環太平洋連携協定（ＴＰＰ）で思わぬ影響―。花巻市愛宕町の印刷業小彌太（こやた）（小瀬川弘樹社長）に、ＴＰＰの反対集会などで使う鉢巻きの発注が全国から相次いでいる。

　同社は現在、県内の農協から受注した鉢巻き千本を製作中。工場には「ＴＰＰ断固反対」などと書かれた布地がずらりと並ぶ。

　１１月下旬には北海道で行われた４千人規模の反対集会に、鉢巻き４千本を卸したばかり。緊急集会のため受注から約１週間しか時間がなく、ぎりぎりの納品だったという。

　同社は選挙用品も作っており、来春の統一地方選関連の受注も増え始めた。今後も反対集会は相次ぎそうで、同社もＴＰＰの協議の行方を注視する。

　小瀬川社長は「予想していない注文だったので驚いた。間接的にだが、農家の切実な思いが伝わってくる」と神妙な面持ちで鉢巻きを見つめる。

【写真＝大量に印字されたＴＰＰ反対集会用の鉢巻き＝花巻市・小彌太】