計5カ所に設置されていた微小粒子状物質の測定機器の設置箇所は計11に増やす。このほか、光化学オキシダントの測定機器を備えている大気環境測定車に微小粒子状物質の測定機器も搭載する。