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【仙谷由人研究】(5)極秘訪中「頼まれてやった」 (1/4ページ)
■原点と変節
昨年9月、官房長官の仙谷由人の地元、徳島市のホテルで開かれた政権交代の祝勝会。徳島県立城南高校3年生の同級生で、仙谷のすぐ前の席に座っていた医師、桜井えつは胸が熱くなるのを覚えた。
「命をかけて国を支えていく。本当に、命をかけて政治活動をしていきます」
仙谷がこう誓うと、会場からは「よし、命懸けで頑張れ」と熱気あふれる声援が飛んだ。仙谷と民主党への期待が沸騰していた。
それから1年3カ月しかたっていないのに、今や期待は失望と諦(てい)観(かん)に変わり、菅内閣の支持率は坂道を転げ落ちる。仙谷自身も傲岸不遜な発言や失策を連発したとして、不名誉な問責決議を突きつけられた。
どこで道を誤ったのか。
「僕は、何よりも“自由と民主主義”を愛するという自負を持っている」
「人間の完全な自由・人権を闘いとるという性根があり、絶えず反権力の図式で生きてきた」
仙谷は著書で、こう自身の「原点」を記した。ところが、権力の中枢である官房長官の座に就くと百八十度変節してしまった。
中国漁船衝突事件では、詭弁(きべん)を弄して衝突場面を撮影した映像を国民の目から隠し続け、国民の知る権利をないがしろにした。