民主ドタバタ!子ども手当 票欲しさ“朝令暮改”の醜態

2010.12.07

 政府・民主党は、2011年度予算で子ども手当(現行は月1万3000円)を3歳未満に限って7000円上積みするとしていた2日の合意を断念し、上積み額を圧縮する検討に入った。ところが、玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)は7日午前の記者会見で、「上積みする」と断言。一体、どうしようとしているのか。

 3歳未満の子ども手当上積みは、11年以降に所得税、住民税の各扶養控除廃止によって、13年度には3歳未満の子がいる世帯が1人あたり1000円〜6000円の負担増になることから関係5閣僚会合で合意に達していた。

 この財源として、政府は年収1230万円超の配偶者控除、同568万円超の成年扶養控除(23〜69歳)の廃止を軸に検討。しかし党税制改正プロジェクトチームでは、安易な税控除見直しは「(来春の)統一地方選などでの批判が容易に想定される」(古本伸一郎事務局長)として慎重論が大勢を占めるようになった。

 「今秋の大型地方選で民主党関連候補が連敗したことで、都市部の中・高所得者層に配慮しなければ来春の統一選を戦えないとの声が高まった」(民主党幹部)という。

 しかし、これに反発したのが玄葉氏。7日、政策調査会の幹部会を国会内で開き、7000円の上積みを目指すことを確認。玄葉氏は「理念が曲がったといわれるのが一番よくない」と述べた。

 民間調査会社の試算では、年収500万円、妻は専業主婦で15歳以下の子2人の会社員(40歳)家庭の場合、11年1月からの所得税の年少扶養控除廃止で年約4万2000円、12年4月からの住民税の年少控除廃止で同約6万6000円の増税になる。子どもが多いほど増税幅は増える計算だ。

 民主党は15歳以下の子ども1人あたりに2万6000円を支給し「控除から手当へ」とうたい、政権交代を実現したはずだが、控除を縮小しながら手当は増やさない「増税詐欺」の色合いが濃くなっている。

 菅直人首相は6日夕の会見で「子ども手当の問題をどのようにするのか。最終的には私の責任で決めさせていただきます」と公言したが、詐欺政権のそしりを跳ね返す政治決断ができるのだろうか。

 

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