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[22069] 【リトバス×遊戯王】リトルバスターズ!アフターサマー
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/12/07 23:16
どうもこんにちは、グルナードと申します。
最近久々にリトバスをやっていたら、頭の中にネタがこれでもかと出てきたので。

注意点
・時間軸はRefrainの後で現実世界。一応ネタバレ注意?
・クドわふたー関係は未プレイなので入れない予定。
・日付と曜日は本編にあわせて2007年のものを適用。
・遊戯王はカードしか出てきません。ただギャグのネタにはする予定です。
・キャラ崩壊注意報。研究はしてるつもりではいますが…。

デュエル関係補足
・禁止・制限カードは2010年9月のものを適用。
・ライフは初期4000ポイント。

他、デュエル関係でミス等あれば指摘してくださるとありがたいです。

12/7
第11話追加
デュエルパートが想像以上に長くなりすぎたため分割。
後半は細かい部分の修正ができ次第投稿するつもりです。

11/14
第10話追加。
最近忙しくて投稿が大幅に遅れてしまいました。

10/3
第9話追加。
当初の予定だとビーチバレーだったのですが、話の辻褄が合わなくなるため変更。

9/30
第8話追加。
今回はデュエルターミナルです。
勝手なイメージですが、美魚は絶対こういうの得意だと思いますね。

9/29
指摘があった4話、5話のデュエル内容を修正。
師範は回収しなくても手札が足りたのと、牡蠣トークンはどの道ネオダイダロスで消えていたのでそれほど影響はありませんでしたが。

9/26
第7話追加。
今回はデュエル無しで本編関連のネタをいくつか。

9/24
各キャラにデッキ名追加。現在7話製作中。

9/23
第4~6話追加
鈴は「猫」のイメージで選択。レスキューキャットの禁止化で猫シンクロが構築不可なのでこのような形に。デッキ名「ジュエル・ニャット」
クドは「日本好き」のイメージで選択。じゃぱにーず・さむらい・ぱわーなのです!デッキ名「六人の侍」
恭介は「初代社長」のイメージ。声ネタです。デッキ名「百獣の王」
美魚は「青」のイメージで。美魚ルートのクライマックスシーンが海辺だったのでそれもイメージしてます。デッキ名「夢幻の青」
謙吾のイメージは「堅実」。武士デッキは先にクドでやってしまったので。実を言うとトラスト・ガーディアンの兼ね合いもあってなのですが。デッキ名「トラスト・ハート」
真人のイメージはもちろん「筋肉」。今回はある意味本編最強の筋肉に登場願いました。デッキ名「筋肉神降臨」

9/22
第2話、第3話追加。
理樹のデッキは「主人公」のイメージで遊星風ローレベルシンクロ。デッキ名「リトル・バスターズ」
小毬のデッキは「絵本」のイメージ。デッキ名「なちゅらる・ふぁんたじぃ」
来ヶ谷は「外道黒」、葉留佳は「トリッキー」のイメージで。とりあえず葉留佳には無意味に叫ばせたかった。
デッキ名は「黒き絶望」と「はるちんスペシャルデッキ」
2話誤字修正。指摘ありがとうございます。

9/21
早速第1話投稿。
予め用意しておいた筈のテキストが途中で途切れてしまっていて遅くなってしまいました…。



[22069] 第1話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/22 20:45
「よう、皆揃ってるな」
「きょ、恭介!」

9月8日
あの修学旅行の事故から何ヶ月か経った。
クラスの皆も少しずつ戻ってくる中、僕達の―リトルバスターズの、最後の1人が帰ってきた。
そして彼は、教室の中の僕らにこう告げた。

「俺たちだけで、もう一度修学旅行だ!」


リトルバスターズ!アフターサマー


土曜日の放課後、僕達は恭介の運転するワゴンに乗り、学校から1時間半ほどの海辺に来ていた。
恭介が言うには、この辺りにある知り合いの宿を格安で借りられたという。
今年の夏は足早に去っていった。
さすがに海に入るには少し寒いかもしれない。
それでも、恭介は何か考えているんだろう。

「うわ~、おっきい建物~」
「むむむー、なんというかお城みたいですなァ」
「わふー、じゃぱにーず・きゃっするなのですかー?」

僕達のたどり着いたのは、このあたりではそこそこ名の知れた名門旅館だった。
正直、このでかさは想定外だ。
本当に知り合いだから、という理由で格安で借りられたのだろうか?
…本当にそうらしい。恭介がその旅館の人と思しき男性と親しげに話している。

「とりあえず真人少年、それも頼むぞ」
「うおぉぉぉー!!なんでオレばっかこんな役回りなんだよぉー!!」

真人が来ヶ谷さんに大量の荷物を持たされていた。

「仕方ないだろう。俺は退院したてだし、完治したとはいえまだ今の謙吾の足で4階までそれだけの荷物を運ばせるのは酷だろう?」
「こ、こういう時のための筋肉だよ、真人。頼りにしてるよ」

とっさにフォローに入る。

「へ、ありがとよ。よっしゃぁ!どんどん持って来い!」
「うむうむ、素直な子は好きだよ、おねーさんは」

ドカドカドカッ
真人の背中にさらに荷物が乗せられる。
さすがにバランスを崩したのか真人が前のめりになって倒れ、崩れてきた荷物の下敷きになる。

「うおぉぉぉっ!乗せすぎじゃー!!」
「おや、どんどん持って来いといったのは君じゃなかったか?」
「い、井ノ原さん!大丈夫ですかー!?」

ドンマイ、真人。
僕は心の中でそう呟くしかなかった。


恭介が借りたのは隣同士の和室2部屋。
人数の関係上広いほうを女子が使うことになった。
窓を開けると、海が一望できた。

「ほぉ、なかなかいい部屋だな」
「だろぉ?」

格安とは言っていたが、いったいいくらかかってるんだろうか…。
僕達の部屋は6、7畳くらいの和室だ。
といっても、奥に縁側があるので実際はもう少し広い感じだ。
みんなで集まって座ることができる位の広さはあるだろうか。

「さて、と」

荷物をひとしきり運び終え、僕達が着替え終わったところで恭介が携帯を取り出す。(ちなみに謙吾と真人はいつものままだ)
誰かに…おそらく隣の部屋の女子の誰かにメールをしているのだろう。
程なくして、皆男子部屋にやってきた。
女子も皆私服に着替えていた。

「さて、とだ」

皆が揃ったところで、恭介が話を始める。

「…久しぶりだな、こうして皆で集まるのも」
「なんだ?いきなり神妙な顔しやがって」
「まぁ、こういう場だ。明るく行こうじゃないか、恭介」
「あぁ、すまんすまん。おほん!」

わざとらしく咳を一つ。

「さて、今日は一つ新しい遊びを提案しようと思う」
「はぁ、またなんで」

真人が微妙な声を上げる。

「まぁ聞けって。まぁこうやって久しぶりに皆で集まったわけだが、さすがに今の体ですぐに野球はできないだろう」
「まぁ、そうだろうね」
「それに、バトルもしばらくはダメだ」
「何でだよ?」
「考えても見ろよ。俺たちはまだ病み上がりなんだぜ?お前や謙吾くらい鍛えているなら別として、女子にはまだ酷だろう。それに西園は足を折っていたと聞くからな。まだ激しい動きはダメだろう。野球ほどではないとはいえ、バトルでもそれなりに動くからな。それと、俺自身背中の傷がまだ完治していない」

恭介の背中の傷。
横倒しになったバスから漏れ出る燃料を、意識を失いながらも押さえつけていた恭介の姿を思い出す。
あの時恭介がそうしてくれていなかったら、僕達はここにいなかったかもしれないんだ。

「じゃ、今度は何するんだ?恭介?」
「…鈴、たまにはお兄様とか」
「やじゃ」

言い切る前に一蹴された。

「…(21)」
「はぁ?」

西園さんが謎の単語を呟く。

「いくらかわいいからといっても、能美さんに手を出してはダメですよ? もちろん、妹の鈴さんにもです」
「…何が言いたい、西園?」
「いえ、お気になさらず」

なぜ一瞬クドの名前が出たのかは謎だが、とりあえず深く考えないことにしよう。

「とりあえずだ。野球に代わるイベントはもう考えてあるが、それはまた向こうに帰ってからだ。それにもう外に出るには時間も遅いしな。今日は少し、バトルに代わる遊びの準備をしたい」
「それってなんなのさ、恭介?」

その質問に答える前に、恭介は荷物の中の巨大なダンボールを僕達の前に置き、開封した。
中にあったのは大量の…カードだった。

「おろろ、これまた懐かしいものを持ってきましたネ」
「そうか?新しいのも大方取り揃えてあるぞ?」
「あのー、これは一体なんのでしょうか?」

クドは知らないみたいだ。

「クド、これは最近流行ってるカードゲームだよ。って恭介もしかして…」
「その通り!今度は皆でこの『遊戯王5D'sオフィシャルカードゲーム』をやろうと思う!」
「え、えぇー!?」
「そして今回もランキング制だ!題して…デュエルランキングだ!」

続く



[22069] 第2話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/22 20:54
とりあえず、恭介の言われるままにデッキを作ることになった。

「枚数は全部で40枚から60枚、エクストラデッキは上限15枚だ。同じ種類のカードは3枚までだが、ここのリストにあるカードは上限枚数が制限されているから気をつけろよ」

カードの山を漁る前に、恭介から全員に同じカードが配られた。
死者蘇生と聖なるバリア―ミラーフォースの2枚だ。
曰く、「使う使わないは自由だが全員もっていないとフェアじゃない」とのことらしい。
そしてその後は、皆思い思いにデッキを組んでいく。
ただ1人を除いて。

「う~ん、う~ん?」
「どうした、小毬?」

小毬さんは何故か鞄を見ている。

「あー、あったー」

小毬さんが取り出したもの…それは紛れも無く一つのデッキだった。

「おや、珍しいな小毬。どこで手に入れたんだ?」
「うーん、ずいぶん前なんだけど、バトルの時に拾っちゃって。投げた人に返そう、って声をかけたんだけど、なんか別にいいからってくれちゃって」

で、その絵柄がかわいかったからなんとなく持ち歩いていたという。
一体小毬さんはどんなデッキを貰ったのだろうか…。
すると、小毬さんの目の前に1匹の蝿が。

「ほわぁっ!」

バラバラバラッ
小毬さんが驚いて飛び跳ね、カードが飛び散る。
中にはシンクロモンスターらしき白い枠のカードもあった。どうやらエクストラデッキも込みだったらしい。
そのうちの1枚を拾った恭介が…固まっていた。

「…小毬、これ…本当に貰っただけ、なのか?」
「うん、そうだよ~」
「あ、ありえねぇ…こんな代物を易々と手放す奴がこの世に存在するなんて…」
「うん~?」
「と、とりあえず返すぜ、小毬…」
「どうしたの?恭介?」
「あ、あぁ…理樹、小毬と戦うときは十分気をつけろ…」
「…?」

恭介は何を見たんだろうか?
僕に知る由も無い。

「あたしこのカードもーらいっ!」
「あーっ!三枝てめぇっ!それオレが取ろうと思ってたのに!」
「ふっふっふ、真人君は甘いなァ。何事も弱肉強食なのですヨ」

なぜか「ご隠居の猛毒薬」のカードをめぐって葉留佳さんと真人が戦っていた。
どんなデッキを作るつもりなのだろうか…。

「ま、こんなもんでいいだろう」
「デュエルをするのが楽しみだ。はっはっは」

謙吾と来ヶ谷さんはもう完成しているようだ。
一方、クドと鈴、そして西園さんは…。

「おー、かっこいいのですー」
「うーみゅ…」
「…ぽ」

何かのカテゴリーデッキを作ろうとしているクド、いろいろと迷っている鈴、そして…「神聖魔導王エンディミオン」のカードを見つめ固まっている西園さん、と反応はさまざまだった。
1時間ほどたち、皆のデッキが一通り完成する。
我ながらなかなかのものができたと思う。

「さて、ここで一勝負…と行きたいところだが、そろそろ飯の時間だ。一旦解散して、夜8時にここに集合な。デッキ忘れんなよ?」

食事を終え、再び集まる。
皆が戻ってくるまでの間に、恭介が何かを書いていた。
…どうやら、対戦表のようだ。
その後皆にくじを引かせ、対戦相手が決定する。
僕が引いたのは…1番。
となると、初戦の相手は2番のくじを引いた人になるわけだけど…。

「む、4番か。不吉だな…」 謙吾。
「8番」 鈴。
「7番ですー!」 クド。
「10番…最後、ですか」 西園さん。
「6番なりー!」 葉留佳さん。
「3番か」 真人。
「5番だ」 来ヶ谷さん

と、なると残っているのは小毬さんと恭介だ。
小毬さんがくじの入った箱に手を伸ばす。

2番。

となると、初戦の相手は小毬さんか。
ふと、恭介の言葉を思い出す。

「小毬と戦うときは気をつけろ」

恭介が固まるほどショックを受けたカードって一体なんなんだろう。
いや、今は深く考えないでおこう。

「なら、俺は余った9番か」

そして全員の番号が決定する。

「よし、なら早速1戦目だ。まずは1番と2番だから、理樹と小毬だな」

恭介が手際よく机上にデュエルシートを広げていく。

「ルールはさっき説明したとおりだ。わからないことがあればいつでも俺に聞け」
「よぉーっし、がんばろー」
「行くよ、小毬さん!」
「お、ノリノリだな2人とも。よし、デュエルスタートだ!」

※BGM:勇壮なる戦い

ターン1:理樹
「僕のターン、ドロー!」
手札5枚→6枚
「手札のボルト・ヘッジホッグを墓地に送り、クイック・シンクロンを特殊召喚!」
ATK700 DEF1400 ☆5(チューナー)
手札6枚→4枚
「さらに墓地のボルト・ヘッジホッグの効果を発動し、特殊召喚!」
ATK800 DEF800 ☆2
「レベル2のボルト・ヘッジホッグに、レベル5のクイック・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚、ニトロ・ウォリアー!」
ATK2800 DEF1800 ☆7
「カードを1枚伏せて、ターンエンド」
手札4枚→3枚

ターン2:小毬
「それじゃ、私のターンだよー。ドロぉー!」
手札5枚→6枚
「ナチュル・パンプキンを召喚するよー」
ATK1400 DEF800 ☆4
手札6枚→5枚
「えっとね、ナチュル・パンプキンの効果で、ナチュル・トライアンフを特殊召喚~」
ATK600 DEF1500 ☆2(チューナー)
手札5枚→4枚

「ほぉ、小毬君のデッキはナチュルか」
「確かに、絵本のような絵ではあるなぁ」

来ヶ谷さんと謙吾がなにやら話している。
この2人絶対経験者だよなぁ…。

「よぉーっし!レベル4のパンプキンに、レベル2のトライアンフをチューニングー。シンクロしょーかん!ナチュル・パルキオンー!」
ATK2500 DEF1800 ☆6
「待った!罠発動、奈落の落とし穴!」
「のんのん、理樹君。ナチュル・パルキオンは墓地のカードを2枚除外して、罠の発動を無効にできるのですよー」
「え、えぇっ!?」
「うーん、でも攻撃力が足りないなー。カードを2枚伏せて、ターンエンドかな」
手札4枚→2枚

ターン3:理樹
恭介が言っていたのはこれのことなのか?

「僕のターン、ドロー!」
手札3枚→4枚
「手札からチューナーモンスター、ターボ・シンクロンを召喚!」
ATK100 DEF500 ☆1(チューナー)
手札4枚→3枚
「それじゃー私は、手札からナチュル・コスモスビートを特殊召喚するよー」
小毬 手札2枚→1枚

「ん、なんだ?なんでこまりちゃんは今モンスターを出したんだ?」
「確か、ナチュル・コスモスビートは相手の通常召喚時に手札から特殊召喚できるモンスターだったな」

鈴の疑問に謙吾が即答する。
案外やりこんでいるのかもしれない。

「バトル!ターボ・シンクロンでナチュル・コスモスビートに攻撃!」
「ふぇ?」

「なぁ恭介、なんで理樹はあの弱っちいモンスターでわざわざ攻撃してるんだ?」
「まぁ見ていればわかるさ」

「ターボ・シンクロンのモンスター効果!攻撃対象モンスターを守備表示にして、受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスターを手札から特殊召喚する!チューニング・サポーターを特殊召喚!」
ATK100 DEF300 ☆1
手札3枚→2枚
理樹LP4000→3400

「おぉー、なるほどぉ。守備表示にしてニトロ・ウォリアーでぼがーん!!ってわけですネ」
「ふふ、果たしてそううまくいくかな?」

「ニトロ・ウォリアーでナチュル・パルキオンに攻撃!」
「はわわっ、罠カード、和睦の使者!」
「えぇっ!」

「ありゃ、止められちまった」
「さすがに予想外だな。意外な強敵かも知れないな神北は」

「だったら、レベル1のチューニング・サポーターにレベル1のターボ・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚、フォーミュラ・シンクロン!」
ATK200 DEF1500 ☆2(チューナー)
「チューニング・サポーターとフォーミュラ・シンクロンの効果で2枚ドロー!」
手札2枚→4枚
「さらに手札から魔法カード、死者蘇生発動!ターボ・シンクロンを特殊召喚!」
手札4枚→3枚
「レベル7のニトロ・ウォリアーに、レベル1のターボ・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚、スターダスト・ドラゴン!」
ATK2500 DEF2000 ☆8
「罠カード、奈落の落とし穴を使うよー」
「スターダスト・ドラゴンのモンスター効果!このカードをリリースすることでカードを破壊する効果を無効にして破壊する!」
「ふ、ふえぇっ!?」

「でも、場のカードは減ってしまいましたよ?」
「いや、これは今ある意味とんでもない状況かもしれないぜ、西園」

「僕はこれでターンエンド。このとき、墓地のスターダスト・ドラゴンを特殊召喚!」

ターン4:小毬
「ふぇーん、これじゃ勝てないよぉ。ドロぉー」
手札1枚→2枚
「…あ、手札からナチュル・フライトフライを召喚するよー」
ATK800 DEF1500
「レベル8、スターダスト・ドラゴンにレベル2、フォーミュラ・シンクロンをチューニング!」
「ふ、ふえぇ!?」

「なんだ、理樹のやついきなり何をしているんだ?」
「フォーミュラ・シンクロンを素材としたシンクロ召喚は相手のメインフェイズにも行うことができるからな」
「そ、そーなのか!?」
「あぁ」

すると恭介が携帯を取り出し、音楽を流し始めた。

BGM:Clear Mind

「うぉ!なんかすげー熱い曲だな!」
「ほぉ、Clear Mindとはなかなか粋な選曲ではないか、恭介氏」
「やっぱりあのカードといえばこの曲以外考えられないだろう」

「シンクロ召喚、シューティング・スター・ドラゴン!」
ATK3300 DEF2500 ☆10
「で、でもナチュル・フライトフライの効果で攻撃力が900ダウンするよー」
シューティング・スター・ドラゴン ATK3300→2400
「ナチュル・パルキオンでシューティング・スター・ドラゴンに攻撃ぃー」
「シューティング・スター・ドラゴンの効果を使うよ!このカードをゲームから除外して攻撃を無効!」
「よぉーし、それじゃぁナチュル・フライトフライで理樹君に攻撃ー」
「うっ、まだまだ!」
理樹 LP3400→2600
「私は、これでターンエンド」
「エンドフェイズに、自身の効果で除外したシューティング・スター・ドラゴンを特殊召喚!」
「ほわぁっ!?」

「…どう思うよ、クド公」
「わふー、なんだかよくわからないですけど、とってもすごーいどらごんさんなのですー!」

ターン5:理樹
「僕のターン、ドロー!」
手札3枚→4枚

「ジャンク・シンクロンを召喚!」
ATK1500 DEF500 ☆3(チューナー)
手札4枚→3枚
「ジャンク・シンクロンの効果で、墓地のチューニング・サポーターを特殊召喚!レベル1のチューニング・サポーターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚、アームズ・エイド!」
ATK1800 DEF1200 ☆4
「アームズ・エイドのモンスター効果、自分のモンスター1体に装備することで攻撃力を1000ポイントアップし、さらに戦闘破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
シューティング・スター・ドラゴン ATK2400→3400

ここは一か八かに賭けるしかない!

「シューティング・スター・ドラゴンのモンスター効果、デッキの上から5枚のカードを確認して、その中のチューナーの数だけ攻撃できる!」

「ってことは、えーっと…どうなるの?みおちん」
「2枚出れば直江さんの勝ちです」
「ほぉほぉ」

デッキの上5枚を確認する。
エフェクト・ヴェーラー、リミット・リバース、聖なるバリア―ミラーフォース、ドリル・シンクロン、スターライト・ロード。
…よし!

「チューナーは2枚だから、このターンシューティング・スター・ドラゴンは2回まで攻撃できる!まずはナチュル・フライトフライに攻撃!」
「ひゃぁっ!」
小毬 LP4000→1400
「さらにアームズ・エイドの効果も発動するよ!」
「はうぅぅ」
小毬 LP1400→600
シューティング・スター・ドラゴン ATK3400→4300
「そして2回目の攻撃!ナチュル・パルキオンに攻撃だ!」
小毬 LP600→0
「はうぅぅぅぅ、ま、負けちゃいました~」

「デュエル終了!勝者、理樹!」
恭介が高らかに叫ぶ。


「う~ん、あそこはシンクロ召喚しておいたほうがよかったかなぁ?」
「あれ、まだ何かあったの?」
「うんー。フライトフライで攻撃力下がっちゃったからもういいかな?って思ってたんだけどね」

そう言うと小毬さんは自分のエクストラデッキからカードを1枚取り出して見せてくれた。

ナチュル・ビースト(シークレット)

恭介の言っていたのはこれの事だったのか…。

続く



[22069] 第3話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/23 11:16
BGM:チクタク・ルーチン

「さぁって、時間もまだまだあることだし、もう一勝負するか?」

相変わらず場を仕切っているのは恭介だ。

「次は3番と4番の勝負になるわけだが…大丈夫か?」
「俺は大丈夫なんだが…あの馬鹿にカードゲームなんてできるのか?」

真人が頭から煙を噴出しながらルールブックを見つめていた。

「ぬがぁぁー!!スペルスピードとか特殊召喚とかわけわからねぇぇー!!」
「うっさいわボケェ!もう少し静かにしろ!」

ゲシッ
鈴のハイキックが真人の後頭部に炸裂する。

「はい、ごめんなさい…」
「うーん、実際にもう1試合くらい見たほうがいいんじゃない?さっきのはシューティング・スター・ドラゴンであっさり終わらせちゃったから…」
「そうだな…なら、先に5番6番の試合をやってしまうか。っと…」
「5番は私だ」
「げぇっ!ってことは姉御とっスか!?」

6番は葉留佳さんだった。

「しかしいいのか恭介氏?私のデッキだと一瞬で終わってしまうが」
「何?まぁいいか。とりあえず、先にそっちをやってくれ。真人にルールを理解させる時間がほしいからな」
「ま、まぁ別にいいが…」
「むきーっ!なんで姉御が勝つ前提なんですかっ!このはるちんスペシャルデッキで今日こそ勝って見せるのですよっ!」
「ほぉ、威勢のいいことだな、葉留佳君」
「よし、じゃぁ早速始めるか!デュエルスタート!!」

BGM:勇壮なる戦い

ターン1:葉留佳
「あたしの先攻!ドロー!ずびしゃぁぁぁん!!」
手札5枚→6枚
「モンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンド!」
手札6枚→2枚

ターン2:来ヶ谷
「私のターン、ドロー」
手札5枚→6枚
「速攻魔法、ご隠居の猛毒薬発動!ずびしっ!」

「あれって、真人と取り合ってたカードだよね?」
「ん?あぁ、そうだっけ?」
覚えてなかった!
「あほだな」

「さらに罠カード、チェーン・ブラスト発動!ぼぉーん!それからそれから速攻魔法連鎖爆撃発動!すびっしゃぁぁぁん!!」
「連続バーンカード…なるほど、葉留佳君のデッキはチェーンバーンか」
「合計2500ダメージ!それからチェーン・ブラストはデッキに戻る!」
来ヶ谷 LP4000→1500
「なかなか面白いな…だが、一撃で仕留められなかったことを後悔するがいい」 

BGM:死闘は凛然なりて

「は、はい?」
「手札から永続魔法、黒い旋風を発動!」
手札6枚→5枚
「さらに相手の場にのみモンスターが存在することにより、BF-暁のシロッコをリリース無しで召喚!」
ATK2000 DEF900 ☆5
手札5枚→4枚
「黒い旋風の効果でデッキのBF-そよ風のブリーズを手札に加える。そよ風のブリーズはカードの効果でデッキから手札に加わったとき特殊召喚できる」
ATK1100 DEF300 ☆3(チューナー)
「さらに場に他のBFが存在する時、手札からBF-黒槍のブラストを特殊召喚できる」
ATK1700 DEF800 ☆4
手札4枚→3枚
「同じ条件でBF-疾風のゲイルを特殊召喚」
ATK1300 DEF400 ☆3(チューナー)
手札3枚→2枚
「BF-暁のシロッコのモンスター効果、自分フィールド上のBF一体を選択し、そのモンスター以外の攻撃を封じる代わりに、選択したモンスターにそれ以外のBFの攻撃力を加える。私はBF-黒槍のブラストを選択」
BF-黒槍のブラスト ATK1700→6100
「うえぇっ!?」
「まだだ、まだ終わらんよ…。本当の絶望はここからだ。手札から速攻魔法、スワローズ・ネスト発動」
手札2枚→1枚
「このカードの効果で場の鳥獣族モンスター1体をリリースし、そのレベルと等しいレベルを持つ鳥獣族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。BF-暁のシロッコをリリースし、もう1体のBF-暁のシロッコを召喚。さらに効果を発動しBF-黒槍のブラストに攻撃力を集約」
BF-黒槍のブラスト ATk6100→10500
「さらにもう1枚のスワローズ・ネストを発動、BF-暁のシロッコをリリースし3体目のBF-暁のシロッコを特殊召喚。もう一度効果を発動しBF-黒槍のブラストに攻撃力を集約」
手札1枚→0枚
BF-黒槍のブラスト ATK10500→14900
「ひえぇっ!姉御、ちょっとやりすぎですってば!」
「真の絶望を味わえ。BF-黒槍のブラストで伏せモンスターに攻撃。ブラック・スパイラル!」
「マー!マシュマロンの効果発動!戦闘でリバースしたとき相手に1000ダメージ!」
ATK300 DEF500 ☆3
来ヶ谷 LP1500→500
「ふん、その程度か。止めだ!」
「ひゃぁぁぁぁ!!」
葉留佳 LP4000→0
「しょ、勝者、来ヶ谷!」

BGM:チクタク・ルーチン

「な、一瞬だっただろう?恭介氏」
「あ、あぁ…まさかここまでスムーズに終わるとは思っても見なかったぜ…」
「ひどいっすよ姉御ー!ぶーぶー!!」
「だが、もしあれがミラフォだったらまずかったんじゃないか?」
「ま、その時はその時さ」

すると来ヶ谷さんはデッキの一番上のカードを裏返した。

死者蘇生。

「ひゃぁぅ!完敗っスよ姉御!」
「さて、葉留佳君にはこの後楽しい楽しい罰ゲームだな」
「えぇ!?そんな話聞いてないっスよぉ!」
「ま、ほどほどにしとけよ」
「なぁに、無理はさせんさ」
「えぇぇ!?ちょっと恭介くん!?」
「三枝さん、どんと・まいんどなのですー!」
「お気の毒に」
「ちょーっとぉー!誰か止めてよぉー!!」

「それにしてもすごいね~、ゆいちゃんのデッキ」
「だからゆいちゃんと呼ぶなと…」
「あ、あまりに速すぎてなにがなんだかよくわからなかったのですー」
「BF(ブラックフェザー)…流石ですね」

「で、わかった?真人?」
「ダメだ…あんまりに複雑すぎて状況もルールも何が起こったのかも全く把握できねぇぜ…」
「こいつ馬鹿だ!」
「り、鈴も新種の生物でも見つけたような目で見ないであげて…。真人こういうの苦手なんだから」
「なんだよ、どうせ脳みそ筋肉なオレには複雑なカードゲームのルールなんかこれっぽっちも理解できないから、おとなしく縁側で筋トレでもしてろって言いたげじゃねぇか、あぁ!?」
「うっさいわボケェ!」

ゲシッ!
今度は顔面に鈴の蹴りが入る。

「はい、すいません…」

とりあえず、真人がルールを理解するにはもう少し時間がかかりそうだった。

続く



[22069] 第4話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/29 21:03
BGM:チクタク・ルーチン

「…で、どう真人、わかった?」
「一応流れまではわかったが…その後がさっぱりわかんねぇ。なんだよエクストラデッキって」
「あほだな」

真人にルールを理解させるのは予想以上に至難の業だった。

「…で、どうする謙吾?」
「真人のほうが準備できないのならば仕方あるまい。次の試合を先にやってしまったほうがいいんじゃないか?」
「そうか。お前がいいならそうさせてもらうぜ」
「あぁ」
「と、なると、次は7番8番か」
「ん?8番はあたしだが」
「わふっ!あいては鈴さんなのですかー!?」

7番はクド、8番は鈴だ。
見たところクドは初心者らしい。
鈴もはじめて見た訳ではなさそうだが…。

「恭介」
「ん?なんだ鈴」
「馬鹿2人の試合はいいのか?」
「っても、真人がルールを把握できない以上仕方ないだろう」
「ま、そうだな」
「わふー、ちゃんとできるか心配なのですー」
「安心しろ能美。わからないことがあったらいつでも訊いてくれ」
「はいなのですー」
「よし、準備はできたな?デュエルスタートだ!」

BGM:勇壮なる戦い

ターン1:クド
「どろーなのですっ!」
手札5枚→6枚
「六武衆―ザンジを召喚です!」
ATK1800 DEF1300 ☆4
手札6枚→5枚
「さらに手札から六武衆の師範を特殊召喚なのです!」
ATK2100 DEF800 ☆5
手札5枚→4枚

「ほぉ、能美のデッキは六武衆か」
「いやー、クド公ったら渋いねェ」

「かーどを1枚伏せて、たーんえんど、なのですっ!」
手札4枚→3枚

ターン2:鈴
「うーみゅ、最初から攻撃力2100か…ドロー」
手札5枚→6枚
「宝玉獣 トパーズ・タイガーを召喚」
ATK1600 DEF1000 ☆4
手札6枚→5枚
「宝玉の解放をトパーズ・タイガーに装備。攻撃力800アップだ!」
宝玉獣 トパーズ・タイガー ATK1600→2400
手札5枚→4枚
「バトルだ!トパーズ・タイガーで師範に攻撃!このとき、トパーズ・タイガーの攻撃力が400アップだ!」
宝玉獣 トパーズ・タイガー ATK2400→2800
「わふっ!!」
クド LP4000→3300
宝玉獣 トパーズ・タイガー ATK2800→2400
「カードを1枚伏せてターンエンド」
手札4枚→3枚

ターン3:クド
「わたしのたーん!どろー!なのですっ」
手札3枚→4枚
「永続魔法、六武の門発動、なのです!このかーどは、六武衆が場に出るたびに武士道かうんたーを乗せていくのです!」
手札4枚→3枚

「なんだありゃ?」
「永続魔法だよ、真人。発動したらカードの効果で場を離れるまで一定の効果を持ち続けるんだ」
「へぇー」

BGM:えきぞちっく・といぼっくす

「手札から六武衆の師範を特殊召喚です!それから、真六武衆―キザンも特殊召喚なのです!」
ATK1800 DEF500 ☆4
手札3枚→1枚
六武の門 武士道カウンター 0→4
「場に他の六武衆が2体以上いるので、キザンの攻撃力と守備力が300あっぷするのです!」
真六武衆―キザン ATK1800→2100 DEF500→800
「六武の門の武士道かうんたーを4個取り除いて、でっきから六武衆―イロウを特殊召喚なのです!」
ATK1700 DEF1200 ☆4
六武の門 武士道カウンター 4→2
「場に六武衆が2体以上いるから、大将軍 紫炎を特殊召喚なのです!」
ATK2500 DEF2400 ☆7
手札1枚→0枚

「わー、クーちゃんすごーい!」
「たった1ターンで場を埋め尽くしてしまうとはな」
「どうやら、いらぬ心配だったようだな。相変わらず能美の隠された才能には驚かされるぜ…」

「ばとるなのですっ!紫炎でトパーズ・タイガーに攻撃!なのですっ」
鈴 LP4000→3900
「宝玉の解放の効果で、デッキから宝玉獣 ルビー・カーバンクルを魔法・罠ゾーンに置く。それとトパーズ・タイガーも墓地に送らず魔法・罠ゾーンだ」
「真六武衆―キザンでだいれくとあたっくなのです!」
「罠カード、和睦の使者!」
「うーん、たーんえんどなのですっ!」

「鈴さんは、どうしてトパーズ・タイガーが攻撃されたときに和睦の使者を使わなかったんでしょうか?」
「おそらく、宝玉の解放の効果を使用するためだろう。宝玉獣は魔法・罠ゾーンに宝玉獣が増えれば増えるほど有利になるからな」

その後も西園さんに宝玉獣について解説を続ける謙吾。
なんであそこまで詳しいんだろう。

ターン4:鈴
「このままじゃまずいな…ドロー」
手札3枚→4枚
「ふふふふー、大将軍 紫炎がいる限り、魔法・罠は1ターンに1枚しか使えないのですよー」
「なにっ!」

鈴がしまった、という表情をする。

「魔法・罠でのサポートが途絶えると、宝玉獣にとっては辛いな」
「どゆこと?」
「ドロー加速や除去に関しては、レア・ヴァリューや宝玉の祈りといった魔法・罠に頼りっきりだ。宝玉獣の中にそんな効果を持ったカードは無いからな」
「ふーん」

謙吾が今度は葉留佳さんに解説を始めた。

「手札から宝玉獣 サファイア・ペガサスを召喚だ」
手札4枚→3枚
ATk1800 DEF1200 ☆4

「サファイア・ペガサスの効果で、デッキの宝玉獣 アメジスト・キャットを魔法・罠ゾーンに」
「おーっと!ここでまさかの罠かーど、落とし穴なのですっ!」
「!!」
「サファイア・ペガサスを破壊なのです!」
「そのまま魔法・罠ゾーン行きだ!」

すると、鈴の表情がさっきまでの不安そうな表情から、一気に自信に満ちた表情になった。

BGM:死闘は凛然なりて

「クド、あたしの勝ちだな。魔法カード、宝玉の氾濫!」
手札3枚→2枚

「宝玉の氾濫だと!?」
「まさか能美の使った落とし穴を逆手に取るとはな…上手いぞ、鈴!」
「これって、どうなるの?」
「鈴君の勝ちだ」
「ふぇ、そうなの?」

「宝玉の氾濫の効果で、場のカードを全て破壊。それから、あたしの墓地の宝玉獣を可能な限り特殊召喚する!宝玉獣 ルビー・カーバンクル!」
ATK300 DEF300 ☆3
「宝玉獣 アメジスト・キャット!」
ATK1200 DEF400 ☆3
「宝玉獣 サファイア・ペガサス!宝玉獣 トパーズ・タイガー!」
「わ、わふー!?」
「バトル!トパーズ・タイガーでダイレクトアタック!」
クド LP3300→1700
「サファイア・ペガサスでダイレクトアタック!」
クド LP1700→0
「わふーっ!負けちゃいましたなのですぅ!」
「勝者、鈴!」

BGM:RING RING RING!

「しかし、また宝玉獣とは複雑なデッキを選んだな、鈴。というか、よく使い方わかったな?」
「当たり前だ。あれだけ見せられたら嫌でも覚える」
「はい?」
「よくわからない理由で何回も遊戯王デュエルモンスターズGXのヨハン対カイザー戦のビデオを見せたのを忘れたのかっ!この馬鹿兄貴!」
「ありゃ、そうだっけ」

「で、真人、どう?」
「何でモンスターが魔法・罠ゾーンに…うおぉぉぉ、余計にわけわかんなくなってきやがったー!!」

宝玉獣の特殊な立ち回りを見て混乱していた。

「うっさいわボケェ!いい加減静かにしろ!」

ゲシィッ!!
今度は脳天に踵落としが炸裂。

「ごめんなさい…」

「わふー、じゃぱにーず・さむらい・ぱわーも猫さんたちの前には叶わなかったのですぅー」
「まぁ、氾濫が決まったらほぼ決着のついたようなものだからな」
「そ、そーなのですか!?」
「あぁ。そもそも…」

今度はクドに解説を始める謙吾。
多分暇なんだろうな…。

続く



[22069] 第5話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/29 21:01
BGM:チクタク・ルーチン

「…しかし、あの馬鹿が理解できるデッキってあるのか?」
「さ、さぁ…とりあえず、カードの種類を絞ったほうがいいんだろうけど…これだけは入れたいって譲らないんだ」
「だってよぉ、この筋肉見てみろよ!すばらしいじゃねぇか!」
「おまえ、いっつもそればっかりだな。他に考えてることは無いのか?」
「へっ、俺から筋肉を取ったら何が残るってんだよ」
「見事に何も残らないね…」
「うーむ…恭介、悪いが次の試合も先にやっておいてくれ」
「あ、あぁ…」

半ば呆れたようにも見える恭介。
とりあえず僕と鈴が簡単に実戦形式で教えることになった。

「じゃ、準備は言いか?西園」
「はい、私はいつでも」
「よし、じゃあデュエルスタートだ!」

BGM:勇壮なる戦い

ターン1:美魚
「私のターン、ドローです」
手札5枚→6枚
「手札からアトランティスの戦士を墓地に送り、伝説の都アトランティスを手札に」
「ありゃ、魔力カウンターじゃないのか。エンディミオンのカードを見てたからついそっち組んでるのかと思っちまったぜ」
「フィールド魔法、伝説の都アトランティス発動。手札及び場の水属性モンスターのレベルが1下がり、攻撃力と守備力が200ポイントアップします」
手札6枚→5枚
「手札からギガ・ガガギゴを召喚」
ATK2450→2650 DEF1500→1700 ☆5→4
手札5枚→4枚
「カードを1枚伏せて、ターンエンドです」
手札4枚→3枚

ターン2:恭介
「俺のタァーン!」
手札5枚→6枚
「正義の味方カイバーマンを召喚!」
ATK200 DEF700 ☆3
手札6枚→5枚
「カイバーマンの効果発動!カイバーマンをリリースして、手札から青眼の白龍を特殊召喚!」
ATK3000 DEF2500 ☆8
手札5枚→4枚
「さらに儀式魔法、白龍降臨を発動!」
手札4枚→3枚
「手札の青眼の白龍をリリースし、白竜の聖騎士を儀式召喚!」
ATK1900 DEF1200 ☆4
手札3枚→1枚
「さらに白竜の聖騎士の効果、このカードをリリースすることでデッキから青眼の白龍を特殊召喚!」

「青眼の白龍か…恭介氏もまた珍しいチョイスだな」
「ただ単に、正義の味方を入れたかっただけのような気もするが…」

「さらに魔法カード、死者蘇生を発動!墓地の青眼の白龍を特殊召喚!」
手札1枚→0枚
「なるほど、そういう手がありましたか」
「といっても、白竜の聖騎士の効果でこのターン攻撃できないからな。ターンエンドだ」

ターン3:美魚
「私のターンです。ドロー」
手札3枚→4枚
「魔法カード死者蘇生発動。アトランティスの戦士を特殊召喚」
ATk1900→2100 DEF1200→1400 ☆4→3
手札4枚→3枚
「だがそいつじゃこの青眼の白竜は倒せないぜ?」
「わかっています。手札からチューナーモンスター、氷結界の風水師を召喚」
ATK800→1000 DEF1200→1400 ☆3→2(チューナー)
「レベル4のギガ・ガガギゴとレベル3のアトランティスの戦士に、レベル2の氷結界の風水師をチューニング。シンクロ召喚、氷結界の龍 トリシューラ!」
「うえぇ!マジかよ!?」
ATK2700→2900 DEF2000→2200 ☆9→8
「トリシューラのモンスター効果。相手のフィールド、墓地、手札からそれぞれ1枚ずつまでゲームから除外します。墓地の白竜の聖騎士を除外です。トライデント・ブリザード!」
「ぐおっ!くそ、まさか箱の一番奥に潜ませていたカードを掘り当てるとは…」
「本を探すのに比べれば、この程度朝飯前です。私はカードを1枚伏せてターンエンドです」
手札3枚→2枚

「あれー?なんでブルーアイズを除外しなかったんだろ?」
「ふむ、美魚君にはあの3体のブルーアイズを倒す策があるのかもしれないな」

ターン4:恭介
「ったく、冗談じゃねぇ。ドロー!」
手札0枚→1枚
「バトルだ!青眼の白龍でトリシューラに攻撃!滅びのバーストストリーム!ふははは、すごいぞー!かっこいいぞー!」
「永続罠、竜巻海流壁を発動します。これで私への戦闘ダメージは全て無効になります」
「だがトリシューラは破壊される!」
「問題ありません」
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
手札1枚→0枚

ターン5:美魚
「私のターンですね。ドロー」
手札2枚→3枚
「永続魔法、ウォーターハザードを発動します」
手札3枚→2枚
「ウォーターハザードの効果で、手札のオイスター・マイスターを特殊召喚」
ATK1600→1800 DEF200→400 ☆3→2
手札2枚→1枚
「さらに罠カード、フィッシャーチャージを使います。オイスター・マイスターをリリースして伏せカードを破壊、それからカードを1枚ドローします」
「ちっ、攻撃の無力化が…!」
手札1枚→2枚
「さらにオイスター・マイスターの効果でオイスタートークンを召喚します」
ATK0→200 DEF0→200 ☆1
「オイスタートークン1体をリリースして、海竜-ダイダロスをアドバンス召喚」
ATK2600→2800 DEF1500→1700 ☆7→6
手札2枚→1枚
「それからダイダロスをリリースして、手札から海竜神-ネオダイダロスを特殊召喚」
ATK2900→3100 DEF1600→1800 ☆8→7
手札1枚→0枚
「ネオダイダロスの効果発動。海…この場合伝説の都アトランティスですね、を墓地に送って、このカード以外のフィールドと手札のカードを全て墓地に送ります」
「な、なにぃ!?」
「ネオ・ダイダル・ウェイブ!」
恭介 手札1枚→0枚
海竜神-ネオダイダロス ATK3100→2900 DEF1800→1600 ☆7→8
「伏せカードはスターライト・ロードでしたか。でもネオダイダロスの効果は破壊ではないので、無意味でしたね」
「う、うおぉぉ…」

恭介が声にならない呻き声を上げる。

「バトルです。ネオダイダロスでダイレクトアタック」
「うおぉ!」
恭介 LP4000→1100
「私はターンエンドです」

「い、今何が起こったのですかー!?」
「海竜神-ネオダイダロスは、海のカードをコストに、自分以外のカードを全部墓地へ送っちゃうんだよー」
「そ、それはすごいかーどなのですねー…」

ターン6:恭介
「くそ、このままじゃ…ドロー!」
手札0枚→1枚
「!!」

BGM:神の怒り

「ふふふふ…ふはははは!俺は手札から魔法カード、龍の鏡を発動!」
「!!」
手札1枚→0枚
「墓地に存在する3体の青眼の白龍を除外して融合!現れよ、青眼の究極竜!」
ATK4500 DEF3800 ☆12
「海竜神-ネオダイダロスに攻撃!アルティメット・バースト!!」
「きゃっ!」
美魚 LP4000→2400
「強靭、無敵、最強!粉砕、玉砕、大喝采!!ふははははは!!!」

「なぁ、なんか様子が変じゃねぇか?恭介の奴」
「ま、どうせ漫画の影響だろう。デッキの構成に見覚えがある」
「あほだな」

「ふっ、俺はターンエンドだ」

ターン7:美魚
「…っドロー」
手札0枚→1枚

BGM:死闘は凛然なりて

「墓地のアトランティスの戦士を除外して、水の精霊アクエリアを特殊召喚」
ATk1600 DEF1200 ☆4(守備表示)
手札1枚→0枚
「ターンエンドです」

ここは少しでも時間を稼がないと…。

ターン8:恭介
「俺のターン、ドロー!」
手札0枚→1枚
「アクエリアのモンスター効果発動。相手スタンバイフェイズ時にモンスター1体の表示形式を変更し、そのターンの表示形式の変更を封じます。青眼の究極竜を守備表示に変更します」
「む、俺はターンエンドだ」

ターン9:美魚
「私のターン、ドロー」
手札0枚→1枚
「モンスターを伏せて、ターンエンドです」
手札1枚→0枚

ターン10:恭介
「俺のタァーン!ドロー!」
手札1枚→2枚
「手札からブラッド・ヴォルスを召喚!
ATk1900 DEF1200 ☆4
手札2枚→1枚
「さらに青眼の究極竜を攻撃表示に変更、バトルだ!伏せモンスターに攻撃!アルティメット・バースト!」
「ですが、グリズリーマザーの効果で、もう1体のグリズリーマザーを特殊召喚します」
ATK1400 DEF1000 ☆4
「ならブラッド・ヴォルスでアクエリアに攻撃!」
「きゃっ!」
「これでターンエンドだ」

ターン11:美魚
「私のターン、ドロー」
手札0枚→1枚

…来ました!

「手札から魔法カード、サルベージを発動します。墓地に存在する攻撃力1500以下の水属性モンスターを2体まで手札に加えます。私は墓地のグリズリーマザーと氷結界の風水師を手札に加えます」
美魚 手札1枚→2枚
「チューナーモンスター、氷結界の風水師を召喚します」
手札2枚→1枚

「ここでチューナーを出すとは…まさか!?」
「どうしたの謙吾?」
「俺の予想に狂いが無いなら…この勝負、西園の勝ちだな」

「レベル4のグリズリーマザーにレベル3の氷結界の風水師をチューニング。シンクロ召喚、氷結界の龍 グングニール!」
「うげぇっ!?」
ATK2500 DEF1700 ☆7
「グングニールのモンスター効果を使います。1ターンに1度、手札を2枚まで捨てることでその枚数分だけフィールド上のカードを破壊します。私はこのカードを捨てて、青眼の究極竜を破壊します」
手札1枚→0枚
「な、な、そんな、お、俺のブルーアイズが、ぜ、ぜぜぜ全滅めつめつめつ…」
「グングニールでブラッド・ヴォルスに攻撃。この瞬間、墓地のスキル・サクセサーを発動して攻撃力を800ポイントアップします」
氷結界の龍 グングニール ATK2500→3300

「墓地から発動する罠ですかー!?」
「あれ?みおちんあんなのいつの間に墓地に送ったんだろう?」
「おそらく、美魚君がネオダイダロスの効果を使ったときだな。伏せカードが1枚残っていた」
「ほぅほぅなるほどなるほど」

「エターナル・コフィン!」
「へあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
恭介 LP1100→0
「しょ、勝者、西園!」

恭介に代わり謙吾が宣言する。

BGM:光に寄せて

「馬鹿な、俺のブルーアイズが敗れるなんて…」
「いえ、たまたま私の運がよかっただけです」
「それにしてもトリシューラにグングニールとは、また強烈なチョイスだが…」
「もちろん他のカードも入っていますよ?」

そう言って差し出したカードは…氷結界の龍 ブリューナク。

「…できれば、あまり戦いたくないデッキではあるな」
「それにしても、なんでトリシューラでブルーアイズを除外しなかったんだ?そうしたらあの馬鹿兄貴も変な合体モンスター出さなかったのに」
「だって、そうしたら展開的に面白くないじゃないですか」
「そーいうものなのか?」
「そういうものなのです」

続く



[22069] 第6話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/23 20:36
BGM:密やかなさざめき

「…ほんとに大丈夫?」
「あぁ。なんとか俺のカードの使い方くらいは覚えた」
「不安だなぁ…」

真人がようやく理解…してくれたのだろうか?
妙に自信満々なのが逆に不安だ。
それもこれも、真人が「絶対に入れる!」といって訊かなかったとあるカードのせいである。
あれだけ複雑なカードを理解させるにはもう少し時間がほしいのだが…。
結局妥協して、そのカードの専用のデッキを組ませてその中のカードの使い方だけ把握させたのだ。

「大丈夫だ!俺とこいつとは筋肉で語り合える!」

…もうなるようになれ。

「で、本当に大丈夫なのか?」

謙吾も不安そうだ。
対戦相手がこの調子だとやはりやり辛いのだろう。

「へっ、なめてもらっちゃ困るぜ…なんせ俺とこのカードたちとは筋肉で語り合ってるからな」
「…」
「あほだな」
「わかってねぇな、鈴。鍛え上げた筋肉同士は互いに対話しあうことができるんだぜ?」

謎の筋肉理論が始まる。

「わかったわかった。とりあえず、皆を待たせるのは悪いだろうから始めようぜ」

恭介が半ば強引に事を進める。

「おっしゃぁ、今度こそ決着をつけてやるぜ、謙吾!」
「あ、あぁ…」
「よし、デュエルスタートだ!」

BGM:勇壮なる戦い

ターン1:謙吾
「俺のターン、ドローだ」
手札5枚→6枚
「モンスターをセット、カードを1枚伏せて、フィールド魔法、天空の聖域発動!俺はこれでターンエンドだ」
手札6枚→3枚

ターン2:真人
「俺のターン!ドロォー!」
手札5枚→6枚
「極星獣タングリスニを召喚!」
ATK1200 DEF800 ☆3
手札6枚→5枚

「おや、特に筋肉と関係ないようにも思えるのだが」
「ですねぇ…井ノ原さんは、どんなでっきなのでしょーか?」

「バトルだ!極星獣タングリスニで、伏せモンスターに攻撃!」
伏せモンスターは…コーリング・ノヴァ。
ATK1400 DEF800 ☆4
「コーリング・ノヴァの効果で、天空騎士パーシアスを特殊召喚」
ATk1900 DEF1400 ☆5
「ちっ、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
手札5枚→4枚

ターン3:謙吾
「俺のターン、ドロー!」
手札4枚→5枚
「何のつもりかは知らんが、容赦はしない!トラスト・ガーディアンを召喚!!」
ATK0 DEF800 ☆3(チューナー)
手札5枚→4枚
「レベル5の天空騎士パーシアスに、レベル3のトラスト・ガーディアンをチューニング!シンクロ召喚、神聖騎士パーシアス!」
ATK2600 DEF2100 ☆8

「へぇ、謙吾にしちゃまたファンタジーなカードを使うな」
「なかなか読めないですネ、人って」
「それを君が言うのもどうかと思うが、葉留佳君」

「バトルだ!神聖騎士パーシアスで、極星獣タングリスニに攻撃!」
「おぉっと!ここで罠発動、極星宝ブリージンガ・メン!こいつは自分のモンスター1体の攻撃力を、相手モンスター1体と同じにするカード!俺はおまえのえーっと、なんだ、今攻撃してきたモンスターと、俺のタングリスニを選ぶぜ!」
極星獣タングリスニ ATK1200→2600
「相打ちか…だが、トラスト・ガーディアンを素材としたシンクロモンスターは1ターンに1度だけ、攻撃力を400ポイント下げることで戦闘による破壊を無効にできる!」
神聖騎士パーシアス ATK2600→2200
「おぉっと、まだ終わらねぇぜ。タングリスニが戦闘で破壊され墓地へ送られたとき、俺の場に極星獣トークン2体を召喚するぜ!」
ATK0 DEF0 ☆3
「む…俺はターンエンドだ」

「わふー、なんだか白熱した展開なのですー」
「それにしても2人とも読めないな…」
「ていうか、真人の言っていた筋肉ってなんなんだ?」

ターン4:真人
「俺のターン、ドロー!」
手札4枚→5枚
「悪いけど勝たせてもらうぜ、謙吾。手札から極星獣グルファクシを召喚!」
ATK1600 DEF1000 ☆4(チューナー)
手札5枚→4枚

BGM:Mission Possible~but difficult tusk~

「極星獣グルファクシ…まさか!?」
「どうした、恭介氏?」
「これは、とんでもないものが出るかもしれないぞ…」

「レベル3の極星獣トークン2体と、レベル4の極星獣グルファクシをチューニング!筋肉が呼ぶ、筋肉が語り掛ける、筋肉が唸りをあげる!」

ゴゴゴゴゴ…

「ほわぁっ!じ、地震?」
「な、なんだぁ!?」

ピシャァッ!!

「ふにゃっ!?」
「こ、今度は雷ですよぉ、姉御!」
「そうだな」
「なんで冷静なんですか!姉御ぉ!!」
「な、何が起こってるんだ!?」
「わ、わふーっ!あれを見てくださいなのですっ!」

クドが指差す窓の外。
夜の闇に地響きと雷鳴が響く中、海上の空が割れ巨大な影が…神が姿を現した。

「シンクロ召喚!極神皇トール!!」
ATk3500 DEF2800 ☆10

えぇぇぇぇぇぇぇ!!??
一同、絶叫。

「あわてるなよ…これが筋肉の力だ!さぁトールよ、共に筋肉旋風(センセーション)を巻き起こすぜ!!極神皇トールで、神聖騎士パーシアスに攻撃!サンダー・パイル!!」
「ぐおぉぉあっ!だが、トラスト・ガーディアンの効果で破壊を無効にし、さらに天空の聖域の効果でダメージも無効だ!」
神聖騎士パーシアス ATK2200→1800
「ぐっ、なんだこの衝撃は…まるで実際に攻撃を受けたかのようだ…」

BGM:幻日

「まさか、神の力は物理的ダメージも引き起こすというのか!?」
「えぇ!うそぉっ!?」

だが、神のもたらす影響はそれだけではなかった。

「…んに…い…いいぇー…」
「…クド?」
「わふーっ!筋肉いぇいいぇーい!なのですっ!」
「うわぁっ!どうしちゃったのクド!?」
「まさかこれは…!!」
「そうそのまさかだ!オレの筋肉と共鳴した神の力が、世界に筋肉旋風を巻き起こす!」
「謙吾、このままじゃ危険だ!デュエルを中止しろ!」
「だ、だめだ恭介…。神と対峙しているからこそわかる…。いまデュエルを中断したら、神と共鳴し膨大なまでに膨れ上がった真人の力が行くあてをなくして暴走する…!」
「も、もしそうなったら…どうなっちゃうの!?」
「おそらく、ここにいる全員…いや、もっと広い範囲の人間が、今の能美と同じような状態に陥るだろう」
「う、うそー!?」
「…わかった。絶対に勝て、謙吾!」

「ふっ、オレはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
手札4枚→3枚

BGM:死闘は凛然なりて

ターン5:謙吾
「俺の、ターン!ドロー!」
手札4枚→5枚
…よし!
「神聖騎士パーシアスで、極神皇トールに攻撃!」
「はっ!その攻撃力じゃトールには敵わねぇぜ!」
「手札からオネストの効果を発動!パーシアスの攻撃力をトールの攻撃力分アップ!」
「な、なにぃっ!」
神聖騎士パーシアス ATK1800→5300
「うおっ!」
真人 LP4000→2200

その瞬間、神の姿が消えた。

「やった…のか?」
「で、でもクドが元に戻らない!」
「筋肉いぇいいぇーい!なのです!」

「さらにモンスターをセット、カードを1枚セットしてターンエンドだ」
神聖騎士パーシアス ATK5300→1800
手札5枚→3枚
「ふっ、甘いな。この神なる筋肉…いや、筋肉神は不滅だぜ!極神皇トールの効果を発動!このカードが破壊されたターンのエンドフェイズ時に墓地の極星獣1体をゲームから除外することで、トールは復活する!オレは極星獣タングリスニを除外するぜ!」

今度は眼前の海が割れ、神が姿を現す。

「じ、自己再生能力!?」
「オネストを使っても倒しきれないとなると…まずいぞ、謙吾!」

「この効果で特殊召喚に成功したとき、相手に800ポイントのダメージを与える!」
「なにっ!?ぐあぁぁぁっ!」
「はうぅぅっ!?」
謙吾 LP4000→3200

トールの角から放たれた雷が謙吾を襲い、そして…小毬さんにも当たった。

「謙吾っ!小毬さん!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「うわっ!こまりちゃんまでおかしくなってしまったぞ!?」
「この調子だと、全員こうなるのも時間の問題か」
「えぇー!?私やだよこんなのー!」

ターン6:真人
「オレのターンだ!ドロー!」
手札3枚→4枚
「手札から極星獣グルファクシを召喚!さらに永続罠、神の威光を発動!」
手札4枚→3枚
「バトルだ!極神皇トールで、パーシアスに攻撃!サンダー・パイル!」
「甘い、罠はつ…」
「おぉっと、神の威光が場に存在する限り、オレの神はカードの効果の対象にならない!」
「なんだとっ!?ぐあぁっ!」
神聖騎士パーシアス ATK1800→1400

「ぐおっ!?」

衝撃波が今度は来ヶ谷さんを襲う。

「ぐっ、私が、こんな屈辱的な真似を…筋肉いぇいいぇーい!」
「わわっ、来ヶ谷さんまで!?」
「来ヶ谷でも抵抗しきれないとは…」

「そして極星獣グルファクシでパーシアスに攻撃!」
「罠発動、炸裂装甲!グルファクシを破壊!」
「ちっ、やっぱりか…まぁいいや。オレはターンエンドだ」

ターン7:謙吾
「俺のターン、ドロー!」
手札3枚→4枚

くそ…俺自身もこれ以上ダメージを受け続けるとまずい。
現に…すでにあの神の肉体を直視できない…!!

「手札から速攻魔法、サイクロンを発動!神の威光を破壊!」
手札4枚→3枚
「セットされたモンスター、ジェルエンデュオをリリースし、天空勇士ネオパーシアスをアドバンス召喚!」
ATK2300 DEF2000 ☆7
手札3枚→2枚
「場に天空の聖域が存在し、自分のライフが相手のライフを上回っているとき、その差の数値分ネオパーシアスの攻撃力はアップする!」
天空勇士ネオパーシアス ATK2300→3300 DEF2000→3000
「さらに手札から速攻魔法、エネミーコントローラーを発動!トールの表示形式を変更する!」
手札2枚→1枚
「バトル!ネオパーシアスで、極神皇トールに攻撃!ホーリー・ブレイブ・ブレイド!!」
「ぬわっ!」
真人 LP2200→1700
天空勇士ネオパーシアス ATK3300→3800 DEF3000→3500
「神聖騎士パーシアスでダイレクトアタック!」
「速攻のかかしの効果発動!バトルフェイズを終了する!」
「なにっ!?」
真人 手札3枚→2枚
「くそぉっ!ターンエンドだ」

ターン8:真人
「オレのターン、ドロー!」
手札2枚→3枚
「罠カード、ミョルニルの魔槌を発動!この効果によりこのターン、トールは2回の攻撃ができる!」
「なんだと!?」
「さらにトールの効果発動!相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!対象はネオパーシアスだ!エフェクト・アブゾーバー!!」
天空勇士ネオパーシアス ATK3800→2300 DEF3500→2000
「トールでネオパーシアスに攻撃!サンダー・パイル!」
「うおあっ!」
「続けて神聖騎士ネオパーシアスにも攻撃だ!サンダー・パイル!」
「ぐおあぁぁぁっ!」
神聖騎士ネオパーシアス ATK1400→1000

2連続で放たれた衝撃波が、恭介と葉留佳さんを襲う。

「はうぅっ!筋肉いぇいいぇーい!」
「こ、この俺が、そんな、馬鹿な…筋肉いぇいいぇーい!」
「葉留佳さん!恭介!」
「理樹、逃げるぞ!」
「でも、鈴!謙吾が!」
「仕方ない、お前達だけでも逃げろ!このままじゃ全滅だ!」
「わ、わかった!行こう、鈴!西園さん!」

ガチャガチャガチャッ!

「あれ、扉が開かない!?」
「待てよ3人とも。まだ筋肉旋風は始まったばかりだぜ?」
「ぐっ、どうやらこのデュエルが終わるまで、ここから出ることはできないようだな…」
「え、えぇっ!」
「は、早く何とかしろ、謙吾!あんなの絶対に嫌だからな!」
「ふっ、俺はターンエンドだぜ」

ターン9:謙吾
「俺のターン…ドローッ!!」
手札2枚→3枚

この際800ダメージなど気にしてはいられん…!!

「魔法カード、精神同調波!極神皇トールを破壊!」
「ぬおっ!」
手札3枚→2枚
「バトルだ!神聖騎士パーシアスでダイレクトアタック!」
「ぬっ!」
真人 LP1700→700
「惜しい!」
「くそっ、俺はこれでターンエンドだ」
「この瞬間、墓地の極星獣グルファクシを除外して、トールは蘇る!そして800ポイントのダメージだ!」
「ぐおあぁぁっ!」
謙吾 LP3200→2400

トールから放たれた雷が、西園さんに向かって飛ぶ。

「はうっ!」
「西園さんっ!」
「筋肉…いぇいいぇーい」
「あぁっ、西園さんまで!」

ターン10:真人
「悪いが、俺は筋肉旋風を起こし、筋肉革命を成功させる!ドロー!!」
手札3枚→4枚
「手札から速攻魔法、サイクロンを発動!天空の聖域を破壊!!」
「なにっ!?」
手札4枚→3枚
「これで筋肉革命は完成する!トールで、神聖騎士パーシアスに攻撃!」
「罠発動!バスターランチャー!!」
「何っ!?」
「発動後攻撃力1000以下のモンスター専用の装備カードとなり、戦闘を行う相手モンスターが攻撃表示なら攻撃力、守備表示なら守備力が2500ポイント以上の場合、装備したモンスターの攻撃力は2500ポイントアップする!」
神聖騎士パーシアス ATK1000→3500
「くそっ、相撃ちかっ!」
神聖騎士パーシアス ATK3500→600
「だがエンドフェイズ時、墓地の極星獣グルファクシを除外して、再度トールは蘇る!」
「ぐあぁぁぁっ!」
謙吾 LP2400→1600
雷が鈴に向かって飛ぶ。

「っ!」

鈴っ!
反射的に僕は鈴に覆いかぶさり、トールの雷を背に受けた。

BGM:降り続く雨の街で

「ぐあぁぁっ!」
「り、理樹!」
「り…鈴…だいじょう…ぶ?」
「理樹っ、しっかりしろ、理樹っ!」
「よかった…無事で…」
「いいことあるか!理樹が、理樹が…」
「僕は…もう…ダメだ…鈴…皆を…きん…にく…いぇいいぇーい!」
「理樹ぃぃぃぃぃぃっ!!」

「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」
「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!なのですっ!」

「くそぉっ、真人ぉぉぉぉぉぉっ!!」
「後はお前達2人だけだ…そして俺は、世界を筋肉旋風に包み込む!」

BGM:死闘は凛然なりて

ターン11:謙吾
「真人…これが、ラストターンだ!ドロォォォォォッ!!」
手札2枚→3枚

…!!

「天空聖者メルティウスを召喚!」
ATK1600 DEF1200 ☆4
手札3枚→2枚
「パーシアス…お前のその力、存分に使わせてもらうぞ!魔法発動、シンクロ・ギフト!」
「シンクロ・ギフト…だとぉ!?」
手札2枚→1枚
「シンクロ・ギフトは自分のシンクロモンスター1体の攻撃力を0にし、自分フィールド上の他のモンスターの攻撃力を、選択したシンクロモンスターの元々の攻撃力分アップさせるカード。神聖騎士パーシアスの攻撃力を0に!」
神聖騎士パーシアス ATK600→0
「そしてその元々の攻撃力である2600ポイントを、天空聖者メルティウスに与える!」
天空聖者メルティウス ATK1600→4200
「馬鹿なっ、トールの攻撃力を上回っただとぉ!?」
「これで終わりだ!天空聖者メルティウスで、極神皇トールに攻撃!」

一筋の閃光に貫かれ、轟音と共に神が崩れ落ちる。
その瞬間、大地は唸り、海は揺れ、天は叫びをあげた。

「うおぉぁぁぁぁぁ!!」
真人 LP700→0
「勝者、謙吾!!」

最後は鈴が締めくくった。

BGM:雨のち晴れ~instrumental~

「これは…?」
「わふー、私たちは一体、なにをしていたのでしょうか…?」
「う~ん、なんか気持ち悪い~」
「…頭がくらくらします」
「何故だ…おねーさん今もの凄い屈辱を味わっていたような気分だ…」
「う~、あんまり思い出せないのですヨ~」
「う、うーん…」
「理樹っ!!」

鈴が泣きそうな声で抱きついてきた。

「理樹っ、良かった、理樹っ!」
「鈴…僕なら大丈夫だよ」

「で、この馬鹿はどうすればいい?」

謙吾の指差す先には…放心状態の真人がいた。

「オレのトールが…筋肉の神が…筋肉旋風が…」
「とりあえず、トールは没収だな。しかしまた、なんでこんなことになったんだ?」
「おそらく、極神皇トールの力と井ノ原さんの波長が偶然一致して、このようなことになったのかと思います」
「加えて、デュエルの神であるトールと同調したことにより高度なプレイングも可能になったわけだ…」
「恐ろしい奴だな、全く…ぐっ」
「大丈夫!?謙吾!」
「あ、あぁ。なぁに、この程度、剣道の練習に比べれば…ぬっ」
「無茶するな。少し休んでろ」
「あぁ…すまない」

「トール…オレの…筋肉革命…」
「いい加減うっとぅしいわボケェ!」

スガンッ!
鈴が真人の顎を蹴り上げる。

「はがぁっ!はっ、オレは今まで何を…」
「白々しいんじゃ!ボケェ!!」

ドガッ!ズガァッ!バキィッ!
怒涛の蹴り連打。

「ぐおっ!ぐあっ!ちょ、ちょっとタンマ、うげぇっ!」
「お前のせいで、みんながっ!理樹がっ!うあぁぁぁん!」

鈴はその後しばらく泣きながら真人を蹴り続けていた。

続く



[22069] 第7話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/26 22:55
BGM:チクタク・ルーチン

「…さて、これで一通り戦ったわけだが…どうだ?特にクドなんかは初めてだったみたいだが」

恭介が皆に意見を求める。

「わふ、すっごく楽しかったのです!」
「うむ。たまにはこのようなカードゲームも悪くないな」
「まぁ、真人の暴走さえなければ完璧だったんだがな」

受けは割とよかったらしい。

「で、これからどうするの?恭介?」
「あぁ。それなんだが…わりぃ、何も考えてねぇ」
「えー」
「そういえばさ、お風呂まだじゃない?」
「あー、いけねぇ忘れてた。そういやここ露天風呂だったな」

露天…!!

皆の視線が一瞬で恭介に向く。

「それも海を眺める天然温泉だ。加えて今日は珍しく客も少ないからな。もしかしたらもしかするかもしれんぞ?」

その言葉を聞くや否や、女子陣が一斉に動き出した。

「僕たちも行こうか」
「だな」
「おうよ」

僕たちも1階の大浴場へ向かった。

この旅館は海を眺める露天風呂が人気の宿だ。
それを目当てにはるばる北海道からやってくる人も中にはいるという。
しかし今日は…。

「…冗談で言ったつもりなんだがな」
「見事に誰もいないね」

貸切だった。

「ま、俺はこっちのほうが落ち着けていいがな」
「なんでぇ。俺の筋肉が見せ付けられねぇじゃねぇか」

真人は微妙に不服そうだった。

一方女子サイド。

BGM:少女達の午後4時半

Phase:鈴

「まさか本当に貸切とはな…」
「いーじゃないっすか姉御!思う存分ゆっくりできますヨ、やはは」

くるがやが意外そうな顔をしてる横ではるかが騒いでた。
言ってることとやってることが違うぞ。
壁の向こうでは男子が騒いでた。

「覗くなよ!」

一言声をかけた。
理樹…はしないと思うが、見られても今更別に…。
真人と謙吾も大丈夫だろう。あいつらにそういうシュミがないのはわかってるからな。
問題はあの馬鹿兄貴だ。
いつだったかロリロリハンターズとか大声で叫んでたからな…。
あれ、いつだったっけ?

「りんちゃーん、一緒に入ろうー」
「はいるですっ!」
「あ、ちょっと、引っ張るな!」

体を洗い終わったあと、こまりちゃんとクドに連れられて湯船につかる。
うーみゅ、お湯が透明だからなんか恥ずかしい…。

「わふー…」
「どうしたの?クドちゃん?」
「ふー…」
「??」

クドがこまりちゃんを、ていうかこまりちゃんの胸を見つめていた。

「ど、どーしたらこまりさんみたいになれるでしょーか…?」
「どうしたの?クドちゃんはクドちゃんだよ?」
「わふー…コポコポ」

通じてないのかも。

「おや、どうしたクドリャフカ君?浮かない顔をして」
「っ!」

いつの間にかくるがやも入っていた。
っていうか回り込まれてる!?

「あ、あのっ!どうやったら来ヶ谷さんみたいな、そのー、ボン、キュッ、ボン!になれますか!?」
「なんだ、そういうことか。ま、私としてはクドリャフカ君にはそのままでいて欲しいのだが…ま、適度な運動は大事だな。前にも言ったかもしれないが、腹筋、背筋、胸筋はスタイルの維持には不可欠だからな」
「ふむふむ」
「ところで…葉留佳君は何をやっているのだ?」
「ギクッ!あーいや、なんでもないですヨ、はははは」

みおが体を洗っている後ろではるかがコソコソとなにかしていた。

「ふむ、ならいいのだが。で、鈴君はどう思う?」
「ふにゃっ!?」

突如脇から腕を回された。

「はなせっ!この馬鹿っ!」
「うーむ、鈴君もクドリャフカ君に負けず劣らずだな。萌え萌えだな」
「はーなーせーっ!」
「ま、それはそうとしてだ。筋肉についてなら、真人少年に訊くのが一番早くて確実だと思うぞ」

そのころ男子サイドでは…。
Phase:理樹

「…真人少年に訊くのが一番早くて確実だと思うぞ」

なぜか女子風呂から聞こえてくる会話に真人の名前が入っていたような気がするが、深く考えないで置こう。

「いい加減はなせっ!!」
「はははは、やっぱり鈴君もクドリャフカ君も萌え萌えだなぁ」
「わ、わふー」

断片的に聞こえてくる会話から察するに、いつものごとく来ヶ谷さんが鈴やクドにちょっかいをかけているのだろう…全裸で。
いけない、うっかりその場面をイメージしてしまうところだった。

「ぐほぁっ!」

…イメージしてしまったであろう人がここに1人。
恭介が鼻と口を押さえながらうずくまっていた。

「お、おい、大丈夫か?恭介」
「あ、あぁ。少し長く湯につかりすぎたみたいだ。俺はそろそろ出るわ」
「じゃ、俺もそうするかね。風呂上りの筋トレが待ち遠しいぜ」
「俺も出るが…理樹はどうする?」
「僕はもうちょっと入ってるよ。まだゆっくり浸かれてなかったから」
「そうか」

そういうと3人は出て行った。
…突如湯船で真人と謙吾のバトルが勃発してしまったので、まともに浸かれてなかったのだ。

「ふぅー…」

1人夜空を見上げる。
以前何かで見た星座図によるとペガススの四辺形が見えるはずなんだけど…どれだかよくわからない。

「さて、私たちはそろそろ上がるとするか」
「あいあいさー!」
「では私もそろそろ」
「クーちゃんもそろそろ上がる?」
「はいです!」
「鈴君はどうする?」
「もう少し浸かってる」
「そうか。のぼせないようにだけ気をつけるんだぞ」

他の3人が出て行ったからか、女風呂の会話がさっきよりもよく聞こえる。

「理樹、いるか?」
「うん」

柵の向こうから鈴の声。

「あの馬鹿どもは?」
「先に上がったよ。恭介がのぼせちゃって」
「てことは、1人か?」
「うん」

ガサッ
柵に何かが寄りかかったような音。

「理樹」
「何?」
「こっち…背中合わせ」
「あ、うん」

僕も柵に寄りかかり、鈴と柵を介して背中合わせに座る。

「…」
「…」

沈黙が続く。
僕たちを隔てているのは厚さ数センチの柵だけだ。
そう考えると、妙に緊張してきた。
と、とりあえず裏返っても大丈夫なように、極力低い声で…。

「ボドドドゥドァー」
「っ!?」

まずい、裏目に出た。
でもなんでだろう。前にもこんなことがあったような気がする。

「…」
「…」

結局、僕たちはまともな会話を交わすこともなく浴場を後にした。

BGM:チクタク・ルーチン

「くーっ!やっぱ風呂上りの1杯は格別だぜ!」
「恭介、それサラリーマンのセリフ」

恭介がコーラを飲みながら唸っていた。

「で、次は何をするんだ?」
「っと、そうだった。ちょっと持ってきた荷物を見てみたら、こんなのがあってな」

と言うと、恭介は何かを取り出した。
携帯やウォークマンに取り付けるスピーカーのようだ。

「デュエルの雰囲気を盛り上げるために、BGMをつけようと思う」
「は、はぁ…」
「びーじーえむ、ってなんですか?」
「クーちゃん、BGMっていうのは、Back Ground Music、つまりはテレビなんかで後ろに流れてる音楽のことだよ」
「日本語では劇判、ともいいますね」
「で、そのBGMを…どうするって?」
「デュエルに使うんだよ。そのほうが雰囲気出るだろ?例えば…」

BGM:遊星バトル

「こんな感じに、だ」
「なるほど」
「他にもいろいろあるから、適当に流してみてくれ」

そのままいろいろな音楽を流すことに。

BGM:勇壮なる戦い

「んー、なんか初めて聴いた気しないネ、これ」
「何故だ…この曲を聴いてると、無性にバトルがしたくなってくるぜ…」
「奇遇だな、俺もちょうどそう思っていたところだ」
「やっぱりみんなもそう?」

BGM:神の怒り

「恭介だな」
「恭介だね」
「恐らくこのあと、圧倒したように見せかけて結局負けるな」
「エグゾディアとか?」
「いや、生贄の抱く爆弾で自滅、ってのもありじゃねぇか?」
「おいおい、なんでそうなるんだよ?」

そんなこんなで何曲か聴き、とあるトラックに差し掛かったとき…。

BGM:Sha ra ra extacy

しゃ~ら~ら~ら~ら~ら~う~あ~

「っ!?」
「わふぅ…」
「なんだ、この気分は…」
「あうぅ、なんか変な感じ…」
「……ぽ」
「ふぇ?みんなどうしたの?」

女子…何故か小毬さん以外…に異変が。
鈴は耳まで真っ赤にして僕と目をあわせようとしない。
クドは目がとろんとなっている。息遣いも荒い。
来ヶ谷さんや葉留佳さんも様子がおかしい。
西園さんはも真っ赤になっているが…普段から時折あるのでこれのせいなのかはわからない。

「きょ、恭介、止めて止めて!」

BGM:スローカーブ

「ん、あぁ。どうしたんだ急に?」
「なんだか、すごく後ろめたい気分になったよ…」
「なんじゃそりゃ?」

あの曲は一体なんだったのか、僕達に知る由もなかった。

結局、曲選びは明日以降にして今日は寝ることに。
机を移動させ、4人で布団を敷く。

真人はほんの数分で眠りに付いたらしい。
謙吾や恭介も早いうちに寝入ったようだ。
…僕も寝るとしよう。

こうして夜は更けていく…。

続く



[22069] 第8話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/09/30 00:57
9月9日(日)

BGM:目覚めた朝に

あまりの寝苦しさに目が覚めた。
何故か全身汗だくだ。
ふと縁側を見ると、恭介が既に着替えて外を見つめていた。
真人は大いびきをかきながら寝ている。
謙吾の姿も既になかった。

「お、理樹。起きたか」
「なんだか寝苦しくてね。謙吾は?」
「さぁ。俺が起きたときには既にいなたっかたが…外で素振りでもしてるんじゃないか?」

それにしても…昨日の涼しさからは考えられない暑苦しさだ。
携帯の天気予報を見てみる。

予想最高気温35度(前日比+9)
予想最低気温25度(前日比+4)

…そんな馬鹿な。
手動更新してみる。

予想最高気温36度(前日比+10)

…上がった。

「なんだ、真人はまだ寝てるのか?」

謙吾が戻ってきた。

「それにしても今日はやけに暑いな?」
「予想最高気温36度だってさ…」
「それは…ただ事じゃないな」

携帯サイトの情報によると、上空の気流の乱れの影響で数日は天気が乱れるとのことらしかった。
この突然の猛暑もそのせいだろう。

「…冗談で言ったつもりだったんだがな」
「なんか今回それ多くない?」

それは出発前のことだった。

「せっかく海に行くんだ。水着くらい持っていけよ?」

昨日は9月上旬にしては結構涼しかった。
一応皆持っては来ているらしいが、まさか本当に使うことになるとは誰一人思っていなかっただろう。

朝食を食べに、1階の食堂に皆が集まる。
和風旅館だけあって、朝食もご飯に味噌汁、焼き魚といかにも日本の朝食、と言った感じだ。

「皆、落ち着いて聞いて欲しい」

恭介が話を始める。

「まず今日の予定だが、海に出ようと思う」
「海ったって、なにすんだよ?」
「一応水着は持ってきてありますが…」
「なぁに、心配するな。いろいろと使えそうなものは持ってきてある」

流石に準備がいい。

「だが、問題はそこじゃない。もう一つ伝えておくことがある」
「なんだよ?」
「明日月曜日、臨時休校が決定した」
「…はい?」

場の空気が凍りつく。

「待て恭介氏、それはどういうことだ?」
「あぁ。皆、化学科の佐々木、と言う教師は知っているか?」
「佐々木先生って、隣のD組の担任だよね?」
「確か、長身で常に白衣を着ている教師だな」
「うんうん。ちょっと怖そうだけど、とってもいい先生ー」
「あたしはクラス違うからしらないなァ。あたしんトコは化学の担当渡辺先生だし」

葉留佳さんのクラスは化学の担当教師が違うらしい。
渡辺…知らないなぁ。

「で、その佐々木先生がどうかしたのか?」
「それなんだが…科学部の連中と早朝からとある実験をしていたらしいのだが、薬品の配合を間違えて爆発させたらしい」
「ば、爆発ですかーっ!?」
「なんでも、新しいNYP兵器の研究をしていたそうです。鈴木さんからメールが来ていました」

鈴木…例のマッド鈴木さんのことだろう。
NYP(なんだかよくわからないパワー)研究の第一人者である。
西園さんがそのメールを見せてくれたが、相当焦っていたのだろう、誤字だらけだった。

「幸い、教師生徒ともにけが人はなかったそうだが…それに反応してプールしていたNYPが暴走したらしくてな。特別教室棟を中心に各校舎の1階全域と2階の一部が、泡状の物質で覆われてしまったらしい。業者に頼んで撤去してもらっているそうだが、1日で終わるものではないらしい」

それで臨時休校、ということらしかった。
というか、一体何を作ろうとしていたのだろうか…。

「寮は大丈夫なのか?」

鈴がたずねる。
たしかに、その謎の物質が寮にまで及んでいたら何かと面倒だ。

「大丈夫だ。寮に被害はないと連絡があった」

ちなみに恭介に連絡をしたのは男子寮長らしかった。

「ちょっと待って、てことはまた補修増えるのかぁーっ!?」

事故の後、メンバーの中でも比較的病院生活が長かった真人にとってはある意味致命的ダメージだった。
謙吾も一瞬凄く嫌そうな顔をしたが、すぐに平静を取り戻していた。

「ま、今補修のことを嘆いても仕方ないさ。せっかく明日休みなんだからな、思いっきり遊ばなきゃソンだぜ?」
「でも、宿はどうするの?」
「なぁに、心配ないさ。平日で予約もなかったからな、もう1泊くらいなら大丈夫だそうだ」

ホントどこまで手回しがいいんだこの人は。

BGM:BOYS DON'T CRY

一度部屋に戻り、準備をする。
真人と謙吾は早々に済ませ下に降りていった。

「ねぇ、恭介」
「なんだ?理樹」
「まさかとは思うけど、これも恭介の思うがまま?」
「何言ってんだ理樹。ここはあの『世界』じゃないんだぜ?」
「あ、うん。ごめん、変なこと聞いた」
「…理樹」

少し、真剣な表情になる。

「やっぱり覚えてるんだな、あの『世界』のこと」
「まぁね。全部、ってわけじゃなくて、ほんとに断片的にだけど」
「…そうか。いや、俺自身もう殆どあの『世界』で起こったことについては記憶に残ってないからな。今思い出せるのはその『世界』を俺たち8人が作って、お前達を強くしようとした…その事実だけだ。他の連中がどこまで覚えているのか、俺にもさっぱりだがな」

恭介たちが、ただ2人生き残るはずだった僕と鈴のために死の淵で作り出した『世界』。
あの『世界』の礎がなんなのか、そしてあの時何が起こっていたのか、僕たちに知る由もなかった。
でも、あの『世界』があったからこそ死の運命にあった皆が、今ここでこうして生きている。一緒にいる。
今はその事実だけで十分だ。

「さぁて、皆が待ってるぜ。いくぞ理樹!」
「う、うん!」

BGM:密やかなさざめき

「いやー、それにしてもほんと暑いですネ」
「夏だ…夏が帰って来やがった…」

気温30度。
日ざしが真っ白な砂浜を照らす。
遠くを見ると少しだが海水浴客のものと思われるパラソルがあった。

「ところで恭介さん、着替えとかお昼ご飯とかはどうするですか?」
「海の家があるじゃないか」
「いや、海の家というものは普通夏が終わると営業を終了するものだと思うのだが…」
「ふふふ、あれを見よっ!」

恭介が指差した先には海の家が。
そしてその前にはでかでかと書かれた「年中無休」の4文字。
…海の家って、そんな物だったっけ?

「よーっし、泳ぐか!」

鈴が突然上着に手をかける。

「ちょ、ちょっと鈴!?」
「ん、どうした理樹?」

そのまま上着を脱ぎ捨てる。
…どうやら、既に中に水着を着ていたらしい。
上下一体の紺の水着だ。

「いや、なんでもない…」
「…?変なやつだな」

僕自身中に水着を着ていたのに、何故その考えに至らなかったのか。
一瞬よからぬ想像をしてしまった自分が情けない。

しばらくして、着替え終わったメンバー戻ってくる。

「おや、謙吾少年はてっきりふんどしかと思ったのだが」
「流石に人前ではしないな」

ということは1人のときはするのだろうか。滝行とか。
というか、数人姿が見えない。

「他の皆はまだ着替え終わってないのかな?」
「いや、あれだよあれ」

真人が指差す方向…海の家。
その前に置かれた謎の機械。
そこに恭介、クド、西園さんの3人がいた。

 放っておく
ニア様子を見に行く

…なんだ今の。

「ごめん、ちょっと見に行ってくる」
「お、おう」

海の家に向かった。

「…出ました。イビリチュア・ソウルオーガです」
「わ、わふーっ!キラキラなのです!」
「凄いな西園…これでリチュアもコンプリートだぜ…」
「何やってるの?3人とも?」
「あ、リキ。これはですね、デュエルターミナルというのですよ」
「簡単に言えば、遊戯王のアーケードゲームです」
「いや、それは知ってるんだけど…なんでこんなところに?

海の家にデュエルターミナルなんて、聞いたこともなかった。

「細かいことを気にしてはいけません」
「…そういうものなの?」
「そういうものなのです」
「なのです!」
「いやな、せっかくだからと1000円分投入してみたんだが…西園がすさまじい勢いでレアカードを引き当てるもんだからな、ついつい調子に乗っちまった」

カードケースの中には今回の戦利品と思しきカードが。
確かにレアカードの数が半端じゃなかった。
ダイガスタ・イグルスに至ってはシークレットレアだ。

「皆待ってるよ?」
「ちょっと待ってください。この勝負だけ…」

BGM:熱き決闘者達

どうやらアクションデュエルの…それもエクストラステージに突入したところらしかった。

「で、相手は…」

画面を覗き込む。

「百獣の王たるこの俺に、叶う道理などありはしない!」
「うわぁ!?」

相手は海馬瀬人だった。
あいかわらずやかましい。

「恭介さん、例のカードを」
「はいよ」

恭介が西園さんにカードを手渡す。
そしてそのカードをスキャンする。

「光来せよ、セイヴァー・スター・ドラゴン」
☆10 風属性

「青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)!!」
☆12 光属性

海馬の声が響き、青眼の究極竜が姿を現す。

「今回のミニゲームは、これだぁーーーっ!!」

MCの声が響き…。

「エネミーコントローラー!!」

すぐさま海馬に乗っ取られた。
ミニゲーム・エネミーコントローラーは、海馬の指定するコマンドを制限時間内に入力していくゲームだ。
画面上に表示されるA、B、Cボタンと、手元のアクションボタンを使用する。
明らかに狙っているとしか思えないセリフチョイスが気になるゲームである。
そして海馬の声が響いた瞬間、西園さんの目つきが変わった。

「始まるぞ、西園の戦いが…!!」
「どきどき」

カカッ!カカカカカッ!!
画面にコマンドが表示されるや否や、ものすごい勢いコマンドを入力していく。
画面を左手で叩き、右手はアクションボタンの上に置かれていた。

「ふはははー!すごいぞー、かっこいいぞー!!」
「全速前進だ!!」
「粉砕、玉砕、大喝采!!」

やかましいまでの海馬の声が響き渡る。
結果は…もちろんパーフェクト。
だが、本当に凄いのはここからだった。

アクションデュエルはモンスターのレベルとフィールド相性、そしてミニゲームの結果によって長さと色が変化するバーが現れ、線上を動くカーソルをタイミングよく止め、その結果で勝敗が決定する。
今回西園さんがスキャンしたセイヴァー・スター・ドラゴンのレベルは10。
バー全体の長さは非常に短いが、中央の青いバー、つまりは最高威力の攻撃を繰り出す部分が大きい。
ハイリスク・ハイリターンというやつである。

「うわぁ…」
「すごいな」
「わふぅー」

僕らはその結果に、ただただ驚くしかなかった。
5回全てど真ん中、完全勝利だった。

「シューティング・ブラスター・ソニック」

BGM:チクタク・ルーチン

「…この程度、朝飯前です」
「っと、そうだ。こうしてる場合じゃなかったんだ」
「おぉっと、そうだったな。よし、行くぞ、能美、西園」
「はいなのですっ!」
「…コクリ」

荷物を抱えた恭介と共に、僕らは皆の待つ浜辺へ向かった。

続く



[22069] 第9話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/10/03 17:10
BGM:心色綺想曲

「あ~つ~い~暑いっスよ姉御~」
「さっきからそれしか言ってないんじゃないか?葉留佳君」

戻ってくると葉留佳さんがうなだれていた。
確かに昨日とは比べ物にならない暑さだ。

「鈴さんたちみたいに泳ぎに行けばいいじゃないですか?」
「だってさー、姉御が逃がしてくれないんだもーん」

珍しく葉留佳さんが絵のモデルにされていた。
少し気になったのでキャンバスを覗いてみる。

…水着姿の樋口一葉が描かれていた。

「ふむ、こんなところか」

そしていつもの調子で右下に文字を書き加える。

夏の樋口ver.5000

相変わらず意味がわからない。
何故この人が描く絵は顔だけ偉人や有名人になってしまうのだろうか。
僕には少し理解の追いつかないセンスだった。

BGM:かけっこ

海辺には鈴、クド、小毬さん、そして真人の4人がいた。
明らかに1人だけ異質である。

「ちょっ、やめっ、ちょっ、おわーーーーっ!!」

…真人が埋められていた。

「これ乗せるとかわいいかも~」

小毬さんが真人の頭に貝殻を乗せる。

「井ノ原さんっ!ファイトです!筋肉ぱわー全開です!」

クドはどうやらここから真人が脱出するのを心待ちにしているようである。
そして言葉の節々に、トールの暴走の後遺症が若干見られた。

「しねっ」
「ふがぁっ!」

鈴が(どこから持ってきたのか)バケツいっぱいの海水を真人に浴びせる。

「ぬあーーーっ!なんで俺ばっかこんな扱いなんだよぉーーー!!」

ズボォッ!!

「ほわぁっ!」
「わふっ!?」
「っ!?」

なんと首だけの状態から砂を突き破って真人が飛び出した。
あいかわらずデタラメな筋力だ。

「で、お前は泳がないのか?恭介」

海から謙吾が海藻にまみれて戻ってくる。
一体どこでどう泳いだらそうなるんだろうか。

「昨日も言ったじゃねぇか。背中の傷に沁みるんだよ、海水は特にな」
「まぁ、お前のことだからまた何か別のことでも考えているのだろうがな」
「お、察しがいいな。よし、わりぃ、理樹、謙吾、皆を呼んできてくれ」

BGM:少女達の午後4時半

「よし、これで全員揃ったな」
「して恭介氏、これから一体なにをするつもりなのだ?」
「まぁそう急かすな。理樹、そっち持ってくれ」
「あ、うん」

いつもの要領で台紙を走りながら広げていく。

「第1回!夏だ!海だ!水着だ!リトルバスターズ、浜辺の5番勝負!!」
「…」

全員反応に困っていた。

「待て待て待て、私には何がなんだかさっぱりわからんぞ」
「くるがやのゆーとーりだ。今回は何をする気なんだ?」
「まぁそれは自ずとわかるさ。とりあえず、チーム分けだな」

そういうと恭介は9枚のカードを取り出した。

「同じ属性のカードを引いた3人がチームだ」

そして全員がカードを1枚ずつ引く。

「ガスタの巫女 ウィンダか」 謙吾。
「インヴェルズ・ガザス…ってなんだこりゃ?」 真人。
「イビリチュア・マインドオーガスです」 西園さん。
「ガスタ・ガルドだ」 来ヶ谷さん。
「ダイガスタ・ガルドスだね」 葉留佳さん。
「リチュア・アビス…モンペチにしても美味くなさそうだな」 鈴。
「インヴェルズの斥候…斥候ってなんだろ?」 小毬さん。
「インヴェルズ・ギラファですか…なんだか強そうなカードなのです」 クド。
「僕のは…リチュア・ヴァニティだね。って、このカードって…」
「さっき当てた奴だ」
「あ、やっぱり…」

僕のチームには鈴と西園さんが。
他の2チームは真人、クド、小毬さんと、謙吾、来ヶ谷さん、葉留佳さんという組み合わせになった。

「さぁ、野郎ども!ついてこい!」
「圧倒的に女子のほうが多いけどね…」

恭介に誘導され、着いたのは先ほどの海の家。
そして恭介に1人100円ずつ小銭を渡される。

「恭介、まさかとは思うけど…」
「そう、そのまさかだ。5番勝負、最初の勝負で試されるのはズバリ『運』だ!各チーム順番に1人ずつそこのデュエルターミナルでカードを手に入れる。最もレアリティの高いカードを引いたチームの勝利だ!」
「なるほど、この勝負なら体を動かす必要もないというわけか」
「よし、まずは順番を決めないとな」

じゃんけんの結果、最初に真人のチーム、続いて謙吾、僕のチームという順になった。

「よし、それではミッションスタートだ!」
「あ、これミッション扱いなんだ…」

BGM:Mission Possible~but difficult tusk~

「よっし、まずは100円玉を入れて…ここを押せばいいんだよな?」

ガシャン。
真人はTHE トリッキーを手に入れた。

「なんだ、外れか?」
「いいや、大当たりだ」
「へ?」
「こ、こいつは1箱200枚中1枚しか入っていないノーマル仕様のレアカード、通称ノーマルレアカード!」

一番驚いていたのは謙吾だった。

「なんだかよくわかんねぇが、とりあえず凄いってことだな?」
「あ、あぁ…次は俺だ」

ガシャン。
謙吾はアームド・ドラゴン Lv10を手に入れた。

「ふ、不覚…!!」
「それじゃあ次は僕だね」
ガシャン。
リチュアの儀水鏡を手に入れた。

「次は私なのです!」
クドはスター・ブラストを手に入れた。

「ならば次は私が行こう」
来ヶ谷は生贄の抱く爆弾を手に入れた。

「あたしの番だな」
鈴はセンジュ・ゴッドを手に入れた。

「よぅしっ!次は私の番!」
小毬はインヴェルズ・モースを手に入れた。

「あたしの番だね!100円ボーン!!」
葉留佳はクレボンスを手に入れた。

そして、最後に西園さんの番が回ってきた。

「それでは…」
遊星のセリフと共にカードが排出される。
西園はインヴェルズ・ガザス(シークレット)を手に入れた。

「んなっ!?」
「おいおい、本日2度目かよ…」
「ん、なんだ?こいつより凄いカードが出たってのか?」
「あぁ…このインヴェルズ・ガザスはただのインヴェルズ・ガザスじゃない。超激レアのシークレット仕様だ!勝者、理樹チーム!!」

なんだかよくわからないまま勝ってしまった。

続く。



[22069] 第10話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/11/14 16:11
BGM:かけっこ

「さぁて、2回戦と行くぜ!」
「いやまぁ」

最初の勝負を終えた僕達は、浜辺に戻ってきていた。

「で、今度は何をすればいいのだ?恭介氏」
「まぁ焦るなって。今度は『器用さ』の勝負だ!」
「ふぇ?」
「制限時間30分で、砂の像を作る。その出来栄えを競ってもらうぞ!」
「はぁ…」

最初は皆微妙な空気だったが、いざ始めてみたらなんだかんだで盛り上がってきていた。

「理樹!そっちもうちょっと太く!」
「こ、こうかな?」

僕達は砂を固めて、そこから削っていく方式で作ることにした。

「い、井ノ原さん!そっちじゃないです!」
「ん?」

ザバァッ!

「ほわぁっ!」
「あ、わりぃ」

真人には絶対に向いていなさそうな作業だった。

「どきどき…」
「そこだ、謙吾少年!」
「…見えたっ!!」

シュバババババッ!!
葉留佳さんが持ち前の素早さで砂を運び、来ヶ谷さんが設計の指示を出す。
そして謙吾が手先の器用さと精神力を生かして像を作っていく。
見ているだけで勝てる気がしなかった。

なんだかんだで、あっという間に時間になった。

「会心のできだな!」
「そうですね」

僕達が作ったのは、1/1ドルジ像。
我ながらなかなかのものだとは思う。

「…」
「う~ん…」
「わふぅ…」

真人チームのは…なんだろうこれは。
クドが言うには、ヴェルカとストレルカの像を作りたかったらしい。
真人が何度も崩したせいか、最早何がなんだかわからなくなっていた。

「完璧だな」
「おぉー…」
「ま、こんなものだろう」

謙吾チームは…これまた凄まじいものを作っていた。
3枚の細長い尾羽。
大きく広がった28枚の翼。
そして鋭い眼に鋭いくちばし。
浜辺にブラックフェザー・ドラゴンがそびえ立っていた。

「謙吾チームの圧倒的勝利だな」
「いやまぁ」

というか、どうやってあのバランスで自立しているのだろうか。
そもそも、あの翼が自重に耐えられるとは到底思えないのだが…。

「さて、もうこれに用は無いな?」
「ん、あぁ」

来ヶ谷さんの問いに答える恭介。

「極神皇ロキの攻撃、ヴァニティ・バレット」

来ヶ谷さんが足下にあった小石を投げつけた。
するとバランスを崩したブラックフェザー・ドラゴンが一瞬で崩れ去った。
というか、相変わらずこの人の行動は読めない。

「さぁて、今度は…ん?」

恭介が意気揚々と次のゲームの説明に取り掛かろうとした時だった。
ポツ、ポツと雨が降り出した。

BGM:幻日

「まずいな、これは嵐になるぞ」

来ヶ谷さんが海の方を指差した。
風上には真っ黒な雲が。

「仕方ない、一旦宿に戻るぞ」

恭介は至極残念そうな顔をしながらみんなにそう継げた。

BGM:チクタク・ルーチン

「で、どうすんだよ恭介?」
「うーむ…」
「といっても、この部屋でできることってかなり限られるんじゃないか?」

謙吾の言うとおりだ。
これだけの大所帯で、部屋1つでできることはあまり無い。
すると、誰かの携帯の着信音が響いた。

BGM:明日への道~Going my way~

鳴り響く歌。

「あ、もしもし?」

どうやら葉留佳さんの携帯だったようだ。

「これだ!」

恭介が何か閃いたらしい。

「チームデュエルっていう手があったじゃないか!」
「チームデュエル?」
「あれだよ、ほら、アニメでやってるさぁ」
「あー」

そのまま説明に入る恭介。

「よし、じゃあこうしよう。各チーム3人で順番を決め、まずは一人目がデュエルをする。一人当たりの持ちライフは4000、無くなった時点で次のプレイヤーに交替だ。ライフポイントが0になった場合でもフィールドのカードは引き継げる。それからバーンカードはプレイヤー一人だけを対象に発動な」
「なるほど、それならチーム対抗でできるというわけか」
「だが、お前はどうするんだ、恭介?」
「俺はジャッジをやるよ。色々と複雑だからな」

真人が若干混乱しているようだが、みんな概ねルールは把握できているようだ。

「よし、じゃあ始めるぞ!」

続く



[22069] 第11話
Name: グルナード◆0b0f3a7c ID:d975b5ac
Date: 2010/12/07 23:15
BGM:チクタク・ルーチン

そんなこんなで、チームデュエルをすることになった。
僕のチームは鈴、西園さん、僕の順。
真人のチームは小毬さん、クド、真人の順、謙吾のチームは葉留佳さん、来ヶ谷さん、謙吾の順だ。

「恭介はどうするの?」
「俺はジャッジをやるよ。色々と複雑だからな」

そして各チーム1番手の鈴、小毬さん、葉留佳さんの3人と、ジャッジの恭介が机を囲んで座る。

「よし、デュエルスタートだ!」

BGM:勇壮なる戦い

Turn1:鈴
「あたしのターン、ドロー!」
手札5枚→6枚
「手札から宝玉獣トパーズ・タイガーを召喚!」
ATK1600 DEF1000 ☆4
手札6枚→5枚
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
手札5枚→3枚
伏せ2枚

Turn2:小毬
「私のターン、ドロォー」
手札5枚→6枚
「ナチュル・パンプキンを召喚っ!」
ATK1400 DEF800 ☆4
手札6枚→5枚
「ナチュルパンプキンの効果で、ナチュル・スティンクバグを特殊召喚!」
ATK200 DEF500 ☆3
手札5枚→4枚
「レベル4のナチュル・パンプキンにレベル3のナチュル・スティンクバグをチューニング!シンクロ召喚っ!ナチュル・ランドオルス!」
ATK2350 DEF1600 ☆7
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだよー」
手札4枚→3枚
伏せ0枚→1枚

Turn3:葉留佳
「私のタァーン!ドロー!ジャキーン!!」
手札5枚→6枚
「モンスターをセット!」
手札6枚→5枚
「カードを5枚伏せて、ターンエンド!」
手札5枚→0枚

「あれ、謙吾、何やってるの?」
「ん、あぁ さっきのカードでデッキを強化しようと思ってな」

Turn4:鈴
「あたしのターンだな ドロー!」
手札3枚→4枚
「手札から宝玉獣サファイア・ペガサスを召喚!」
ATK1800 DEF1200 ☆4
手札4枚→3枚
「宝玉獣サファイア・ペガサスの効果…」
「ちょぉーっとまったー!ナチュル・ランドオルスの効果を発動するよ!手札の魔法カードを1枚捨てて、モンスター効果の発動を無効にして破壊!」
小毬 手札3枚→2枚
「よしきたぁー!罠発動、ファイアーダーツ!サイコロを3回振って、その目の合計×100のダメージ!」
サイコロの目は…5,4,6
「合計15で1500ダメージ!さらに速攻魔法発動、ご隠居の猛毒薬!さらにさらに罠発動、積み上げる幸福!それからそれから罠発動、チェーン・ブラスト!そんでもって速攻魔法発動!連鎖爆撃!!」

「うおっ!なんかすげぇことになってんぞ!」
「三枝の本領発揮って所だな」

「連鎖爆撃の発動チェーンは7だから2800ダメージ!よって鈴ちゃんと小毬ちゃんにそれぞれ2800ダメージ!すびっしゃぁぁぁん!!」
「ふにゃっ!?」
鈴LP4000→1200
「ほわぁっ!?」
小毬LP4000→1200
「さらに積み上げる幸福の効果でカードを2枚引いて、チェーン・ブラストを手札に戻ーす!」
葉留佳手札0枚→3枚
伏せ5枚→0枚

「あれ、今誰のターンだっけ」
「鈴のターンのはずだが…だよな、恭介」
「あぁそうだ」
葉留佳さんの怒涛のチェーン連打で微妙に場が混乱していた。

「トパーズ・タイガーを守備表示にして、ターンエンドだ」

Turn5:小毬
「私のターン、ドロォー!」
手札2枚→3枚
「バトル!ナチュル・ランドオルスではるちゃんの伏せモンスターに攻撃!」
「あまぁーい!アルカナフォース0 THE FOOLは戦闘で破壊されない!」
ATK0 DEF0 ☆1
「うーん カードを1枚伏せてターンエンドぉ…」
手札3枚→2枚
伏せ1枚→2枚

Turn6:葉留佳
「私のターン!ドロー!」
手札3枚→4枚
「魔法カード発動、ハリケーン!さらに手札から速攻魔法ご隠居の猛毒薬!それからさらに手札から速攻魔法、連鎖爆撃発動!」

「連鎖爆撃2枚目だと!?」
「ふむ、今日の葉留佳君はなかなかいい引きをしているようだな」

全ての伏せカードが手札に戻る。
鈴手札3枚→5枚
伏せ2枚→0枚
小毬手札2枚→4枚
伏せ2枚→0枚

「こまりんに1200ダメージ!それから鈴ちゃんにも800ダメージ!」
「あうぅう…」
小毬LP1200→0
「うにっ!?」
鈴LP1200→400
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

小毬さんのLPが0になったことで、二番手のクドへとバトンタッチする。
しかし問題はここからだ。
鈴の伏せカードが全て失われた状況で、葉留佳さんの伏せカードは間違いなく「チェーン・ブラスト」。
…万事休す。

Turn7:鈴
「あたしのターン、ドロー!」
手札5枚→6枚
「罠発動!チェーン・ブラスト!鈴ちゃんに500ダメージ!」
「鈴!」
葉留佳伏せ1枚→0枚

これを受けたら、鈴のライフは0。
しかもこの場の状況では…!!

「速攻魔法発動!エネミーコントローラー!FOOLを攻撃表示に!」
「あぁうっ!しまったぁ!」
「さらに速攻魔法、死者への供物!次のドローフェイズをスキップする代わりに、相手モンスター1体を破壊する!ナチュル・ランドオルスを破壊!」
「はうっ!?」
「これで最後だ!速攻魔法、奇跡の蘇生!墓地のサファイア・ペガサスを特殊召喚!」
鈴LP400→0

鈴のライフが尽きたことでターンはエンドフェイズに移行し、西園さんへとバトンタッチする。

「うーみゅ、すまない、みお」
「いえ。場の状況は悪くありません。あとは…」

どうやら西園さんには何か策があるようだ。

Turn8:クド
「私のターン、ドロー!なのですっ!」
手札5枚→6枚
「手札から永続魔法、六武の門を発動するです!」
手札6枚→5枚
「さらに永続魔法、六武衆の結束を発動するです!」
手札5枚→4枚
「真六武衆-カゲキを召喚なのです!」
ATK200 DEF2000 ☆3
手札4枚→3枚
六武の門 武士道カウンター0→2
六武衆の結束 武士道カウンター0→1
「真六武衆-カゲキの効果で、手札から真六武衆-ミズホを召喚なのです!」
ATK1600 DEF1000 ☆3
手札3枚→2枚
六武の門 武士道カウンター2→4
六武衆の結束 武士道カウンター1→2
「真六武衆-カゲキは、他の六武衆がいるとき攻撃力が1500あっぷするです!」
真六武衆-カゲキ ATK200→1700
「さらに真六武衆-ミズホが場に存在するとき、手札から真六武衆-シナイを特殊召喚するです!」
ATK1500 DEF1500 ☆3(守備)
手札2枚→1枚
六武の門 武士道カウンター4→6
「六武衆の結束を墓地に送って、カードを2枚ドローするです!」
手札1枚→3枚
「六武の門のカウンターを4つ取り除いて、デッキから真六武衆-キザンを手札に加えるです!」
手札3枚→4枚
「真六武衆-キザンを特殊召喚なのです!」
ATK1800 DEF500 ☆4
手札4枚→3枚
六武の門 武士道カウンター2→4
「真六武衆-キザンは他の六武衆がいるとき、攻撃力が300あっぷするです!」
真六武衆-キザン ATK1800→2100
「カードを1枚伏せて、バトルです!」
手札3枚→2枚
「真六武衆-キザンでFOOLに攻撃です!」
「はうぅあぁ!」
葉留佳LP4000→1900
「さらに真六武衆-カゲキで攻撃するです!」
葉留佳LP1900→200
「真六武衆-ミズホで攻撃なのです!」
「あうぅぅぅー…」
葉留佳LP200→0
「これでターンエンドなのです!」

「ひえぇ…おっそろしぃ」
「なんていうか、やっぱり凄いよね…」
六武衆改め真六武衆の展開力に、ただただ僕たちは驚くしかなかった。

続く


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