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【国際】

中国、ノーベル平和賞徹底規制か スー・チーさん取材記事、掲載中止

2010年12月7日 朝刊

 【北京=朝田憲祐】中国の民主活動家劉暁波氏(54)のノーベル平和賞授賞式を十日に控え、十一月に自宅軟禁から解放された、ミャンマーの民主化運動指導者で、同じ平和賞受賞者のアウン・サン・スー・チーさん(65)を独自取材した中国紙に対し、中国当局が記事掲載を中止させていたことが関係者の話で分かった。

 当局は、民主化機運の高まりを警戒し、国内の劉氏関係者や民主活動家の出国阻止や行動監視を強めているが、関連報道も徹底的に規制する姿勢だ。

 差し止めを受けたのは中国紙・南方週末。記事は計六章、七千字にわたる長文で、一九九一年に平和賞を受けたスー・チーさんが七年半ぶりの解放後に行った演説など現場ルポを交えながら、彼女の歩みを詳述。九日に掲載予定だった。

 記事では、スー・チーさんを「美しく、強靱(きょうじん)で、知恵があり、落ち着いている」「ミャンマー人のシンボルになっている」と評価。支持者が同紙記者に「あなたもスー・チーを信じるかい」と熱く語りかけてきたエピソードも盛り込まれていた。

 しかし、当局から「許可のない取材、記事掲載は認められない」と圧力をかけられ、発行を継続させるため掲載を断念したという。

 南方週末は、広州市に本社を置く毎週木曜発行の週刊紙。独自報道に定評があり、昨秋のオバマ米大統領の初訪中時に単独インタビューに成功し、大統領から「報道の自由は、見識の高い市民を育む」と当局の報道規制を批判する寄稿を受けた。しかし、インタビューに立ち会った当局により掲載を禁止され、編集長はその後、降格処分を受けた。

 

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